70 / 88
後日談 3
しおりを挟む
食堂に着いた。
「竹子さん、ご飯2人追加で」
「あら~美男美女が、勢揃いね!」
「ご無沙汰してます」
絢斗がお辞儀をする。
「ん?んん~?どこかで…」
横から、松子と梅子が出てきた。
「…あ!絢斗くんじゃない!?」
「そうそう!絢斗くん」
「久しぶりね!」
「はい、皆さんもお変わりなく」
礼儀正しい絢斗は、3人に挨拶をした。
「茉莉くんと、知り合い?」
「俺の妹と、結婚を前提にお付きあいしてるの」
「始めまして、茉莉の妹の百合です!かりんとも友達なんです」
「あら~、かりんちゃんとも!世間って狭いわね!」
「どうぞ、食べてって!」
快く言ってくれた。
テーブルに、昼食のプレートが出された。
「すごく美味しい!」
百合が誉めるのを聞いて、厨房から言った。
「ありがとうね」
「絢さんも茉莉も颯人も、良い物食べてるわね」
「家庭料理だけど、下手な店よりも断然美味しいよな」
食べ進めていると、絢斗のスマホが鳴った。
「…ちょっと、失礼します」
絢斗が席を外す。
それを見て、百合が颯人にコソコソッと小声で聞いてきた。
「颯人、作戦成功ね」
「うん」
「作戦ってなんだよ」
茉莉は、妹と恋人の顔を交互に見た。
「『茉莉を追いつめよう作戦』かな」
「俺を追い詰める?」
「颯人の事が大好きなくせに、何も行動をしない愚兄に対して、『早く告白しないと颯人は、別の誰かの物になっちゃうぞ~』っていう作戦」
「でも、ヘタレだから全然駄目。セックスしても好きだって、言ってくれなかった」
颯人の言葉に、もう少しでお茶を吹くところだった。
「ヘタレはわかっていたけど、ヘタレ過ぎは考慮してなかったなー。何、ヤってすっきりしたの?」
「違う!颯人の恋を、俺は真剣に応援しようと…」
「何回もレッスンでセックスしたのに、一瞬…遊ばれているのかと思った」
「いやいや!それはない!」
茉莉が全力で否定する。
「じゃあ、とっとと落ちてよ。落ちてくれないから、裕汰くん使ったのに~」
「は?裕汰?」
(なんで、そこで裕汰?)
「颯人の事を狙ってるみたいだから、かりんと相談して『ちょっとかりんのお宝を、少年達に見せよっか』ってお願いしたのよ」
「例のゲイビね」
颯人は何食わぬ顔で、昼ご飯を終えた。
「お前な!あれで颯人が裕汰に、襲われかけたんだぞ!」
「それも狙いだから。茉莉が全て悪いの」
「ぐっ」
何も言えない。
「ところで、そんなに頑なだったのに、何で颯人に告白したの?」
コイバナに飢えているわけでもないのに、百合はがっついてきた。
「…お前には、言わない」
『その作戦に引っかかりました』と言ったら一生かりんと百合とで、大笑いされながら生きていかなければならないと思うと、絶対言わない。
まぁ茉莉の口から言わなくても、わかっていると思うから尚更だ。
「ケチね!こんなに、手伝ってあげたのに」
(面白がっていただけな気がするけど…)
茉莉は、ため息をついた。
「竹子さん、ご飯2人追加で」
「あら~美男美女が、勢揃いね!」
「ご無沙汰してます」
絢斗がお辞儀をする。
「ん?んん~?どこかで…」
横から、松子と梅子が出てきた。
「…あ!絢斗くんじゃない!?」
「そうそう!絢斗くん」
「久しぶりね!」
「はい、皆さんもお変わりなく」
礼儀正しい絢斗は、3人に挨拶をした。
「茉莉くんと、知り合い?」
「俺の妹と、結婚を前提にお付きあいしてるの」
「始めまして、茉莉の妹の百合です!かりんとも友達なんです」
「あら~、かりんちゃんとも!世間って狭いわね!」
「どうぞ、食べてって!」
快く言ってくれた。
テーブルに、昼食のプレートが出された。
「すごく美味しい!」
百合が誉めるのを聞いて、厨房から言った。
「ありがとうね」
「絢さんも茉莉も颯人も、良い物食べてるわね」
「家庭料理だけど、下手な店よりも断然美味しいよな」
食べ進めていると、絢斗のスマホが鳴った。
「…ちょっと、失礼します」
絢斗が席を外す。
それを見て、百合が颯人にコソコソッと小声で聞いてきた。
「颯人、作戦成功ね」
「うん」
「作戦ってなんだよ」
茉莉は、妹と恋人の顔を交互に見た。
「『茉莉を追いつめよう作戦』かな」
「俺を追い詰める?」
「颯人の事が大好きなくせに、何も行動をしない愚兄に対して、『早く告白しないと颯人は、別の誰かの物になっちゃうぞ~』っていう作戦」
「でも、ヘタレだから全然駄目。セックスしても好きだって、言ってくれなかった」
颯人の言葉に、もう少しでお茶を吹くところだった。
「ヘタレはわかっていたけど、ヘタレ過ぎは考慮してなかったなー。何、ヤってすっきりしたの?」
「違う!颯人の恋を、俺は真剣に応援しようと…」
「何回もレッスンでセックスしたのに、一瞬…遊ばれているのかと思った」
「いやいや!それはない!」
茉莉が全力で否定する。
「じゃあ、とっとと落ちてよ。落ちてくれないから、裕汰くん使ったのに~」
「は?裕汰?」
(なんで、そこで裕汰?)
「颯人の事を狙ってるみたいだから、かりんと相談して『ちょっとかりんのお宝を、少年達に見せよっか』ってお願いしたのよ」
「例のゲイビね」
颯人は何食わぬ顔で、昼ご飯を終えた。
「お前な!あれで颯人が裕汰に、襲われかけたんだぞ!」
「それも狙いだから。茉莉が全て悪いの」
「ぐっ」
何も言えない。
「ところで、そんなに頑なだったのに、何で颯人に告白したの?」
コイバナに飢えているわけでもないのに、百合はがっついてきた。
「…お前には、言わない」
『その作戦に引っかかりました』と言ったら一生かりんと百合とで、大笑いされながら生きていかなければならないと思うと、絶対言わない。
まぁ茉莉の口から言わなくても、わかっていると思うから尚更だ。
「ケチね!こんなに、手伝ってあげたのに」
(面白がっていただけな気がするけど…)
茉莉は、ため息をついた。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説






極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる