6 / 71
1日目
再会と説明と 1
しおりを挟む
その後、咲は生徒会室に向かった。
(どうしよう…)
少しだけ、悩んでいた。
生徒会室に行く前に天に手を捕まれた。
「咲、どうしても行くのか?」
『どうしても』と言われると困ってしまうが、咲はあの生徒会長の声に聞き覚えがあった。
それを確認したいため、と言うときっと天が怒るから言えなくて、言い訳っぽい事を言った。
「ちゃんと話を聞いてくるから心配しないで、天ちゃん」
そして、あともう1つ会いに行く理由があった。
この学校に入った目的、"自立"である。
自分の出来る事があるのなら、してみたいと思っているから生徒会室に足が進んでいた。
トントンッ
3階にある生徒会室のドアの前で少し躊躇したが、ノックをすることにした。
しかし…
(…?あれ?)
返事がない。
もう一度ドアを叩いてみる。
…が、人の気配も無さそうだった。
(どうしよう…)
何気無しにノブに手をかけてみると鍵はかかっておらず、開いた。
「失礼します」
言ってみたものの、返事は無い。
(…お邪魔してもいいのかなぁ)
覗いてみると、書類の山があちらこちらにそびえていた。
きっと前の生徒会長が卒業して、2年になった愁が引き継いだが、何かと教える時間がなく処理が出来てない、そのままの書類の山状態なのだろう…。
(大変そう…色々な事考えて、決めていかなきゃいけないみたいだし…)
奥に進むと、生徒会長の机なのだろう。
ひときわ大きな机の上にコップが置いてあったが、飲み物は飲まれず冷めた状態で置きっぱなしになっていた。
(飲もうと思って飲み物を用意したけど、誰かに呼ばれたのかな。何か、僕でも役に立つことないかな…)
そう思ったが、ハッと気づく。
(あっ、でも部外者が書類を見たら駄目だよね…)
咲は頬に手を置き、悩んでいた。
「ごめんっ!約束の時間だったね」
いきなり後ろから声をかけられ、咲はびっくりして振り向いたが、肘が書類の山に当たってしまった。
(あっ…!!)
スローモーションでも見るかのように、咲が床に転ぶ。
その後を追うように書類の山が床に落ちていく。
咲は目を瞑った…。
(どうしよう…)
少しだけ、悩んでいた。
生徒会室に行く前に天に手を捕まれた。
「咲、どうしても行くのか?」
『どうしても』と言われると困ってしまうが、咲はあの生徒会長の声に聞き覚えがあった。
それを確認したいため、と言うときっと天が怒るから言えなくて、言い訳っぽい事を言った。
「ちゃんと話を聞いてくるから心配しないで、天ちゃん」
そして、あともう1つ会いに行く理由があった。
この学校に入った目的、"自立"である。
自分の出来る事があるのなら、してみたいと思っているから生徒会室に足が進んでいた。
トントンッ
3階にある生徒会室のドアの前で少し躊躇したが、ノックをすることにした。
しかし…
(…?あれ?)
返事がない。
もう一度ドアを叩いてみる。
…が、人の気配も無さそうだった。
(どうしよう…)
何気無しにノブに手をかけてみると鍵はかかっておらず、開いた。
「失礼します」
言ってみたものの、返事は無い。
(…お邪魔してもいいのかなぁ)
覗いてみると、書類の山があちらこちらにそびえていた。
きっと前の生徒会長が卒業して、2年になった愁が引き継いだが、何かと教える時間がなく処理が出来てない、そのままの書類の山状態なのだろう…。
(大変そう…色々な事考えて、決めていかなきゃいけないみたいだし…)
奥に進むと、生徒会長の机なのだろう。
ひときわ大きな机の上にコップが置いてあったが、飲み物は飲まれず冷めた状態で置きっぱなしになっていた。
(飲もうと思って飲み物を用意したけど、誰かに呼ばれたのかな。何か、僕でも役に立つことないかな…)
そう思ったが、ハッと気づく。
(あっ、でも部外者が書類を見たら駄目だよね…)
咲は頬に手を置き、悩んでいた。
「ごめんっ!約束の時間だったね」
いきなり後ろから声をかけられ、咲はびっくりして振り向いたが、肘が書類の山に当たってしまった。
(あっ…!!)
スローモーションでも見るかのように、咲が床に転ぶ。
その後を追うように書類の山が床に落ちていく。
咲は目を瞑った…。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
[BL]デキソコナイ
明日葉 ゆゐ
BL
特別進学クラスの優等生の喫煙現場に遭遇してしまった校内一の問題児。見ていない振りをして立ち去ろうとするが、なぜか優等生に怪我を負わされ、手当てのために家に連れて行かれることに。決して交わることのなかった2人の不思議な関係が始まる。(別サイトに投稿していた作品になります)

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。


ガテンの処理事情
雄
BL
高校中退で鳶の道に進まざるを得なかった近藤翔は先輩に揉まれながらものしあがり部下を5人抱える親方になった。
ある日までは部下からも信頼される家族から頼られる男だと信じていた。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる