日ノ本の歴史 始まりの話

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日ノ本の歴史 古代まで

日ノ本の始まり 第三話 継続するは力なり

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 日ノ本における定住生活は、自然環境に合わせて、繰り返されるように築き上げられた世界であったのは、間違いありません。住居の近くに胡桃や栗の木に、椎や櫟を植えて、採取を容易にし、琵琶湖の水位変化を利用して、葦原を育て、鯉や鮒を簡易的に養殖する。
 春先に葦原を焼いて肥料を作り、雪解け水が水位を上げて、鯉や鮒の産卵を誘い、水の引いた葦原を刈り取って干すことで、建材と薪として活用する。採取生活でありながら、継続できるように、一年の生活サイクルを築き上げた。
 縄文期中期頃には、標高が少し高い地域で、水位変化が浅い状況を利用して、稲作を始めていました。

 縄文時代には、自然の水位変化を利用して、稲作が始められていましたが、徐々に水位を調整できるように総意工夫をこらしていった。これが、現代に繋がる水稲栽培の流れであり、毎年作り続けることが可能な栽培体制の確立となります。
 葦、稲という植生を活用した、衣食住の在り様の確立もまた、日ノ本最大の淡水湖、淡海おうみにおける縄文期の特徴となります。

 米が南方より伝来して、伝わることで、鮒を米と共に塩漬けにして、馴寿司を造って保存食としていくこととなります。

 日ノ本の場合、7300年前の鬼界カルデラの破局噴火に巻き込まれたことで、南九州から西南諸島一帯が被害を受けた。結果として、大きく移動せざるを得なかった。海民うみんちゅうの大移動は、北太平洋旋廻の海流に乗って、遥か大海原を越えて、アメリカ大陸まで移動し、赤道を廻って、黒潮に乗って日ノ本へと還る。スターナビゲーションによって海原を旅する、広大な循環航路を築いていったとも言われます。

 鬼界カルデラの破局噴火ほどではなくても、自然災害の多い日ノ本では、災害そのものには、人が抗えるようなモノではない。災害そのものをどうにかできるわけもなく、人は災害の結果を受け入れて、生き残ることを算段しなければならないということになる。
 日ノ本は、自然災害を受け入れることが、最も自然災害の被害を小さくできることを、知っていたということになります。





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 西洋文明の在り様としては、シュメールの叙事詩「ギルガメッシュ」に伝えられる話が象徴していると、お爺ぃは考えている。
 ウルク王ギルガメッシュ王の物語に、森の王フンババが登場する。レバノン杉は当時の中近東に、広範囲に覆い茂っていたそうである。船舶の材料として優秀であったレバノン杉を巡る争いは、数千年前より始まり、森の王フンババとの争いとして記録にも残っている。

 写真は、レバノン杉で2018年に造られた、播州ソロバンである。現在のレバノン杉は、伐採が禁じられている。写真のレバノン杉で造られたソロバンは、ソロバン教室をレバノンで実施している方が、雪の重みで折れた枝をレバノンで購入して日本に運び、播州でソロバンに加工しているそうだ。

 西洋文明にとって、定住生活を行うことは、環境破壊の始まりでもある。
 ギルガメッシュ叙事詩に出て来る、森の神フンババが斃されたことで、レバノン杉の伐採は、レバノンからシナイ一帯に覆い茂っていた森を破壊し、荒れ果てた荒野へと変えていったこととなる。

 ギルガメッシュは、死にあたって、残した言葉が日本語で訳されています。
「私は、人間の幸福のみを考えていたのだ。
 わたしは、森の神フンババと共に、多くの生き物の生命を奪ってしまった。
 やがて森はなくなり、地上には、人間と人間によって飼育された動植物だけしか残らなくなる。
 それは、荒涼たる世界だ。
 人間の滅びに通じる道だ」
 現在、僅かに残るレバノン杉の森は、森の神フンババを魔神として退治することによって、荒れ地となった大地の哀しさを象徴しているようです。
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