18 / 49
古代の終焉、中世の日ノ本
日ノ本の中世 第八話 公有があっての私有
しおりを挟む
「国号・国体」の確立が、大化の改新に始まり、天平期に確立される。
「国号・国体」は、確立された時より、象徴化の道を進み始めます。
これは、私有財産に関する考え方の変化です。
縄文期は、私有財産という考え方は、非常に希薄な時代でありました。これは、海人の流れから、太平洋を渡った者達の話に残されています。西洋人にとっての大航海時代に、太平洋を訪れた西洋人にとって、友好的であっても、現地人はモノを盗むという記録がなされています。これは、モノに対する所有権と所属に関して、意識が違うことから起きた事件なのです。
「土地が誰のモノ」と大地に墾田して開発した「田圃が誰のモノ」の違いです。土地が、「国号・国体」に支配されている地とし、私的に墾田開発した「田圃」は、私有財産となる。「墾田永年私財法」の制定は、公的な墾田と、私的な墾田を区分する意味合いがありました。
縄文期には、土地や道具は、グループの共有財産であり、私有しているのは、今その時点で、身に着けているモノに生じるという規約であったと思います。縄文期に埋葬された者に装飾品が纏っていったのは、本人が私有しているモノであったからです。縄文時代が進むにつれて、装飾品が華美になっていくのは、私有財産への欲というモノが、生じるようになったことを意味しています。
財産を私有するという考え方が、土地に対しても存在するようになり、自分の「田圃」と他人の「田圃」という考え方が生じるのも、記録という形が生まれた、弥生期からの流れとなります。縄文期は、全員で耕し、籾を撒いて、全員で刈り取りして収穫する。これが、弥生期の大規模治水事業と、大規模土木作業による墾田開発によって、「自分の田圃」「他人の田圃」が区別されることとなります。
国家が、大規模土木事業によって開発した、公地としての墾田と、一族郎党が土木事業で開発した墾田は、所有権の争いが生じることになる。
これは、現代まで繋がる問題となり、自分の私有地であっても、一定以上の高度への私有権は認められず、一定以上の地下についても私有権は認められない。結果として、非常に地下深くを走る地下鉄が生まれ、ドローンを飛ばせる場所は限定されるようになった。
隋や唐の律令制が、日ノ本に導入されたのは、最初にすべての土地と民を、「一天万乗の大王」が下で、「国号・国体」を規定するためである。
「公地公民」の確立は、すべてが「公:Pubric」であることを認識させることから始まっている。大規模土木事業で生まれた墾田を、口分田として与えることで、「公:Pubric」の土地に、「自分:Private」の田圃が生まれる。
大八島を生み出した一族が、「国号・国体」の継承となり、畿内から大八島を支配し「公地・公民」を定めた。山人の領域、海人の領域、里人の領域もまた、「公地」と規定されたのである。
日ノ本の朝廷に従わぬモノは、朝敵として征伐される。
律令制は、「公:Pubric」を確立させるために作り上げられた、日ノ本の制度であった。
律令以降は、大八島すべての土地と民は、「国号・国体」の下にある。朝廷に従わぬモノは、すべて逆賊の朝敵として、征伐の対象となったのである。
「国号・国体」は、確立された時より、象徴化の道を進み始めます。
これは、私有財産に関する考え方の変化です。
縄文期は、私有財産という考え方は、非常に希薄な時代でありました。これは、海人の流れから、太平洋を渡った者達の話に残されています。西洋人にとっての大航海時代に、太平洋を訪れた西洋人にとって、友好的であっても、現地人はモノを盗むという記録がなされています。これは、モノに対する所有権と所属に関して、意識が違うことから起きた事件なのです。
「土地が誰のモノ」と大地に墾田して開発した「田圃が誰のモノ」の違いです。土地が、「国号・国体」に支配されている地とし、私的に墾田開発した「田圃」は、私有財産となる。「墾田永年私財法」の制定は、公的な墾田と、私的な墾田を区分する意味合いがありました。
