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我田引鉄だけじゃない?
我田引鉄だけじゃない?14 蒙古共和国は、シナに非ず
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1923年に開始された、蒋介石を中心とする中華民国による北伐は、一定の成功を治め、呉佩孚や馮玉祥を破り、北京へと入城した。追われた呉佩孚や馮玉祥は、北方へと逃げ出した。
米軍10万を加えた、北伐軍30万は、北洋軍閥を追って、北京から北へ進撃した。
北京の市街地から万里の長城まで75キロほどであり、一般的な行軍で3日、機動歩兵であれば半日の距離である、驚くほど国境線は近い。北洋軍閥が、長城を越えて、北方へと撤退していった。戦闘状況からすれば、蒙古への亡命という状況である。
中華民国の北伐軍は、長城の手前で停止し、蒋介石は、北伐軍の集結を図った。しかしながら、アメリカ軍は、北洋軍閥を追って、長城を越えて侵攻を開始した。
万里の長城は、中華と蒙古を分ける、長大な国境線に築かれた、山岳地帯の壁でもあった。越えれば、蒙古の領域とも言える、モンゴル地域となる。蒙古は、ロシア白軍を中心として、蒙古共和国を建国していた。ボリシェビキによる僧侶の殺害や虐待が発生したことで、宗教関係者への保護のため、日本は興安四省の自治権を、蒙古共和国に委譲した。自治権への配慮から正確な人数の確認はできていないが、蒙古から百万人以上の亡命者が、興安四省へ移住したのは確かである。
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長城を越えた、アメリカ軍10万は、蒙古共和国軍の襲撃を受けて壊滅した。
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万里の長城を超えれば、北方騎馬民族の領域である。清国の勢力圏が拡大し、内モンゴルを含めた北方が中華民国の領域とされていたが、現状の中華民国では、治安維持が出来る状況にはなかった。蒙古共和国は、長城の北方までを領域としていて、北洋軍閥との小競り合いをおこなっていた。
蒙古共和国は、北洋軍閥の呉佩孚や馮玉祥の亡命を受け入れ、アメリカ軍の撃退に成功した。結果として、万里の長城の北方は、蒙古共和国領であると宣言したのである。
「アメリカはどうする気なのかね、風間君」
「首相。蒙古共和国の宣言は、完全に無視ですね」
「中華民国の方は、どうなんだ。蒋介石は南方の人間だ、北方に関わりたくはないと思うが」
「はい、首相。中華民国としては、利権の少ない蒙古に手を出したくはないと思います」
「では、アメリカを宥めんといかんわけだ」
「はぁ、首相。かなり厳しい状況かと思います」
アメリカの世論は、反蒙古で沸騰していた。犯罪者を匿う行為は、犯罪者の共犯という考え方で、蒙古共和国に対して、呉佩孚や馮玉祥の引き渡しを要求したのである。要求が受け入れられない場合は、宣戦布告をおこなうという脅迫まがいの恫喝が実行された。
「蒙古共和国軍は、対赤軍のために日本が支援している。面倒この上ないな、風間君」
「はい。日本の支援停止も要求されています。どうも、伊達の坊ちゃんが、馬族五千率いて、蒙古共和国側で参戦しています」
「なに、順之助坊ちゃんが、困ったものだ」
伊達政宗の直系、伊達宗敦の六男順之助は、満洲へ出でて、馬族の頭領となった。マチエフスカヤを中心として活動していて、蒙古共和国への軍事支援を仲介し、興安四省の自治の確立に奔走していた。薄益三や小日向白朗と同様に、数千の馬族を統率して、満洲から蒙古を勢力圏として活動していた。
大陸に夢を追った漢達の歌が、アメリカを砕いていた。
米軍10万を加えた、北伐軍30万は、北洋軍閥を追って、北京から北へ進撃した。
北京の市街地から万里の長城まで75キロほどであり、一般的な行軍で3日、機動歩兵であれば半日の距離である、驚くほど国境線は近い。北洋軍閥が、長城を越えて、北方へと撤退していった。戦闘状況からすれば、蒙古への亡命という状況である。
中華民国の北伐軍は、長城の手前で停止し、蒋介石は、北伐軍の集結を図った。しかしながら、アメリカ軍は、北洋軍閥を追って、長城を越えて侵攻を開始した。
万里の長城は、中華と蒙古を分ける、長大な国境線に築かれた、山岳地帯の壁でもあった。越えれば、蒙古の領域とも言える、モンゴル地域となる。蒙古は、ロシア白軍を中心として、蒙古共和国を建国していた。ボリシェビキによる僧侶の殺害や虐待が発生したことで、宗教関係者への保護のため、日本は興安四省の自治権を、蒙古共和国に委譲した。自治権への配慮から正確な人数の確認はできていないが、蒙古から百万人以上の亡命者が、興安四省へ移住したのは確かである。
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長城を越えた、アメリカ軍10万は、蒙古共和国軍の襲撃を受けて壊滅した。
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万里の長城を超えれば、北方騎馬民族の領域である。清国の勢力圏が拡大し、内モンゴルを含めた北方が中華民国の領域とされていたが、現状の中華民国では、治安維持が出来る状況にはなかった。蒙古共和国は、長城の北方までを領域としていて、北洋軍閥との小競り合いをおこなっていた。
蒙古共和国は、北洋軍閥の呉佩孚や馮玉祥の亡命を受け入れ、アメリカ軍の撃退に成功した。結果として、万里の長城の北方は、蒙古共和国領であると宣言したのである。
「アメリカはどうする気なのかね、風間君」
「首相。蒙古共和国の宣言は、完全に無視ですね」
「中華民国の方は、どうなんだ。蒋介石は南方の人間だ、北方に関わりたくはないと思うが」
「はい、首相。中華民国としては、利権の少ない蒙古に手を出したくはないと思います」
「では、アメリカを宥めんといかんわけだ」
「はぁ、首相。かなり厳しい状況かと思います」
アメリカの世論は、反蒙古で沸騰していた。犯罪者を匿う行為は、犯罪者の共犯という考え方で、蒙古共和国に対して、呉佩孚や馮玉祥の引き渡しを要求したのである。要求が受け入れられない場合は、宣戦布告をおこなうという脅迫まがいの恫喝が実行された。
「蒙古共和国軍は、対赤軍のために日本が支援している。面倒この上ないな、風間君」
「はい。日本の支援停止も要求されています。どうも、伊達の坊ちゃんが、馬族五千率いて、蒙古共和国側で参戦しています」
「なに、順之助坊ちゃんが、困ったものだ」
伊達政宗の直系、伊達宗敦の六男順之助は、満洲へ出でて、馬族の頭領となった。マチエフスカヤを中心として活動していて、蒙古共和国への軍事支援を仲介し、興安四省の自治の確立に奔走していた。薄益三や小日向白朗と同様に、数千の馬族を統率して、満洲から蒙古を勢力圏として活動していた。
大陸に夢を追った漢達の歌が、アメリカを砕いていた。
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