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第二章 欲しい物
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先日受けた依頼のパターンを引き終わり、材料の買い出しに出かけ、賑やかな商店街の店先を流し見するカミーユの目に、有る物が留まった。
それには『ミシン』と言う看板が付けられていて、机の上にコの字型の、針が付いた黒いカラクリが据えられ、机の下には大きな板が付いている。
どういう物なのか疑問に思ったので説明を聞く所によると、手で縫うよりも早く布の縫製が出来るのだという。
その説明を聞いて、そう言えば最近仕立て屋仲間の間でよく名前を聞く物のような気がしたのでよくよく思い出してみると、周りの仕立て屋はミシンに反対する者ばかりだった様な。
なんでも、この様な機械が一般的になると、手縫いで服を作っている仕立て屋達の立場が脅かされるからだと言っていた気がする。
その話が出た仕立て屋の会合の時に、カミーユはミシンがどういう物なのか良く解っていなかったが、喧々囂々とする他の仕立て屋にこう言った記憶がある。
「ミシンが普及したとして、僕達の仕事ってそんなに減るかな?
まだミシン自体に対する信頼もそんなに築かれている訳じゃ無いし、手縫いの方が良いって言うお客さんは沢山居ると思うよ。
それとも、そのミシンって言う奴が普及すると仕事が貰えなくなるって心配する程自分の技術に自信が無いの?」
普段はぼーっとしていて余り意見を言わないカミーユの意外なその言葉に、他の仕立て屋達はぐうの音も出なかった。
そんな事が有った訳だが、カミーユは仕事を早く進められるならと、ミシンに興味を持つ。
店頭でミシンの試し縫いをさせて貰ったりした訳なのだが、針を動かす為の板を踏むのにはコツが要る様だ。
何度かカタンカタンとミシンを踏んだカミーユは、ぼんやりとミシンが欲しいなぁ。と思ったのだった。
行きつけの布問屋で手触りの良い、しかし光沢は押さえられている絹の布を買い、糸問屋で布と同じ色をした絹の縫い糸と、それよりも少しだけ太い艶やかな刺繍糸を買い、カミーユはすぐさま作業場へと荷物を運び込み作業を始めた。
これから作るのは、先日採寸をしたお得意様のアヴェントゥリーナのドレスだ。
作業台の上に布を広げ、隙間がなるべく出来ない様に、それでいて布目が歪まない様に型紙を置いて細いシルクピンで留めていく。
一頻りピンで留め終わり、これから裁断しようと、大きく無骨な裁ちばさみに手を伸ばした所で、首根っこを捕まれた。
「兄貴、裁断の前に昼飯な?」
「別に裁断してからご飯食べても……」
ギュスターヴの言葉にカミーユはそう返すが、早朝に食事をしたっきり、昼時どころかおやつ時になるまで何も食べていなかったカミーユのお腹は切なそうにきゅうきゅうと鳴っている。
「兄貴の『これやってから』を許容してるといつまで経っても飯食わないだろ。
だから今食え」
ギュスターヴにそう言われ、確かにそう言う傾向はあると言う自覚のあるカミーユは、素直に居間へと向かう。
居間に入ると用意されていたのは、キャベツとトマトをざっくりと切ってベーコンと一緒に煮込んだスープと、薄めにスライスされたバゲットの上にコーンとほうれん草を乗せて粉チーズを振りかけて焼いた物だった。
それを見てカミーユはおどおどとした顔で料理を用意したアルフォンスにこう言う。
「なんかこれだと食べるのに時間かかっちゃいそう……」
するとアルフォンスは笑顔を浮かべて、カミーユを椅子に座らせながら答える。
「まだ作業序盤なんだから、今の内から体力温存しないと完成間際でまた雑な食生活になるんだろ?
それに、どうせカミーユ兄ちゃんは早食いなんだからこれくらい十分もあれば片付くだろうし」
「まぁ、そうだけど……」
そんなやりとりをしながらも三人とも席に着き、お祈りをしてから料理に手を付ける。
アルフォンスが言っていた通り、カミーユはどこにそんなに入っていくのかと言うほど瞬く間にスープを飲み干し、バゲットを口の中に詰め込んで飲み込む。
弟二人の倍のスピードで食事を済ませたカミーユは、そそくさと手を拭いて作業場へと戻って行った。
それからおよそ一ヶ月。カミーユはアヴェントゥリーナから依頼されていたドレスをおおかた形になる所まで縫い進めていた。
後は刺繍を入れていく訳なのだが、刺繍に手を付ける前にアヴェントゥリーナが店を訪れてきてギュスターヴにこう尋ねた。
「ねぇギュスターヴ君。
カミーユ君ってばまた無理してたりしない?」
「してるんですけど、仕事は早めに片付けたい質らしくて、下手に休ませると逆に調子崩しちゃうんですよ。
だからなるべく兄貴のペースでやって貰うようにしてます」
「あらあら。
そう言えばうちの子も作業する時、根詰めちゃうタイプなのよね。
なんかカミーユ君も他人とは思えないわ」
そんな会話を二人でしていると、作業をしていたそのままなのか、少し服に糸くずを付けたカミーユが、作業場からひょこっと顔を出してアヴェントゥリーナに声をかけた。
「アヴェントゥリーナ様、ご依頼の品なのですが、刺繍を入れる前に一旦試着して戴いて宜しいですか?」
「あらまぁ、もうそんな所まで進んだの?」
驚きと心配を隠せない様子のアヴェントゥリーナを採寸用の部屋へと通し、刺繍をまだ入れていないドレスの試着をして貰うカミーユ。
刺繍を入れてからで無いと縫製できない部分があったのでそこはまだピンで留めているだけだったのだが、どうやらドレスの形自体はアヴェントゥリーナの理想通りに出来上がっていたらしく、甚く満足そうな反応が帰ってくる。
「後は刺繍を入れたら完成ですね」
「仕事が早いのはこっちとしては嬉しいんだけど、カミーユ君は余り無理しちゃ駄目よ。
早くても三ヶ月かかるって言ってたドレスをまさか一ヶ月で形にするとか、結構無理してるでしょ?」
「いえ、別に無理をしているつもりは無いのですが……」
アヴェントゥリーナに心配されながらも試着は終わり、どの位置にどれくらいの刺繍を入れるかの要望を訊く。
なかなかに大きい刺繍になりそうなので、これは本当にあと二ヶ月は掛かるなと、カミーユはぼんやりと思いを巡らせた。
結局その後、ドレスの刺繍は一週間程で刺し終わり、ギュスターヴに託してアヴェントゥリーナの元へと届けて貰った。
アヴェントゥリーナとしても、何度かカミーユにドレスの依頼をしているので、丁寧な仕上がりの割に極端に短い納期でドレスを作ってくるのは解っては居たのだが、やはり毎回驚きを隠せない。
「カミーユ君、また次のお仕事入っちゃったかしら?」
「兄貴の仕事ですか?
そうですね、一旦抱えていた仕事が片付いたんで、次の依頼が来るまでは休ませます」
ギュスターヴからカミーユにようやく休みがやってきた事を聞いたアヴェントゥリーナは、一旦ドレスの代金を渡してから、笑顔を向けてこう言う。
「あらそう。
そう言えばカミーユ君、詩集とか童話とか好きだったわよね?
お休みの日に読めるように、何冊か分けてあげるわ」
「えっ? 宜しいのですか?」
「もう何度も読んだ古本だけど、それで良ければあげるわ。
本が増え過ぎちゃって引き取り手が欲しいのよ」
「あ、そう言う事でしたら有り難く戴きます」
ギュスターヴの返答に、アヴェントゥリーナはいそいそと自室へと向かう。
そして暫く待っていると数冊の本を持って戻ってきた。
「はいこれ。カミーユ君によろしくね」
「有り難うございます。兄貴も喜びますよ」
和やかにやりとりをした後、ギュスターヴは代金と本を抱えて家路についた。
ギュスターヴが家に戻ると、居間でカミーユがもこもことクロワッサンにレタスとピクルス、それにアボカドを挟んだものを囓っていた。
カミーユは仕事が詰まっている時は余り食事を自発的に食べないのだが、仕事が一段落するといつでも空腹感があるらしく、こうやって時間を問わずに食事をしている事が多々有る。
その度にアルフォンスは、カミーユが食べる料理の指導をする訳なのだが、カミーユはアルフォンスが用意する料理を黙々と食べるのだ。
カミーユがクロワッサンサンドを三個程食べ終わった所で、ギュスターヴが今回の依頼の報酬と、預かってきた本を渡す。
「わぁ、こう言う本欲しかったんだよね。
アヴェントゥリーナ様にお礼はした?」
「勿論よ。兄貴も今度会った時にお礼しろよ」
「うん」
好物のイチジクを出された時にくらいしか見せないような、至極嬉しそうで満足そうな笑顔を浮かべるカミーユを見て、ギュスターヴは、そう言えば昔、本当に小さかった頃、カミーユは眠る時に両親から聞かされた作り話の続きを考えるのが好きだったなと、少し懐かしさを感じた。
ギュスターヴが感慨にふけっていると、ふと、カミーユが報酬の中身を見てこう呟いた。
「これから少しずつ、ミシン貯金しようかな……」
その呟きが聞こえていないであろうギュスターヴを置いたまま貯蓄の目標を自分の中で作ったカミーユも、老後の貯蓄と生活費、それから自分のお小遣いを選り分けて、いつかミシンを買うと言う夢を膨らませたのだった。
それには『ミシン』と言う看板が付けられていて、机の上にコの字型の、針が付いた黒いカラクリが据えられ、机の下には大きな板が付いている。
どういう物なのか疑問に思ったので説明を聞く所によると、手で縫うよりも早く布の縫製が出来るのだという。
その説明を聞いて、そう言えば最近仕立て屋仲間の間でよく名前を聞く物のような気がしたのでよくよく思い出してみると、周りの仕立て屋はミシンに反対する者ばかりだった様な。
なんでも、この様な機械が一般的になると、手縫いで服を作っている仕立て屋達の立場が脅かされるからだと言っていた気がする。
その話が出た仕立て屋の会合の時に、カミーユはミシンがどういう物なのか良く解っていなかったが、喧々囂々とする他の仕立て屋にこう言った記憶がある。
「ミシンが普及したとして、僕達の仕事ってそんなに減るかな?
まだミシン自体に対する信頼もそんなに築かれている訳じゃ無いし、手縫いの方が良いって言うお客さんは沢山居ると思うよ。
それとも、そのミシンって言う奴が普及すると仕事が貰えなくなるって心配する程自分の技術に自信が無いの?」
普段はぼーっとしていて余り意見を言わないカミーユの意外なその言葉に、他の仕立て屋達はぐうの音も出なかった。
そんな事が有った訳だが、カミーユは仕事を早く進められるならと、ミシンに興味を持つ。
店頭でミシンの試し縫いをさせて貰ったりした訳なのだが、針を動かす為の板を踏むのにはコツが要る様だ。
何度かカタンカタンとミシンを踏んだカミーユは、ぼんやりとミシンが欲しいなぁ。と思ったのだった。
行きつけの布問屋で手触りの良い、しかし光沢は押さえられている絹の布を買い、糸問屋で布と同じ色をした絹の縫い糸と、それよりも少しだけ太い艶やかな刺繍糸を買い、カミーユはすぐさま作業場へと荷物を運び込み作業を始めた。
これから作るのは、先日採寸をしたお得意様のアヴェントゥリーナのドレスだ。
作業台の上に布を広げ、隙間がなるべく出来ない様に、それでいて布目が歪まない様に型紙を置いて細いシルクピンで留めていく。
一頻りピンで留め終わり、これから裁断しようと、大きく無骨な裁ちばさみに手を伸ばした所で、首根っこを捕まれた。
「兄貴、裁断の前に昼飯な?」
「別に裁断してからご飯食べても……」
ギュスターヴの言葉にカミーユはそう返すが、早朝に食事をしたっきり、昼時どころかおやつ時になるまで何も食べていなかったカミーユのお腹は切なそうにきゅうきゅうと鳴っている。
「兄貴の『これやってから』を許容してるといつまで経っても飯食わないだろ。
だから今食え」
ギュスターヴにそう言われ、確かにそう言う傾向はあると言う自覚のあるカミーユは、素直に居間へと向かう。
居間に入ると用意されていたのは、キャベツとトマトをざっくりと切ってベーコンと一緒に煮込んだスープと、薄めにスライスされたバゲットの上にコーンとほうれん草を乗せて粉チーズを振りかけて焼いた物だった。
それを見てカミーユはおどおどとした顔で料理を用意したアルフォンスにこう言う。
「なんかこれだと食べるのに時間かかっちゃいそう……」
するとアルフォンスは笑顔を浮かべて、カミーユを椅子に座らせながら答える。
「まだ作業序盤なんだから、今の内から体力温存しないと完成間際でまた雑な食生活になるんだろ?
