最愛Lovers

らいねこ

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初めてのキス 1

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どうにか、自分の部屋にたどり着いた。


浮き足立っているのか途中、所々で足が絡まりそうになる。


ガチャッと、ドアを開けた。


「入っていいよ」


部屋の中に入るように促す。


颯人は躊躇わずに入った。


「悪い、散らかってる」


プリントが散乱していたので、かき集めた。


颯人も、手伝ってくれた。


かき集めていると、手と手が触れる。


お互い触れている手を見た。


俺はそっと颯人の指の間に、自分の指を絡めた。


颯人は嫌がらず、ずっと手を見ている。


顔を近づけた。


逃げる気配はない。


手を見ていた視線が動いて、俺を見た。


鼻と鼻がぶつかるぐらい近づいても、逃げないので…キスをした。




ちゅっ




唇と唇が触れ合うだけの、軽いキス。


離れた時に颯人を見ると、少し顔が赤く、視線を下に落とした。


(かわいい…)


もっと触れたくて仕方ない。


絡めあっている手とは反対の手で、颯人の頬に触れた。


おでこに、瞼に、頬に、キスをしていき親指で颯人の唇を撫でてから、もう一度さっきよりも長いキスをする。




ちゅっ




わざと音を立てる、自分は卑怯な大人で。


颯人の反応が見たくて、顔を少し動かした。


さっきよりも、顔が赤くなっている。


(たまらないっ)


茉莉は更に角度を変えて、何回もキスをした。


短く、たまに長くキスをしていく。


「んっ…ぁ」 


不定期な動きに息継ぎがままならず、少し苦しそうだったが、慣れてきたのか次第に唇を離した時に息継ぎをするようになった。


「ふっ…んっ」


颯人の鼻を抜ける声と、部屋に響く唇を離した時に出る音だけが、よく聞こえる。


唇と唇だけのソフトなキスではあったが、自分も颯人の息も上がっていた。


唇を離す。


颯人は肩で息をしていた。


顔は赤くて、目が少し涙目だった。


(やり過ぎた!!)


いい年をした大人が全くといっていいほど、さっき言っていた建前を忘れてキスをしてしまっていた。


しかし、自分を見上げる颯人は可愛い。


ぎゅっとそのまま、颯人の身体を抱きしめた。




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