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茉莉の誕生日 1
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誕生日が来るまでに、レッスンは4回行われた。
ずいぶんスムーズになった颯人の入り口に、茉莉は複雑だった。
(…)
身体を触れる度に、颯人の甘ったるい表情に勘違いしそうになる。
誕生日の当日になった。
(今日、レッスンか…)
廊下で、次々に生徒に声をかけられる。
「茉莉ちゃん!今日、誕生日だよね」
「茉莉ちゃん、おめでとう!」
「誕生日おめでとう!」
2、3年生が言っていると、それを聞いていた1年生が言ってくる。
「茉莉ちゃん、マジで今日なの?おめでとう!!」
茉莉が自己申請しなくても、毎年こうして下級生に知られてしまう。
「ありがとうな」
「茉莉ちゃん、いくつになったの?」
「ヒミツ」
「女子か!」
あははっと、近くにいた生徒が笑い出した。
「俺も26歳になりましたよ」
「今日、彼女とデート?」
「いやいや、彼女いないから」
「またまた~、ご謙遜して」
生徒達にからかわれる。
「そんなことより、今日の小テスト忘れてないか?次の時間俺が行くの、お前達のクラスじゃなかったっけ?」
「やっベー、忘れてた!!」
「茉莉ちゃん、ゆっくり教室に来て!」
生徒が、バタバタと走って行く。
「廊下を走るな!いつも通りに、行くからな!」
やれやれと思いながら廊下を歩いていたら、颯人の後ろ姿が見えた。
そして見覚えのある短髪の生徒、さっき颯人に絡んでいた垣内 裕汰(かきうち ゆうた)が、颯人の隣にいた。
ずいぶんスムーズになった颯人の入り口に、茉莉は複雑だった。
(…)
身体を触れる度に、颯人の甘ったるい表情に勘違いしそうになる。
誕生日の当日になった。
(今日、レッスンか…)
廊下で、次々に生徒に声をかけられる。
「茉莉ちゃん!今日、誕生日だよね」
「茉莉ちゃん、おめでとう!」
「誕生日おめでとう!」
2、3年生が言っていると、それを聞いていた1年生が言ってくる。
「茉莉ちゃん、マジで今日なの?おめでとう!!」
茉莉が自己申請しなくても、毎年こうして下級生に知られてしまう。
「ありがとうな」
「茉莉ちゃん、いくつになったの?」
「ヒミツ」
「女子か!」
あははっと、近くにいた生徒が笑い出した。
「俺も26歳になりましたよ」
「今日、彼女とデート?」
「いやいや、彼女いないから」
「またまた~、ご謙遜して」
生徒達にからかわれる。
「そんなことより、今日の小テスト忘れてないか?次の時間俺が行くの、お前達のクラスじゃなかったっけ?」
「やっベー、忘れてた!!」
「茉莉ちゃん、ゆっくり教室に来て!」
生徒が、バタバタと走って行く。
「廊下を走るな!いつも通りに、行くからな!」
やれやれと思いながら廊下を歩いていたら、颯人の後ろ姿が見えた。
そして見覚えのある短髪の生徒、さっき颯人に絡んでいた垣内 裕汰(かきうち ゆうた)が、颯人の隣にいた。
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