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後日談 18
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『セミオーダーの選んだ指輪のデザイン会社が小さい所なので、約2ヶ月かかります』と言われた。
しかも、ちょうどクリスマス時期なので、婚約指輪と結婚指輪の注文が多くなるから余計に忙しいらしい。
茉莉も颯人も、満足した婚約指輪だから別に気にしていなかった。
『よろしくお願いします!』と2人で言うと、お店を出た。
「ねぇ、もしかして婚約指輪…事前に調べたの?」
ヘタレの茉莉が、今日はやけに積極的というかテキパキと決める事が出来ていたのが引っかかり、聞いた。
「うん。一生に一度の事、だから。ネットとか雑誌とかで調べた」
茉莉は、照れくさそうに言った。
その姿に、颯人はドキンッと胸が高鳴る。
「~っ!早く帰りたい」
「うん?そうだね」
茉莉はわかっていないが、颯人はさっきから発情していた。
もう、我慢の限界だった。
「あ、その前に『美甘堂』に寄ってね」
「ん?」
「お礼、買いたいから」
「わかった」
車が老舗和菓子屋の『美甘堂』へと向かう。
「クリスマスの日に渡せられて、良いかも」
茉莉は嬉しそうに、車を運転していた。
「颯人、クリスマスどうしようか?」
2ヶ月も後の予定を聞いてくる。
「気が早いって…」
「クリスマスだから、今から予約しないと部屋取れないかもしれない」
「そっか」
そう言う颯人も顔には出さないが、楽しそうにしていた。
お互いが『ここは?』とか『雑誌で見た宿』とか話していると、学校に着いた。
卒業レッスンの時とは違い、堂々と正門から一緒に帰って来れる。
知代田さんが、挨拶をしてくれた。
「今日も茉莉くんの鼻が、伸びてるね!」
「え~!そうですか?」
「デレデレして、若いって良いねぇ」
「ありがとうございます!」
「…そこでの、お礼がわからない」
颯人は帰りに買った、"美甘堂"という老舗の和菓子屋のどら焼きを知代田さんに渡した。
「知代田さん。この前、お世話になったので…」
卒業レッスンの日は、本当にお世話になった。
茉莉に裏門と寮の裏側のドアの鍵を借りてしまったし、電話で裕汰の当日の居場所まで調べてもらった。
「お!美甘堂さんのどら焼きは、甘さ控え目だからいくらでも食べられるんだよね。颯人くん、悪いね」
「いえ。たぶん…これからも、お世話になりますから」
「いつでも、外泊していいよ!いや~、茉莉くん良かったねぇ、気の利いた良いお嫁さんもらえるなんて」
その言葉に、茉莉の整った顔は更にデレ~ッとなる。
「そうなんですよ!颯人は気が利くし、何より床…ゴフッ!」
『床上手』と言おうとした茉莉の横腹に、思いっきり肘鉄砲を撃ち込んだ。
「知代田さん、嫁は気が早いから」
颯人は知代田さんに言う。
「そうかなぁ。すごくお似合いだよ」
そう言われて、嫌ではないが恥ずかしい。
知代田さんに、再度お礼を言って、痛がっている茉莉を連れて食堂に行った。
しかも、ちょうどクリスマス時期なので、婚約指輪と結婚指輪の注文が多くなるから余計に忙しいらしい。
茉莉も颯人も、満足した婚約指輪だから別に気にしていなかった。
『よろしくお願いします!』と2人で言うと、お店を出た。
「ねぇ、もしかして婚約指輪…事前に調べたの?」
ヘタレの茉莉が、今日はやけに積極的というかテキパキと決める事が出来ていたのが引っかかり、聞いた。
「うん。一生に一度の事、だから。ネットとか雑誌とかで調べた」
茉莉は、照れくさそうに言った。
その姿に、颯人はドキンッと胸が高鳴る。
「~っ!早く帰りたい」
「うん?そうだね」
茉莉はわかっていないが、颯人はさっきから発情していた。
もう、我慢の限界だった。
「あ、その前に『美甘堂』に寄ってね」
「ん?」
「お礼、買いたいから」
「わかった」
車が老舗和菓子屋の『美甘堂』へと向かう。
「クリスマスの日に渡せられて、良いかも」
茉莉は嬉しそうに、車を運転していた。
「颯人、クリスマスどうしようか?」
2ヶ月も後の予定を聞いてくる。
「気が早いって…」
「クリスマスだから、今から予約しないと部屋取れないかもしれない」
「そっか」
そう言う颯人も顔には出さないが、楽しそうにしていた。
お互いが『ここは?』とか『雑誌で見た宿』とか話していると、学校に着いた。
卒業レッスンの時とは違い、堂々と正門から一緒に帰って来れる。
知代田さんが、挨拶をしてくれた。
「今日も茉莉くんの鼻が、伸びてるね!」
「え~!そうですか?」
「デレデレして、若いって良いねぇ」
「ありがとうございます!」
「…そこでの、お礼がわからない」
颯人は帰りに買った、"美甘堂"という老舗の和菓子屋のどら焼きを知代田さんに渡した。
「知代田さん。この前、お世話になったので…」
卒業レッスンの日は、本当にお世話になった。
茉莉に裏門と寮の裏側のドアの鍵を借りてしまったし、電話で裕汰の当日の居場所まで調べてもらった。
「お!美甘堂さんのどら焼きは、甘さ控え目だからいくらでも食べられるんだよね。颯人くん、悪いね」
「いえ。たぶん…これからも、お世話になりますから」
「いつでも、外泊していいよ!いや~、茉莉くん良かったねぇ、気の利いた良いお嫁さんもらえるなんて」
その言葉に、茉莉の整った顔は更にデレ~ッとなる。
「そうなんですよ!颯人は気が利くし、何より床…ゴフッ!」
『床上手』と言おうとした茉莉の横腹に、思いっきり肘鉄砲を撃ち込んだ。
「知代田さん、嫁は気が早いから」
颯人は知代田さんに言う。
「そうかなぁ。すごくお似合いだよ」
そう言われて、嫌ではないが恥ずかしい。
知代田さんに、再度お礼を言って、痛がっている茉莉を連れて食堂に行った。
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