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颯人の副業 2
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茉莉は途中から、走っていた。
もしかしたら、ただの知り合いかもしれない。
でも、颯人の好きな人はモテるらしいから、その二股の女かもしれない。
(わからないのが…怖い)
門の前に着いた。
颯人と、話している相手の間に入り言った。
「すみません、部外者の方はお引き取り下さい」
あくまで社交辞令の様に言ったが、牽制の意味も含んでいた。
「茉莉…」
颯人が茉莉の後ろで呼ぶが、聞こえないふりをした。
「部外者じゃないわよ」
日傘を差している女性が言った。
「私は貴方と知り合いよ、茉莉」
スッと日傘を避けたら、知っている顔があった。
「は?百合?」
茉莉は驚いた。
自分の妹が、なぜここに…。
自分じゃなくて、颯人に会っていた事に驚いた。
「かりんに聞いたの。高校生で可愛い服を作る子がいるって」
(かりんの奴…)
「それで、門番の知代田(ちよだ)さんに聞いたら『如月君かな』って言うから、『茉莉の妹です、如月君に会いたいの』って言って呼んでもらったの」
知代田さんとは、この高校の用務員で警備員さん。
確かに顔が似ている兄弟として有名だから、茉莉の妹の偽物ではないのはわかる。
「俺の勤めている学校なら、俺に連絡すればいいだろう」
「確認したかった事があったから、ね?颯人」
百合が颯人に、ウィンクしながら言う。
「百合!お前、彼氏いただろ!!」
「絢(けん)さんとは、今でもラブラブです~♪」
(羨ましすぎる!俺も『ラブラブです♪』って、言いたい!!)
妹の幸せに少し僻みながら、今は違う話だったと思い直した。
「かりん先生に、俺が1年の時に作品を作らないと特待生の資格が無くなるって相談したことがあって」
ぼそぼそっと、茉莉の後ろで声がした。
振り返って、颯人を見た。
「大物を作る気があるなら良い人材がいるって言われて、今日の指定で来たのが百合ちゃんだったから」
「私だって名前聞いてないもの。如月君って聞いてあれ?って思ったけど」
「あれ?じゃないだろ…」
昔のお隣さんだとしても、今は秘密のレッスン仲間。
(お茶を濁すとこうなるが、実際は援交かセフレだよな…)
百合に、颯人を見せるのに抵抗があった。
(妹に『俺達、ヤってます』とも言えないし…)
なにより、冷静な顔をした颯人が不思議でならない。
(テンパってるのは俺だけか?!)
とてもじゃないが、顔の良い妹は男子校には刺激が強すぎる。
ギャラリーが増えてきた。
何とも微妙な空気の中、百合を面談室に連れていったのだった。
もしかしたら、ただの知り合いかもしれない。
でも、颯人の好きな人はモテるらしいから、その二股の女かもしれない。
(わからないのが…怖い)
門の前に着いた。
颯人と、話している相手の間に入り言った。
「すみません、部外者の方はお引き取り下さい」
あくまで社交辞令の様に言ったが、牽制の意味も含んでいた。
「茉莉…」
颯人が茉莉の後ろで呼ぶが、聞こえないふりをした。
「部外者じゃないわよ」
日傘を差している女性が言った。
「私は貴方と知り合いよ、茉莉」
スッと日傘を避けたら、知っている顔があった。
「は?百合?」
茉莉は驚いた。
自分の妹が、なぜここに…。
自分じゃなくて、颯人に会っていた事に驚いた。
「かりんに聞いたの。高校生で可愛い服を作る子がいるって」
(かりんの奴…)
「それで、門番の知代田(ちよだ)さんに聞いたら『如月君かな』って言うから、『茉莉の妹です、如月君に会いたいの』って言って呼んでもらったの」
知代田さんとは、この高校の用務員で警備員さん。
確かに顔が似ている兄弟として有名だから、茉莉の妹の偽物ではないのはわかる。
「俺の勤めている学校なら、俺に連絡すればいいだろう」
「確認したかった事があったから、ね?颯人」
百合が颯人に、ウィンクしながら言う。
「百合!お前、彼氏いただろ!!」
「絢(けん)さんとは、今でもラブラブです~♪」
(羨ましすぎる!俺も『ラブラブです♪』って、言いたい!!)
妹の幸せに少し僻みながら、今は違う話だったと思い直した。
「かりん先生に、俺が1年の時に作品を作らないと特待生の資格が無くなるって相談したことがあって」
ぼそぼそっと、茉莉の後ろで声がした。
振り返って、颯人を見た。
「大物を作る気があるなら良い人材がいるって言われて、今日の指定で来たのが百合ちゃんだったから」
「私だって名前聞いてないもの。如月君って聞いてあれ?って思ったけど」
「あれ?じゃないだろ…」
昔のお隣さんだとしても、今は秘密のレッスン仲間。
(お茶を濁すとこうなるが、実際は援交かセフレだよな…)
百合に、颯人を見せるのに抵抗があった。
(妹に『俺達、ヤってます』とも言えないし…)
なにより、冷静な顔をした颯人が不思議でならない。
(テンパってるのは俺だけか?!)
とてもじゃないが、顔の良い妹は男子校には刺激が強すぎる。
ギャラリーが増えてきた。
何とも微妙な空気の中、百合を面談室に連れていったのだった。
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