縄文期には、土地や道具は、グループの共有財産であり、私有しているのは、今その時点で、身に着けているモノに生じるという規約であったと思います。縄文期に埋葬された者に装飾品が纏っていったのは、本人が私有しているモノであったからです。縄文時代が進むにつれて、装飾品が華美になっていくのは、私有財産への欲というモノが、生じるようになったことを意味しています。
財産を私有するという考え方が、土地に対しても存在するようになり、自分の「田圃」と他人の「田圃」という考え方が生じるのも、記録という形が生まれた、弥生期からの流れとなります。縄文期は、全員で耕し、籾を撒いて、全員で刈り取りして収穫する。これが、弥生期の大規模治水事業と、大規模土木作業による墾田開発によって、「自分の田圃」「他人の田圃」が区別されることとなります。
国家が、大規模土木事業によって開発した、公地としての墾田と、一族郎党が土木事業で開発した墾田は、所有権の争いが生じることになる。
これは、現代まで繋がる問題となり、自分の私有地であっても、一定以上の高度への私有権は認められず、一定以上の地下についても私有権は認められない。結果として、非常に地下深くを走る地下鉄が生まれ、ドローンを飛ばせる場所は限定されるようになった。
隋や唐の律令制が、日ノ本に導入されたのは、最初にすべての土地と民を、「一天万乗の大王」が下で、「国号・国体」を規定するためである。
「公地公民」の確立は、すべてが「公:Pubric」であることを認識させることから始まっている。大規模土木事業で生まれた墾田を、口分田として与えることで、「公:Pubric」の土地に、「自分:Private」の田圃が生まれる。
大八島を生み出した一族が、「国号・国体」の継承となり、畿内から大八島を支配し「公地・公民」を定めた。山人の領域、海人の領域、里人の領域もまた、「公地」と規定されたのである。
日ノ本の朝廷に従わぬモノは、朝敵として征伐される。
律令制は、「公:Pubric」を確立させるために作り上げられた、日ノ本の制度であった。
律令以降は、大八島すべての土地と民は、「国号・国体」の下にある。朝廷に従わぬモノは、すべて逆賊の朝敵として、征伐の対象となったのである。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説



歴史小説 歴史以前の縄文文明
Ittoh
歴史・時代
日ノ本の歴史は、1万2千年前の縄文土器文明に始まり、黒曜石を基軸通貨として、翡翠を貴重品とした文明圏を形成していた。
経済活動というのは、余分な商品があって、初めて始まる活動だと考えられる。自分で採取したものを、そのまま自分で使うだけであれば、そこに経済活動は発生しない。石器時代と呼ばれる時代から、縄文期に入っていった時、最初に商品となったのは、石であった。
石は、石器として最上級の品質であった、黒曜石である。
黒曜石は、石のままでは価値を持たない。
加工する知識・技術・技能があって始めて、鏃となり、釣り針となって、狩や漁の道具として使うことができる。
参考資料
CGS動画 「目からウロコの日本の歴史」 小名木善行&神谷宗幣
西田正規 著「人類のなかの定住革命」
安田喜憲 著「森と文明の物語」
鬼頭宏 著「人口から読む日本の歴史」
高木久史著「撰銭とビタ一文の戦国史」
松島義章著「貝が語る縄文海進」
水野正好著「縄文を語る」
日ノ本における、経済の始まりは、縄文期に遡ることができる。


日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
女の首を所望いたす
陸 理明
歴史・時代
織田信長亡きあと、天下を狙う秀吉と家康の激突がついに始まろうとしていた。
その先兵となった鬼武蔵こと森長可は三河への中入りを目論み、大軍を率いて丹羽家の居城である岩崎城の傍を通り抜けようとしていた。
「敵の軍を素通りさせて武士といえるのか!」
若き城代・丹羽氏重は死を覚悟する!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる