19 / 69
我田引鉄だけじゃない?
我田引鉄だけじゃない?18 復興景気は、無利子無期限の定額手形に始まる
しおりを挟む
昭和元年、新たな時代の始まりは、復興景気の流れに生まれた。
震災借款の返済として、大蔵大臣高橋是清は、官製による無期限定額手形の発行をおこなった。官製による無期限定額手形は、公務員の俸給を官製手形として発行したのである。つまり公務員すべてに対して、国が借金をし、借用書として手形を発行したことになります。手形は、壱百円、拾円、壱円という定額で発行され、公務員が買い物を行う購入は、すべて手形によって実行されることとなった。つまり、手形を割り引くのは、公務員と取引する銀行や商店、個人ということになる。
額面に対して、いくらで割り引くかについては、市場経済の問題であったが、官製無期限手形は、同額で流通をしていったのである。第一次世界大戦後の不景気に、大規模な公共工事と共に、金本位による日本銀行紙幣発行額ではなく、莫大な不換紙幣を投下したこととなる。
借款10億の返済は、公務員の俸給を集めて開始された。満洲や国外の公務員を含めて、約100万人の俸給を官製無期限手形としたことは、月当たりに数千万の返済を遂行し、1年間で借款による国債を、無利子無期限の定額手形で完済したのである。
無利子無期限の定額手形は、政府発行による紙幣のようなものであった。政府は、国債の回収をしながら、兌換紙幣の回収を少しづつ進めていったのである。つまり、国家の借金である手形を引き取っても、金に替えれるわけではない、金本位で四苦八苦していた日銀の救済を兼ね、無利子無期限の定額手形の発行によって、金本位制からの脱却を図ったのである。
「高橋大臣は、本当に思い切った行動をとりましたね、首相」
「ははは、国債の返済に、30年はかかると思ったのに、10年で完済するだろう。兌換紙幣の回収をも始めている。見事なものだよ、風間君」
<<<<<>>>>>
無利子無期限の定額手形は、政府発行の紙幣として市中を巡っていった。
<<<<<>>>>>
無利子無期限の定額手形の発行は、借金を国民に支払わせる手段となったのである。政府は、無利子無期限の定額手形を発行し、公務員の俸給とすることで、市中へと定額手形を浸透させ、経済を活性化させたのである。まずは、公務員の俸給を借金返済の資金源とし、強制的な借金返済を実行したのである。
満洲国有鉄道都市警備局は、定額手形の発行を受けて、工兵大隊の機械化を進め、北京までの米軍の補給を確保しながら、輸送に使用するトラックを大量に米軍及び中華民国へ売却したのである。公務員の俸給だけでなく、警備局が機械化にかける予算もまた、定額手形で決済を開始したのである。フォードやゼネラルから定額手形でトラックを購入して、北京まで運んで米軍と中華民国へ売却する。補給路の確保に大量のトラックを必要とする米軍は、お得意様となっていた。
小日向ら馬族を通じて、蒙古共和国への支援を遂行しつつ、トラックの売却などで莫大な利益を上げる国営満洲鉄道都市警備局は、アメリカ政府から「死の商人」扱いされるものの、大量の物資確保には頼るしかなく、膨大な物資を生産するアメリカを含めた企業の儲けでもあって、止めることもできない流れとなったのである。昭和元年から日米関係は、徐々に悪化していく流れになっていったのである。
売却によって回収されるのが、米国債と米ドルであり、兌換紙幣である米ドルは、金へと変換されて回収され、日本銀行による兌換紙幣の発行へと繋がっていった。膨大な金が日本に流れ、日本の経済成長は、凄まじい勢いで進んでいったのである。これは、満洲に建設された、欧米の企業も同じであり、満洲製フォードが、大陸を走りまわることになったのである。
満洲製フォードを含めて、満洲の車両生産量は、昭和3年には、月産1万台を超えていったのである。
満洲の景気は、日本への車両輸出にも現れていった。関東大震災後の復興で、最大利権ともなった全国街道建設事業は、巨大な国家事業となり、全国に国道が整備が拡充されていったのである。つまり、国道一桁の街道建設事業は、東京から始まるのではなく、地域に資金をの名目と共に、各地域で街道建設がバラバラに進められ、接続されていくと言う、「我田引鉄」ならぬ「我田街道」は、後藤新平の計画によって、全国街道建設の陳情合戦まで始まっていったのである。
