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原・高橋による経済政策は、世界を覆す

原・高橋による経済政策02 世界の物流通貨は寡占される

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 明治30年(1897年)貨幣法を施行し、金0.75mg=1円とし100円=49.875ドルとする
 大正 3年(1914年)イタリア金輸出禁止
 大正 4年(1915年)フランス金輸出禁止
           ドイツ金輸出禁止
 大正 5年(1917年)アメリカ金輸出禁止
           日本金輸出禁止
 大正 7年(1919年)アメリカ金解禁
           イギリス金輸出禁止
 大正12年(1923年)フランス・ベルギー軍によるルール占領
           ドイツ右翼活動勢力による、ミュンヘン一揆クーデター
           ミゲル将軍が、クーデタを起こし、スペインの政権を握った
                      関東大震災、震災手形の発行
 昭和 元年(1924年)陛下生前退位、改元の詔、5月1日即位の礼
           ソビエト指導者、ウラジミール・レーニン死去
           スターリンがレーニンの後任となる
           レフ・トロッキー逃亡
           ドイツ金解禁
 昭和 2年(1925年)極東ロシア共和国建国
           イギリス金解禁
           ドイツ国際連盟に加盟
  昭和 3年(1926年)駐独ソビエト大使、国際連盟オブザーバー参加承認
 昭和 4年(1927年)日本、外国為替危機に始まる、通貨危機勃発
           日本、定額手形大量発行による通貨危機解消
           スペイン通貨危機と内戦勃発
           イタリア金解禁
 昭和 5年(1928年)フランス金解禁
           日本金解禁
 昭和 6年(1929年)アメリカ、株価の大暴落暗黒の木曜日始まる。
 昭和 8年(1931年)イギリス金輸出禁止
 昭和 9年(1933年)アメリカ金輸出禁止
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 世界恐慌の発端は、株価の大暴落暗黒の木曜日にあったとされるが、様々な説もあって、確定はされていないようである。お爺ぃの感覚としては、経済の破綻は、政治の干渉と、経済界の乖離にあたのかもしれない。

 引き金としては、株価の大暴落暗黒の木曜日があげられる。しかしながら、お爺ぃが引き金としているのは、1931年、1932年のイギリス、アメリカが相次いで金輸出禁止としたことにあったと考えている。つまり、国家が自国経済の貿易赤字を許容できないことで、過剰反応した結果ではないかと考えている。イギリス、アメリカという経済大国が、国家体制として制限経済へ移行することは、溢れる資金の投資先が、大国へと流れ込んで、国家経済を破綻させる結果になったと考えている。

 イギリスがブロック経済をとって、ビジネスの囲い込みをおこなう政策としたのは、連合王国内および植民地経済範囲なら、貿易赤字を許容できるというモノであったのだろう。

 欧州各国の反応は、どの国も自国から金の流出を止めようとすれば、金輸出禁止措置を取らなければならない。だからと言って、自国内の経済で完結できない以上は、国内経済そのものの首を絞めることとなる。

 日本が、満洲を結果的に生命線としたのは、自国内で完結できないことと、経済的な膨張先を大陸に求めなければならなかったからである。

 ifの原敬は、高橋是清大蔵大臣を介して、無期限無利子の定額手形を発行することで、兌換紙幣を兌換紙幣のままで使用できるようにした。日本は金本位制を維持したが、兌換紙幣そのものに対して、購入制限をかけたのである。当初は、政府預金を担保とした、無期限無利子の定額手形の発行であった。最終的に日本政府は、郵便貯金そのものを担保として、定額手形の発行をおこなったことで、政府の予算上限を超えて、予算を組むことができるようになったのである。

 イギリスが連合王国と植民地を含めたブロック経済を構築していくなかで、「特区」は、例外とする必要があった。これは、ほかの国際連盟参加国にとっても同じであり、「特区」の経済は、東ユーラシア経済の中心になっていたのである。極東ロシア共和国、蒙古共和国、中華民国という国家を周囲に持ち、石油、石炭、鉄鋼といった重工資源の産地であり、治水事業の進展と墾田、開拓事業推進から、安定した食料供給地となったことで、石油や石炭といった巨大な輸出産業を持った「特区」となったのである。

