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らいねこ

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颯人の副業 4

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おもむろに百合が颯人に言う。


「ねぇ、颯人の作品見たいんだけど」


「あ、うん」


颯人が慌てて、スマホを取り出す。


スライドをして、画面を百合に見せた。


「これ、なんだけど」


「うっそ!すごい!!!」


百合の頬が、興奮で紅く染まった。


スマホの画面には、颯人が作った服が一枚一枚きちんと写っていて、百合は拡大しながら見ていった。


百合が『きゃ~♪』『可愛い!』とスマホを見ながら言っている。


「…茉莉」


颯人が、茉莉に言った。


「百合ちゃんより、先に採寸したい」


お互い、手持ち無沙汰になってしまっていたので颯人の一言は助かった。


「あぁ、そうだな」


ギクシャクしないように、しなければ。


「どうしたらいい?」


「立って」


言われて立つ。


「…細かく測定するから」


「わかった」


首周りから、測り始める。


颯人の冷たい指が、茉莉の身体に触れた。


「…っ」


颯人の伏せている顔を見ながら、目が泳いでくる。


(ヤバイ…この状態って、いつまでしてればいいんだ?)


少し顔を下に向けると、颯人のおでこに唇が届く。


颯人の髪の毛は、漆黒で弾力のあるストレート。


茉莉の髪の毛は猫っ毛で茶色なので、全然違う髪質だった。


颯人から、いい香りがする。


颯人を抱きしめているみたいだ。


密着している感じが、まるで颯人が茉莉の身体を舐めているみたいで、じっくり見てしまう。


(…っ、これが裸だったら、どんなに良い眺めか)


不純な考え方がわかったみたいに、タイミング良く颯人が茉莉に言う。


「…茉莉、顔下げすぎ」


「わ、悪い」


慌てて顔をまっすぐに戻すが、また下をチラ見してしまう。


(…)


キスをしたい。


(って!落ち着け!!百合が目の前にいるんだぞ!さっきから俺の頭は、エロい事しか考えていない!)


「茉莉、落ち着いて」


颯人の声にビクッとなる。


「ひゃいっ」


動揺しまくりだ。


なんていう声を出してんだ、俺は。


「ふっ」


その声に、目を大きく開けた颯人が噴き出していた。


「…颯人」


「変な声…ふふっ」


久し振りに見た、颯人の笑い顔にキュンとなった。


(…ヤバイ、本当に可愛い)


百合がいなかったら、抱きついていただろう。


「珍しい!颯人が笑ってる」


百合の一言にハッとして、出した手を引っ込めた。


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