建設土木事業が、日本のあちこちで開始され、大量の資金が投下されることで、建設重機やトラックといった車両を中心とした自動車産業が産声を上げたのである。国内の需要については、海外から税金をかけることで対応しつつ、国有満洲鉄道都市警備局を経由して国内に流れ込んできた建設重機やトラックが、需要を底上げしていったのである。国内では、ゼネラルやフォードのライセンス生産から始まり、合弁企業の設立が進められ、ローバーやロールスロイスとの提携を進めるなど、様々な自動車会社が設立していったのである。
<<<<<>>>>>
昭和元年より始まった、無利子無期限の定額手形は、日本の発行紙幣として、確立していくのであった。
<<<<<>>>>>
震災借款の返済として、大蔵大臣高橋是清は、官製による無期限定額手形の発行をおこなった。官製による無期限定額手形は、公務員の俸給を官製手形として発行したのである。つまり公務員すべてに対して、国が借金をし、借用書として手形を発行したことになります。手形は、壱百円、拾円、壱円という定額で発行され、公務員が買い物を行う購入は、すべて手形によって実行されることとなった。つまり、手形を割り引くのは、公務員と取引する銀行や商店、個人ということになる。
額面に対して、いくらで割り引くかについては、市場経済の問題であったが、官製無期限手形は、同額で流通をしていったのである。第一次世界大戦後の不景気に、大規模な公共工事と共に、金本位による日本銀行紙幣発行額ではなく、莫大な不換紙幣を投下したこととなる。
借款10億の返済は、公務員の俸給を集めて開始された。満洲や国外の公務員を含めて、約100万人の俸給を官製無期限手形としたことは、月当たりに数千万の返済を遂行し、1年間で借款による国債を、無利子無期限の定額手形で完済したのである。
無利子無期限の定額手形は、政府発行による紙幣のようなものであった。政府は、国債の回収をしながら、兌換紙幣の回収を少しづつ進めていったのである。つまり、国家の借金である手形を引き取っても、金に替えれるわけではない、金本位で四苦八苦していた日銀の救済を兼ね、無利子無期限の定額手形の発行によって、金本位制からの脱却を図ったのである。
「高橋大臣は、本当に思い切った行動をとりましたね、首相」
「ははは、国債の返済に、30年はかかると思ったのに、10年で完済するだろう。兌換紙幣の回収をも始めている。見事なものだよ、風間君」
<<<<<>>>>>
無利子無期限の定額手形は、政府発行の紙幣として市中を巡っていった。
<<<<<>>>>>
無利子無期限の定額手形の発行は、借金を国民に支払わせる手段となったのである。政府は、無利子無期限の定額手形を発行し、公務員の俸給とすることで、市中へと定額手形を浸透させ、経済を活性化させたのである。まずは、公務員の俸給を借金返済の資金源とし、強制的な借金返済を実行したのである。
満洲国有鉄道都市警備局は、定額手形の発行を受けて、工兵大隊の機械化を進め、北京までの米軍の補給を確保しながら、輸送に使用するトラックを大量に米軍及び中華民国へ売却したのである。公務員の俸給だけでなく、警備局が機械化にかける予算もまた、定額手形で決済を開始したのである。フォードやゼネラルから定額手形でトラックを購入して、北京まで運んで米軍と中華民国へ売却する。補給路の確保に大量のトラックを必要とする米軍は、お得意様となっていた。
小日向ら馬族を通じて、蒙古共和国への支援を遂行しつつ、トラックの売却などで莫大な利益を上げる国営満洲鉄道都市警備局は、アメリカ政府から「死の商人」扱いされるものの、大量の物資確保には頼るしかなく、膨大な物資を生産するアメリカを含めた企業の儲けでもあって、止めることもできない流れとなったのである。昭和元年から日米関係は、徐々に悪化していく流れになっていったのである。
