日ノ本の歴史 始まりの話

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古代の終焉、中世の日ノ本

日ノ本の中世 第一話 国分寺の確立、情報操作する日ノ本

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 国府の設置は、行政機関の成立であったが、国分寺の建立は、情報操作の始まりでもあった。
 古代の日ノ本では、文字の萌芽もあり、徐々に記録が始まろうとしていた時期でもありました。これを押し潰すように浸透していったのが、漢字を国字として公文書に用いた、行政組織の確立であり、漢字を国字として教える、国分寺の建立であった。
 さらに、「風土記」を漢字によって、地域の伝承を蒐集し、漢字によって記録して残すことで、地域の風物伝承もまた、漢字によって記録伝承されることになります。

 国字がオリジナルで確立される以前に、漢字という外字を用いて、記録伝承の媒体としたことは、日ノ本の歴史そのものを、以前以降に切り分けることとなります。

 つまりは、国字が漢字となったことで、口伝による伝承が、古代の日ノ本が文字が残っていても、真実を覆い隠し、圧し潰していくことができます。国分寺の建立によって、庶民に至るまで、漢字で教育するような状況を作り上げたことは、凄まじいまでの情報操作が行われたことを示しています。

 太古の出雲王朝が、諸王国の連合体を造った頃が縄文期であり、鬼界カルデラの噴火を受けて、日向ひむかから筑紫ヤマトへ移り、畿内ヤマトへと分かれた倭王国が勢力を伸ばしていった。畿内ヤマトは、越王国と婚姻関係を結びつつ、大丹波王国を滅ぼし、筑紫ヤマトと協力して、出雲王朝の勢力を削ぎながら、備(美)王朝を滅ぼして、覇権を確立していった。最終的には、出雲王朝を神有月と奉るようにして、畿内ヤマトを中心とした王権を確立していった。

 内紛、内乱、後継者争いを繰り返す中で、筑紫ヤマト日向ひむかを滅ぼし、日向ひむか畿内ヤマトに逃れて、畿内ヤマトが最終的に筑紫ヤマトを征伐して、日ノ本の覇権が確立される。

 「日本」を国号とし、「天皇制」を国体として確立されたのが、中世の始まりである。

 国号と国体を日ノ本六十余州に確立するために、「国府」「国分寺」を建立し、隋唐へ使者を送って、国内外に国号と国体を認めさせたことになります。

 「日本」を国号とした、本当の意味での日本国建国は、孝謙天皇から称徳天皇に確立されたと言って良い。

 秦王朝の31代秦王政が、初代始皇帝となったように、聖武天皇が招き、孝謙天皇の御代に、鑑真上人による戒壇確立が行われた結果、律令制と公地公民の名の下に、「倭国」千数百年の後に「日本国」「天皇制」の確立したということになります。
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