日ノ本の歴史 始まりの話

Ittoh

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日ノ本の歴史 古代まで

日ノ本の始まり 第一話 黒曜石は力の証

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今の日ノ本は、資源無き国と呼ばれる。
 正直に言えば、堀つくした結果として、資源無き島となった国なのである。

 十万年ほど前から人が住み始めて、日ノ本では14000年ほど前に土器が生まれた。北海道や東北地方に多く人が住み、人口として東高西低の状況であった日ノ本は、縄文海進が進む中であり、人が住みやすいくらいに暖かい地域でもあった。
 食料としては、ドングリなどの堅果類を中心として、琵琶湖周辺では、鯉に鮒、ナマズといった魚が食材となっていた。食材を手に入れるためには、黒曜石は必要なモノであり、黒曜石を加工する技術は、大きな付加価値を有していたのだ。



 最初に掘り出され、重要な品となったのは、黒曜石である。



 伊豆諸島の一つ神津島、恩馳島は、黒曜石の産地であった。そのために、神津島と呼ばれたのだろうと思われる。また、神話の大八島に隠岐が入るのも、黒曜石の産地であったことも理由のひとつであったと推定される。
 北海道遠軽町、長野県和田峠、大分県姫島、島根県隠岐島などが知られていて、多くの黒曜石が採取されたと推定されている。産地によって石の特徴が異なることから、石の交易を調査することが容易になるため、海外を含めて、なんらかの商取引が行われていたことが、確認されている。

引用文献資料:明治大学、黒曜石研究センター関連資料
 数百キロの距離を、採掘された石が伝搬していくのは、石の算出と石の加工技術は、別物であったためでもあったことも示している。

 つまりは、原材料の算出と、加工技術は、同じ場所で進展したわけではないのである。材料と加工の場所が異なるというこは、交流がなければならず、一定のコミュニケーションが取れる状況であったという証ともなる。

 石の加工は、かなり難しい。鏃やナイフだけでなく、釣り針なんかも製造されていた縄文時代は、当時から日ノ本のモノづくりを示すかのように、東アジア地域で様々な工夫が付加されて、実際に使われていた。

 また、良質の黒曜石を確保できることは、力の象徴ともなった。出雲、神州信州、蝦夷は、材料と加工技術を確保することで、多くの人を養える環境を築き上げたのだ。
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