19 / 59
飛行機よもやま話
飛行機のよもやま話03 飛行機のいろいろ 著:バロン・シゲノ
しおりを挟む
日本の二宮忠八も同じであるか、飛行するという意味では、滑空機が最初である。滑空機の研究から、多くの人が、発動機を搭載し、動力飛行をおこなったのである。
今日、世界を風靡している、ブレリオ、ファーマン、ニューポールであっても、機体を引っ張る力、即ち推進機を持ち、凧が空に舞い上がるように、傾けた翼《パワーカイト》が揚力なるものを発生させて上昇することで、空を飛ぶことに変わりは無い。
この他には、動力翼式と呼ばれる、竹トンボのように空を飛ぶ飛行機である。竹トンボ式は、研究されていたが、欠点が多く凧式の発達によって、発達は遅れることになった。
しかしながら、この話をスイスの安土航空学校で話したら、何故、ダメなのかと質問されて、空中でエンジンが故障すると、墜落する欠点があると答えた。すると、学生が翼も付ければ良いといって、そういった飛行機は、回転翼機と呼ばれていると言った。
造ってみたいと学生が言ったので、ゴム動力で試してみろと、模型の製作を命じた。モデルには、「琵琶」の模型を使って、複座の間に垂直動力を追加し、飛ばしてみると、離着水距離を短くすることができた。
垂直軸に動力を搭載すれば、零距離での離水も可能であった。
「もったいないですね、研究を辞めてしまうのは」
「欠点はどうですか」
「欠点、、、」
学生たちは、色々と考えていた、
「上昇に使う、回転翼は、水平飛行では、単に邪魔だな」
「ゴムだと気づかないが、エンジンでは重くなるな」
「英国製のCierva 8L Mk.IIは、オートジャイロとして、大西洋の横断にも成功している」
「あぁ、スペイン人ファン・デ・ラ・シエルバだろ、俺だって調べたんだ」
「実験用であれば、木製布張りで、造れるんじゃないか」
「バイク用のエンジンで試すか」
「翼は小さめで良いか」
ワイワイと学生たちが語り合う姿は、楽しいモノであり、見ているとこちらがワクワクしてくる。
欧州の学校では、ファンのような一握りの天才が、オートジャイロを作り上げる。彼らは、一から造り上げるのではなく、組み合わせて新たな可能性を見出そうとする。
帝国大学は、才能を磨き、欧米の天才と戦える、人材を育てる。地域の航空学校や工業学校は、造り上げた、飛行機や自動車を整備し、汽車の修理を行える。この二つが、上手く繋がれば、欧米に勝てる日本になる。安土学校で教えていると、讃岐の二宮忠八のような学生がたくさんいて、そんな確信を得られる。
できれば、忠八のように、才覚を妨げられることの無い、そんな風に育ててやりたいものだ。
引用および参考文献「通俗、飛行機の話」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951737/14
今日、世界を風靡している、ブレリオ、ファーマン、ニューポールであっても、機体を引っ張る力、即ち推進機を持ち、凧が空に舞い上がるように、傾けた翼《パワーカイト》が揚力なるものを発生させて上昇することで、空を飛ぶことに変わりは無い。
この他には、動力翼式と呼ばれる、竹トンボのように空を飛ぶ飛行機である。竹トンボ式は、研究されていたが、欠点が多く凧式の発達によって、発達は遅れることになった。
しかしながら、この話をスイスの安土航空学校で話したら、何故、ダメなのかと質問されて、空中でエンジンが故障すると、墜落する欠点があると答えた。すると、学生が翼も付ければ良いといって、そういった飛行機は、回転翼機と呼ばれていると言った。
造ってみたいと学生が言ったので、ゴム動力で試してみろと、模型の製作を命じた。モデルには、「琵琶」の模型を使って、複座の間に垂直動力を追加し、飛ばしてみると、離着水距離を短くすることができた。
垂直軸に動力を搭載すれば、零距離での離水も可能であった。
「もったいないですね、研究を辞めてしまうのは」
「欠点はどうですか」
「欠点、、、」
学生たちは、色々と考えていた、
「上昇に使う、回転翼は、水平飛行では、単に邪魔だな」
「ゴムだと気づかないが、エンジンでは重くなるな」
「英国製のCierva 8L Mk.IIは、オートジャイロとして、大西洋の横断にも成功している」
「あぁ、スペイン人ファン・デ・ラ・シエルバだろ、俺だって調べたんだ」
「実験用であれば、木製布張りで、造れるんじゃないか」
「バイク用のエンジンで試すか」
「翼は小さめで良いか」
ワイワイと学生たちが語り合う姿は、楽しいモノであり、見ているとこちらがワクワクしてくる。
欧州の学校では、ファンのような一握りの天才が、オートジャイロを作り上げる。彼らは、一から造り上げるのではなく、組み合わせて新たな可能性を見出そうとする。
帝国大学は、才能を磨き、欧米の天才と戦える、人材を育てる。地域の航空学校や工業学校は、造り上げた、飛行機や自動車を整備し、汽車の修理を行える。この二つが、上手く繋がれば、欧米に勝てる日本になる。安土学校で教えていると、讃岐の二宮忠八のような学生がたくさんいて、そんな確信を得られる。
できれば、忠八のように、才覚を妨げられることの無い、そんな風に育ててやりたいものだ。
引用および参考文献「通俗、飛行機の話」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951737/14
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。


帝国夜襲艦隊
ypaaaaaaa
歴史・時代
1921年。すべての始まりはこの会議だった。伏見宮博恭王軍事参議官が将来の日本海軍は夜襲を基本戦術とすべきであるという結論を出したのだ。ここを起点に日本海軍は徐々に変革していく…。
今回もいつものようにこんなことがあれば良いなぁと思いながら書いています。皆さまに楽しくお読みいただければ幸いです!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる