世界大戦は終わらない

Ittoh

文字の大きさ
上 下
22 / 59
飛行機よもやま話

飛行機のよもやま話06 飛行機の構造 著:バロン・シゲノ

しおりを挟む
 飛行機の話をする前に、判りやすく説明するため、凧の話をしよう。多くの飛行機は、動力凧パワーカイト方式で造られていて、飛行の原理は凧が空を飛ぶのに等しい。

 風が無ければ、凧は空を飛ばない、これは良く知られた話であろう。凧は、大きさ重さを支える風が必要であり、凧の表面で風が流動しているのである。よく上がる凧には撓りがあって、凧の表面で風の流動を上手く受けられるように造られている。

 飛行機と言うのは、風の代わりに自分が動くことで、風を起こして翼に揚る力を発生させて、空を飛ぶように造られている。つまりは、凧の風を受ける部分が、翼ということになり、翼がどのように空気の流れを受けるかは、翼によって変わるのである。

 飛行機が前に進む力と、風の力が同じであれば、飛行機は空中に停まっているようになる。これが凧糸で引っ張られ、凧が空中で止まっているように見えるコトである。

 奈良原式鳳号が、芝浦埋め立て地で海上から吹く風に逆らって飛翔した時、殆ど前に進むことができなかった。風速は8m程であったが、鳳号は18m程で進めるハズであったが、発動機が弱っていて、10m程でしか進めなかったようである。つまりは、風が強ければ強いほど、発動機の力がさらに強く無ければ、飛行機は前に進むことができない。風が強ければ、凧糸にかかる力が強くなるのと同じであり、発動機の力は飛行機にとって天候に左右されず飛ぶための力となる。

 飛行機には、発動機が大きければ良いのは確かだが、自然の中では風の向きは刻々と変化するから、ただ発動機が大きくても意味は無いのである。

 風を受ける面積と風を受ける角度は、そのまま飛行機が揚がる力となり、大きさや角度は、非常に重要である。角度が大きければ、風の力は上昇する力が大きくなり、飛行機の速度を遅くしてしまう。角度が小さければ、上昇する力が小さくなり、飛行機の速度は速くなるが、高度を得られなくなる。翼が大きければ、風の力を受けて、より強く揚がる力を得られるが、翼が重くなってしまう。

 翼の大きさや角度といった形状については、様々な実験を繰り返す中で、より良き翼の在り方を研究している途上である。

 飛行機の翼は大きく造れば、頑丈に作らなければならないが、頑丈に作ろうとすれば重くなり、翼がさらに大きく重くなる。頑丈で軽い材料を開発することも、より良い飛行機を造るために必要であり、日本でも新たな材料が日々開発されていると聞く。

 着陸装置は飛行機の大きさと重量に合わせて、頑丈に作らなければならないが、頑丈に作ろうとすれば重くなる。飛行機の中では、着陸装置は離陸と着陸には必要だが、飛行には必要が無い。この矛盾を解決するのも、良き飛行機の課題となる。



引用および参考文献「通俗、飛行機の話」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951737/14


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。 これからどうかよろしくお願い致します! ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

帝国夜襲艦隊

ypaaaaaaa
歴史・時代
1921年。すべての始まりはこの会議だった。伏見宮博恭王軍事参議官が将来の日本海軍は夜襲を基本戦術とすべきであるという結論を出したのだ。ここを起点に日本海軍は徐々に変革していく…。 今回もいつものようにこんなことがあれば良いなぁと思いながら書いています。皆さまに楽しくお読みいただければ幸いです!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...