売却によって回収されるのが、米国債と米ドルであり、兌換紙幣である米ドルは、金へと変換されて回収され、日本銀行による兌換紙幣の発行へと繋がっていった。膨大な金が日本に流れ、日本の経済成長は、凄まじい勢いで進んでいったのである。これは、満洲に建設された、欧米の企業も同じであり、満洲製フォードが、大陸を走りまわることになったのである。
満洲製フォードを含めて、満洲の車両生産量は、昭和3年には、月産1万台を超えていったのである。
満洲の景気は、日本への車両輸出にも現れていった。関東大震災後の復興で、最大利権ともなった全国街道建設事業は、巨大な国家事業となり、全国に国道が整備が拡充されていったのである。つまり、国道一桁の街道建設事業は、東京から始まるのではなく、地域に資金をの名目と共に、各地域で街道建設がバラバラに進められ、接続されていくと言う、「我田引鉄」ならぬ「我田街道」は、後藤新平の計画によって、全国街道建設の陳情合戦まで始まっていったのである。
建設土木事業が、日本のあちこちで開始され、大量の資金が投下されることで、建設重機やトラックといった車両を中心とした自動車産業が産声を上げたのである。国内の需要については、海外から税金をかけることで対応しつつ、国有満洲鉄道都市警備局を経由して国内に流れ込んできた建設重機やトラックが、需要を底上げしていったのである。国内では、ゼネラルやフォードのライセンス生産から始まり、合弁企業の設立が進められ、ローバーやロールスロイスとの提携を進めるなど、様々な自動車会社が設立していったのである。
<<<<<>>>>>
昭和元年より始まった、無利子無期限の定額手形は、日本の発行紙幣として、確立していくのであった。
<<<<<>>>>>
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ナポレオンの妊活・立会い出産・子育て
せりもも
歴史・時代
帝国の皇子に必要なのは、高貴なる青き血。40歳を過ぎた皇帝ナポレオンは、早急に子宮と結婚する必要があった。だがその前に、彼は、既婚者だった……。ローマ王(ナポレオン2世 ライヒシュタット公)の両親の結婚から、彼がウィーンへ幽閉されるまでを、史実に忠実に描きます。
カクヨムから、一部転載

いや、婿を選べって言われても。むしろ俺が立候補したいんだが。
SHO
歴史・時代
時は戦国末期。小田原北条氏が豊臣秀吉に敗れ、新たに徳川家康が関八州へ国替えとなった頃のお話。
伊豆国の離れ小島に、弥五郎という一人の身寄りのない少年がおりました。その少年は名刀ばかりを打つ事で有名な刀匠に拾われ、弟子として厳しく、それは厳しく、途轍もなく厳しく育てられました。
そんな少年も齢十五になりまして、師匠より独立するよう言い渡され、島を追い出されてしまいます。
さて、この先の少年の運命やいかに?
剣術、そして恋が融合した痛快エンタメ時代劇、今開幕にございます!
*この作品に出てくる人物は、一部実在した人物やエピソードをモチーフにしていますが、モチーフにしているだけで史実とは異なります。空想時代活劇ですから!
*この作品はノベルアップ+様に掲載中の、「いや、婿を選定しろって言われても。だが断る!」を改題、改稿を経たものです。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
枢軸国
よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年
第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。
主人公はソフィア シュナイダー
彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。
生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う
偉大なる第三帝国に栄光あれ!
Sieg Heil(勝利万歳!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる