世界大戦は終わらない

国際連盟の闇

国際連盟の闇08 実体経済の拡大と金本位制の崩壊

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　デフレ経済を嫌う、自由主義社会
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　モノが多くなれば、単価が下がり、モノが少なくなれば、単価は上がる。高校あたりの社会経済では、物価とモノについて、数と価格が連動するように教わる。しかしながら、２０世紀は、モノの価値が変化するよりも、モノの生産される量が急拡大した世紀である。必要とされるモノが増え続けて、増え続けたモノをさらに欲するような時代であった。

  石炭や鉄鉱に石油といった基本資材は、大量に欲するようになるのが、世界の状況であったのである。金本位制の崩壊は、実体経済の拡大に金本位によて発行できる紙幣総額が、あまりにも乖離した結果として生じたモノであった。金本位制の崩壊によって、実体経済の拡大は、歯止めがかからなくなり、必要とする紙幣の総量は、爆発的に拡大していったのである。

　自由主義社会というモノは、インフレを常に必要として、暴走するように拡大していった。これは、２１世紀にはいっても同じであり、紙幣の発行は、電子データで増殖し、実体経済を超えて、虚業経済によってインフレが創出されるようになったのである。電子データで増殖する経済は、国家の制約すら嫌うようになり、仮想通貨を生み出すに至ったのである。





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　２０世紀は、経済の爆発的な拡大と、金本位制崩壊の歴史である。
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　昭和初期の自由主義経済は、実体経済の拡大が、大陸に生まれた「特区」によって、暴走するように発展したのである。「特区」におけるインフラ整備を担った日本は、暴走するように発展する「特区」経済の恩恵を受けて、石炭や鉄鉱に石油を確保することができるようになったのである。

　大陸の経済発展は、そのまま巨大な貿易黒字を日本に生み出して、日本国内に収益格差を生じさせたのである。富める者がより富める者となり、貧しき者はより貧しき者となる、「大陸浪人」という言葉が一般化するように、貧しき者が、一旗あげるための移住先が、「特区」となっていったのである。

　ロマノフ帝室は、ロマノフ帝室銀行を介して、「特区」経済への投資と収益を得て、大陸への投資をも拡大していった。

　イギリスやフランスにイタリアといった諸国家は、石炭、鉄鋼、石油という資源を「特区」で確保し、「特区」への資本投下を加速させたのである。

　アメリカは、沿海州を委任統治領として、イギリスと共にウラジオストクを交易拠点とした。日本から膠州湾および山東省の利権を購入して、河北へ進出権を得た。アメリカは、ドイツと共同で山東省の開発を進め、承徳油田の開発を進めたのである。「特区」には、フォード、クライスラー、ゼネラルが工場を設置し、「特区」だけでなく大陸で拡大する、自動車需要への先行投資を進めたのである。「特区」では、乗用車ではなく、バスやトラックを中心として、台数を増加させていったのである。

　「特区」の拡大と発展は、そのまま大陸経済の拡大でもあり、「特区」人口の増大でもあったのである。「特区」人口の増大は、国際連盟の資金力の拡大でもあり、国際連盟の権限拡大ともなったのである。