最愛Lovers

らいねこ

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デート 2

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時計を見た。


「もう昼だな。何か食べたいのあるか?」


「茉莉、調べてきたお店は何が食べられるの?」


颯人が聞いてくる。


(バレてる…)


「…一応、近くだと和食と洋食の店は調べたけど」


「じゃあ、和食」


速攻で颯人が答える。


(良かった!調べていて)


「わかった。でも、ウチの『松竹梅』には敵わないかもなぁ」


「後で言っとく。松子さんと竹子さんと梅子さんに」


「悪口な感じで言うなよ?ややこしくなる」


1人でも手に負えないのに、3人がかりで相手をするのはさすがにツラい。


「茉莉でも難しいの?」


「難しいっていうか恐い!かな」


茉莉が高校生で転入してきて、生徒会長をした時は『姫ちゃん選ばないの~?』と、ほぼ毎日言われてうんざりしたから『心に決めている姫は、ここにいません』と言ってしまった。


(当時は、ツンツンしてたからなぁ。何か今でもあの当時の事で、すごくからかわれるし…)


『姫ちゃん、紹介しなさいよ!』『元生徒会長だから優遇して、しきたり通り祝ってあげるわよ』と、この学校に教員として就職したときも散々言われてきた。


「へぇ~」


「あ、コレは言うなよ!」


「はいはい」


口に手を当てて笑っていた。


今日、颯人はよく笑う。


(嬉しいな)


茉莉は、幸せを噛み締めていた。


店に着き、早速ランチメニューを頼んだ。


出てきたランチの御膳に驚く。


「「すごいっ!」」


思わず2人で声を揃えてしまった。


「では、ごゆっくり」


お店の人が襖を閉めた。


ここは個室があったので選んでみたが、外見から高級感があるとは思っていた。


(思っていたけど…一口サイズのおかずがいっぱいあって、とてもゴージャスに見える!)


颯人もそう思ったらしく…


「すごい!こういうの見たことない!」


スマホで写真を撮る。


「色彩が綺麗だからコレを見てたら、何かインスピレーション浮かびそう!」


やけに、テンションが高い颯人に驚く。


(ツボ、だったのかな?)


手芸店は喜んでくれるとわかっていた場所だが、昼食でも喜んでくれると思わなかった。


「いただきます」


颯人は御膳に箸をつけた。


(必死に調べておいて、良かったな)


改めて、ホッと胸を撫で下ろした。


「茉莉、美味しいよ?食べないの?」


颯人が心配そうに聞いていた。


「食べる!いただきます」


茉莉も御膳に箸をつけて、味を楽しんだ。





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