それに、どうせカミーユ兄ちゃんは早食いなんだからこれくらい十分もあれば片付くだろうし」
「まぁ、そうだけど……」
そんなやりとりをしながらも三人とも席に着き、お祈りをしてから料理に手を付ける。
アルフォンスが言っていた通り、カミーユはどこにそんなに入っていくのかと言うほど瞬く間にスープを飲み干し、バゲットを口の中に詰め込んで飲み込む。
弟二人の倍のスピードで食事を済ませたカミーユは、そそくさと手を拭いて作業場へと戻って行った。
それからおよそ一ヶ月。カミーユはアヴェントゥリーナから依頼されていたドレスをおおかた形になる所まで縫い進めていた。
後は刺繍を入れていく訳なのだが、刺繍に手を付ける前にアヴェントゥリーナが店を訪れてきてギュスターヴにこう尋ねた。
「ねぇギュスターヴ君。
カミーユ君ってばまた無理してたりしない?」
「してるんですけど、仕事は早めに片付けたい質らしくて、下手に休ませると逆に調子崩しちゃうんですよ。
だからなるべく兄貴のペースでやって貰うようにしてます」
「あらあら。
そう言えばうちの子も作業する時、根詰めちゃうタイプなのよね。
なんかカミーユ君も他人とは思えないわ」
そんな会話を二人でしていると、作業をしていたそのままなのか、少し服に糸くずを付けたカミーユが、作業場からひょこっと顔を出してアヴェントゥリーナに声をかけた。
「アヴェントゥリーナ様、ご依頼の品なのですが、刺繍を入れる前に一旦試着して戴いて宜しいですか?」
「あらまぁ、もうそんな所まで進んだの?」
驚きと心配を隠せない様子のアヴェントゥリーナを採寸用の部屋へと通し、刺繍をまだ入れていないドレスの試着をして貰うカミーユ。
刺繍を入れてからで無いと縫製できない部分があったのでそこはまだピンで留めているだけだったのだが、どうやらドレスの形自体はアヴェントゥリーナの理想通りに出来上がっていたらしく、甚く満足そうな反応が帰ってくる。
「後は刺繍を入れたら完成ですね」
「仕事が早いのはこっちとしては嬉しいんだけど、カミーユ君は余り無理しちゃ駄目よ。
早くても三ヶ月かかるって言ってたドレスをまさか一ヶ月で形にするとか、結構無理してるでしょ?」
「いえ、別に無理をしているつもりは無いのですが……」
アヴェントゥリーナに心配されながらも試着は終わり、どの位置にどれくらいの刺繍を入れるかの要望を訊く。
なかなかに大きい刺繍になりそうなので、これは本当にあと二ヶ月は掛かるなと、カミーユはぼんやりと思いを巡らせた。
結局その後、ドレスの刺繍は一週間程で刺し終わり、ギュスターヴに託してアヴェントゥリーナの元へと届けて貰った。
アヴェントゥリーナとしても、何度かカミーユにドレスの依頼をしているので、丁寧な仕上がりの割に極端に短い納期でドレスを作ってくるのは解っては居たのだが、やはり毎回驚きを隠せない。
「カミーユ君、また次のお仕事入っちゃったかしら?」
「兄貴の仕事ですか?
そうですね、一旦抱えていた仕事が片付いたんで、次の依頼が来るまでは休ませます」
ギュスターヴからカミーユにようやく休みがやってきた事を聞いたアヴェントゥリーナは、一旦ドレスの代金を渡してから、笑顔を向けてこう言う。
「あらそう。
そう言えばカミーユ君、詩集とか童話とか好きだったわよね?
お休みの日に読めるように、何冊か分けてあげるわ」
「えっ? 宜しいのですか?」
「もう何度も読んだ古本だけど、それで良ければあげるわ。
本が増え過ぎちゃって引き取り手が欲しいのよ」
「あ、そう言う事でしたら有り難く戴きます」
ギュスターヴの返答に、アヴェントゥリーナはいそいそと自室へと向かう。
そして暫く待っていると数冊の本を持って戻ってきた。
「はいこれ。カミーユ君によろしくね」
「有り難うございます。兄貴も喜びますよ」
和やかにやりとりをした後、ギュスターヴは代金と本を抱えて家路についた。
ギュスターヴが家に戻ると、居間でカミーユがもこもことクロワッサンにレタスとピクルス、それにアボカドを挟んだものを囓っていた。
カミーユは仕事が詰まっている時は余り食事を自発的に食べないのだが、仕事が一段落するといつでも空腹感があるらしく、こうやって時間を問わずに食事をしている事が多々有る。
その度にアルフォンスは、カミーユが食べる料理の指導をする訳なのだが、カミーユはアルフォンスが用意する料理を黙々と食べるのだ。
カミーユがクロワッサンサンドを三個程食べ終わった所で、ギュスターヴが今回の依頼の報酬と、預かってきた本を渡す。
「わぁ、こう言う本欲しかったんだよね。
アヴェントゥリーナ様にお礼はした?」
「勿論よ。兄貴も今度会った時にお礼しろよ」
「うん」
好物のイチジクを出された時にくらいしか見せないような、至極嬉しそうで満足そうな笑顔を浮かべるカミーユを見て、ギュスターヴは、そう言えば昔、本当に小さかった頃、カミーユは眠る時に両親から聞かされた作り話の続きを考えるのが好きだったなと、少し懐かしさを感じた。
ギュスターヴが感慨にふけっていると、ふと、カミーユが報酬の中身を見てこう呟いた。
「これから少しずつ、ミシン貯金しようかな……」
その呟きが聞こえていないであろうギュスターヴを置いたまま貯蓄の目標を自分の中で作ったカミーユも、老後の貯蓄と生活費、それから自分のお小遣いを選り分けて、いつかミシンを買うと言う夢を膨らませたのだった。
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