我田引鉄だけじゃない？ 原首相のまったり運営

年表から見る日ノ本

年表から見る日ノ本03 国家危急を活用して、定額約束手形の発行を

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　明治２３年（1890年）銀行条例改正
　明治３０年（1897年）台湾銀行設置
　大正　９年（1920年）第一次世界大戦後、反動不況の発生
　大正１２年（1923年）関東大震災、震災手形の発行
　昭和　２年（1927年）東京渡辺銀行破綻、鈴木商店の事業停止





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　無期限無利子の定額手形は、震災手形として始まる。
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　大蔵大臣高橋是清は、関東大震災にあたって、「国家危急苦難にあたり、公務員全ての俸給を返納すべし」として、震災手形の発行をおこなっている。震災手形は、公務員俸給の金額だけ発行を可能とした。当初は、発行印刷が間に合わず、国内分については、片面白紙の印刷で定額手形の発行をおこなった。外地は、印刷が間に合う翌々月からの実施となり、満洲における紙幣相当品の発行という形になった。

　関東大震災のため、国債を発行した高橋是清大蔵大臣は、引き受け手を海外に求めた。国連加盟各国民間より、国債引き受け手となってもらった恩義から、強制返済を実行するため、政府発行の無利子無期限の定額手形を発行した。ただ単に発行しただけでは、軍票と同じであり、価値創造が難しいことから、公務員の俸給支払いを定額手形へと変更したのであった。

　公務員俸給を担保とした、国債回収運用を始めたのであった。

　第一次世界大戦後のデフレ不況が始まっていたが、「特区」での満洲国有鉄道都市警備局の公務員俸給を定額手形としたことで、満洲鉄道都市警備局による発行紙幣という形態となった。

　関東大震災と言う緊急的な措置として始められた、定額手形決済は、外地である満洲では、満洲鉄道の利用、人頭税の支払い、水道料金等の公共料金の支払いといった費用に等価で対応することで浸透した。内地でも、諸税の支払いや、上下水道料金、電気代、ガス代といった支払い、鉄道料金や切手購入費、電信電話料金が等価とされて、流通始めるようになった。

　外地である「特区」では、各国が用意することが困難な正貨不足から、紙幣が極東にまで回らず、デフレに陥っていた状況を緩和し、「特区」における流通通貨として使用されるようになった。日本国有満洲鉄道都市警備局は、運営予算のすべてを定額手形として、運用を開始した。

　また、逓信省が、郵便局の貯金を定額手形と等価として扱い、支払いに定額手形を用いることとした。貯金そのものは、正貨対応として取り扱うが、引き落としや預け入れは、定額手形で行うという形である。つまり、日本政府は、郵便貯金を担保として、定額手形を発行することができるようになった。

　この郵便貯金への対応は、台湾銀行に対しても適応され、台湾鉄道や台湾総督府は、日本国公務員であり、俸給を台湾銀行発行の無利子無期限定額手形として、発行可能としたのである。これは、原敬の台湾を「内地」として、内地延長主義の一環として、認めさせたのであった。

　台湾は、日本が統治する南洋島嶼の中心として捉えられていて、台北には、大型四発水上機の離発着可能な人造湖が作られていた。





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　史実では、外地である満洲には、日本銀行券，横浜正金銀行円銀券，同金券，朝鮮銀行券など非常に多くの貨幣が出回っていた。これに北洋軍閥の軍票も加わり、非常に混乱した経済状況を生み出していた。

　こういった経済状況を解消するためにも、「特区」には、一定の資金的な裏付けを持った、大量発行可能な紙幣を外地では必要であった。
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