 油田開発やプラントの建設だけでなく、工兵隊による治水工事と墾田事業の推進、畜産業の推進や畜産医科の新設によって、「特区」は巨大な経済圏を構成していったのである。

 「特区」の経済圏は、石油や石炭といった原材料だけでなく、マグネシウムやタングステンといった希少金属の輸出、農業車や原動機付き自転車といった、産業製品を輸出までおこなっていたのである。また、日本領である大連からは、耕耘機や原動機付き人力車やリヤカーなどから、「走竜」といった戦闘車両まで輸出されていた。

 タイのレムチャパン郊外の工務学校では、研究生制度を組み入れ、日本語を習得したタイ人に対して、統制型エンジンを使用した、統制エンジンの組立・検査・整備から、農業車の開発までを教えた。バンコクでは、工務学校を卒業生によって、原動機付き人力車、三輪駆動車の整備や改造を請け負う町の自動車やさんができるようになったのである。

 こういった生産拡大する経済事情と、金輸出禁止措置によって、日本の無利子無期限の定額手形は、徐々に東南アジアの基軸通貨にまで浸透していったのである。

 日本は、「特区」を介することで、金本位の通貨をイギリスやフランス、イタリアンとは、「特区」で生産される資源や製品については、取引を定額手形を用い、護衛総体の物流ルートで出荷することで、決済の相殺を図ったのである。

 アメリカは、中南米を勢力圏として確保しつつ、大陸にシベリア鉄道を有し、山東省の鉄道利権を確保していることもあって、アメリカ単独で広大な物流経済圏を確保していたのである。

 イギリスは、オーストラリアポンドを介して、東南アジア経済から、「特区」経済圏との商取引をおこなっていた。

 スペインは、金融危機から、内戦へと発展していった。

 経済支援の停滞によって、孤立経済を強いられたドイツは、大陸での「特区」との経済協力による車両等の現物取引を日本が継続したことと、日本から石炭および石油精製品について、アメリカが利権を持つ、シベリア鉄道経由でソビエトへの鉄道使用料を支払うことで、支援を行っていた。
 輸送は、石油や石炭だけでなく、鉄鋼、ゴム、貴金属、食料に至るまでが支援対象となていた。ドイツからの提供として、航空機用エンジンや自動車エンジンの技術や潜水艦について、技術提供を受けていた。また、ドイツのハノーファー獣医学校から獣医師の教官を招くことで、1885 年(明治 18 年)に規定された、「獣医師免許規則」に基づいた獣医学部の設置基準を満たす形で、満洲里の工務大学校に、農学科や畜産学科と共に獣医科が作られた。満洲里の獣医学科については、「鍼灸」や「漢方」、「医心方」も組み入れられ、療馬法の中に湯治、針、灸についても実習が行われるようになった。防疫を含めた衛生管理は、満洲里の工務大学校で検査や調査が行われるようになった。
 招聘費用等を定額手形で支払いとし、ドイツが石炭や石油精製品だけでなく、鉄鋼、ゴム、貴金属や食料を買い取りに使用された。

 日本の定額手形による支払いは、欧州各国との取引についても実施された。シベリア鉄道による物流は、日本、アメリカ、極東ロシア、ソビエトを経由した満洲・シベリア鉄道を使って輸送され、日本の定額手形による取引が促進された。
 「特区」から欧州までの海洋ルートは、日本、タイ、イギリスの中継交易として、こちらの取引については、オーストラリアポンドと日本の定額手形が用いられるようになった。これは、1931年から始まった各国の金輸出禁止によって、各国の通貨が海外に流出されず、イギリスポンド、米ドルの流通が阻害されたためであった。

 「特区」で権益を持つ、フランス、イタリア、イギリスは、相手国との取引を互いの通貨が使えないため、定額手形が流通通貨となっていった。

 アメリカは、翌1934年5月に金解禁に踏み切って、米ドルを発行した。しかしながら、「特区」取引では、流入量より流出量が多くなり、アメリカでの金が流出することになり、1934年11月に金輸出再禁止措置を取ることで、大きく信用を落とすことになった。

 オーストラリアポンドをイギリスポンドと等価としながら、金の輸出禁止を継続していて、アジアでの取引では、オーストラリアポンドを事実上の不換紙幣として流通させたのである。

 「特区」の共通通貨としては、定額手形が主流となって、流通するようになった。東南アジアからインド洋沿岸諸国では、オーストラリアポンドが主流となって流通していた。「特区」からの流通中継拠点となった、タイ王国では、定額手形とオーストラリアポンドが錯綜し、バンコクには国際金融取引所が設置された。




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