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我田引鉄だけじゃない?
我田引鉄だけじゃない?12 共産主義国家は国なのか?
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レーニン率いる、ソビエト社会主義共和国連邦は、共産主義国家として誕生し、コミンテルンを組織することで、世界中へ共産革命を輸出していた。レーニンが斃れスターリンが引き継いだソビエトは、セヴァストポリ陥落後、確実に勢力を拡大していった。食料品の不足による、数百万人の餓死者発生といった結果はあるが、中央指導体制は粛清の嵐を経て、盤石の体制を築いていた。
ソビエトは、黒海からカスピ海沿岸を確保し、ソビエトの重工業を発展させていった。1920年代後半からは、農業生産も安定して、1930年代には大国としてのし上がっていった。
トロッキー率いる、極東ロシア共和国は、土地を国有地として、各産業別に協同組合を形成して、協同組合から選ばれた理事会によって運営する体制が整えられていった。協同組合は、個別の工場や商業地域を、一つの協同組合として組織し、産業別の連合体を形成していた。各産業が連合の母体となる、協同組合に所属してカルテルを形成し、極東ロシア共和国が産業保護政策をとったことで、安定した生産活動が行えるようになっていった。
トロッキーは、各産業を協同組合に纏め上げ、理事を選出し、理事会を構成させた。各産業を保護育成するための政府組織を協同組合として形成し、理事を選出し、理事会を政府として機能させた。初代公共協同組合理事長には、レフ・トロツキーが就任したのである。
相互に拡大し発展する、ソビエト社会主義共和国連邦と極東ロシア共和国は、バイカル湖畔の権益を巡って紛争を開始した。ユーラシア大陸に出現した、二つの共産主義国家は、互いに相手を敵視し、同族嫌悪のように争い始めたのである。
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大日本帝国は、世界中が新たな動乱に混乱する中で、最強の帝国陸海軍を誇り、平穏無事な平和を満喫していたのである。
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WWⅠの結果、戦に疲れた欧州は、建艦競争を抑えるために、国際連盟の中で、海軍軍縮条約を締結した。ワシントンで開催された海軍軍縮会議で、大国の証ビッグセブンが決定し、イギリス、アメリカ、日本、フランス、イタリアの五カ国が、世界の大国として国際社会の中で認められたことになる。日本は、海軍戦力では、世界第三位の大国ということになる。
1922年から、海軍軍縮条約が最終的に失効する1936年までの間を、「海軍の休日」と呼んだ。国際連盟による紛争調停の努力もあり、大国間の戦争が回避され、大国間の海軍が戦闘状態になることが無かったことを称した名称であった。
日本は、大国となり、太平洋の島嶼から大陸までを勢力圏とする、巨大な帝国を形成していたのである。強大な軍事力を有していることもあって、本土国内は「海軍の休日」によって、平和ボケするくらいに安穏とした時代を過ごすことになります。
「風間君。これで、国内に予算を投下できるねぇ」
「首相。鉄道ですか」
「そうだ。まずは、日本中(政友党選挙区)に鉄道を巡らせる」
我田引鉄、日本国中へ鉄道網を広げ、資本投下を進めていく。
原首相の選挙区への資本投下は、内需拡大と経済の活性化を達成することを含めて、地方への利益誘導を進めていた。路線が非効率に引かれていくため、利益に関しては厳しいものがあったが、結果責任を国有鉄道に負わせることで、丸投げするという徹底ぶりであった。
「首相。そろそろ、国内にも5フィート路線を引きませんか」
国内は、狭い軌道3ft6inが主であり、場所によってはさらに狭い軽便鉄道までひかれていた。日本の鉄道規格では、物資の搬送についても、かなり制約があって、厳しい状況があった。
また、軌道幅の違いから、貨物コンテナの大きさにも違いがあった。日本からコンテナをそのまま船に乗せて、釜山や大連に運んでも荷物の積み替えが面倒なことが多く、物流のボトルネックになっていた。
「どこに引くんだ、風間君」
「まずは、川崎から横浜ですか、物流上の問題を解決したいですね」
「風間君、それは、川崎と横浜で港に載せて、大陸かね」
「はい、首相。今はバイカル湖が戦争状態で使えませんが、最終的には、シベリア鉄道を通って、欧州までを物流の搬送範囲にできます」
「床次君には、国内では、3ft6inしか要らんと言って貰ったよ」
「はい。ですから貨物用の路線です。従来路線の外側に貨物用の5フィートを併設します」
「風間君。コンテナは、そんなに問題かね」
「荷揚げや積み替えにかかる時間が、3割に短縮できるとのことです」
「風間君。国内貨物コンテナも多いんだよ、日本の財界は、野党よりも保守的だよ」
「はぁ、ダメですか、首相」
「ただ、横浜や川崎の工場内線路を、何時の間にか繋がっていたなら、できるかも知れないね、風間君」
首相は、覗き込むように、俺を見て笑った。
「あ、ありがとうございます。首相」
「ただしだ、国内の広軌車両は、狭軌でも走れるように設計してもらうよ」
「は、はいっ」
「欧州から日本まで、走ることができる客車も頼むよ、風間君」
「え、えっと、何かあるんですか、首相」
「皇紀2600年まで、20年くらいだ。風間君。イベントが無いと困るだろ」
「首相。客車って」
「皇紀2600年には、欧州からのお客様を、鉄道で日本まで運んでみたいじゃないか」
「東京でのオリンピック開催も、できると良いなって思っているよ。聖火を運ぶというのも面白いよね」
「首相は、20年後も首相ですか」
「風間君。それは、流石に無いとは思うが、開催への道筋は付けれると良いな」
「そうですね、首相」
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改元の詔が発せられた、大正12年(1923年)のこと。日本は、平和であった。
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ソビエトは、黒海からカスピ海沿岸を確保し、ソビエトの重工業を発展させていった。1920年代後半からは、農業生産も安定して、1930年代には大国としてのし上がっていった。
トロッキー率いる、極東ロシア共和国は、土地を国有地として、各産業別に協同組合を形成して、協同組合から選ばれた理事会によって運営する体制が整えられていった。協同組合は、個別の工場や商業地域を、一つの協同組合として組織し、産業別の連合体を形成していた。各産業が連合の母体となる、協同組合に所属してカルテルを形成し、極東ロシア共和国が産業保護政策をとったことで、安定した生産活動が行えるようになっていった。
トロッキーは、各産業を協同組合に纏め上げ、理事を選出し、理事会を構成させた。各産業を保護育成するための政府組織を協同組合として形成し、理事を選出し、理事会を政府として機能させた。初代公共協同組合理事長には、レフ・トロツキーが就任したのである。
相互に拡大し発展する、ソビエト社会主義共和国連邦と極東ロシア共和国は、バイカル湖畔の権益を巡って紛争を開始した。ユーラシア大陸に出現した、二つの共産主義国家は、互いに相手を敵視し、同族嫌悪のように争い始めたのである。
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大日本帝国は、世界中が新たな動乱に混乱する中で、最強の帝国陸海軍を誇り、平穏無事な平和を満喫していたのである。
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WWⅠの結果、戦に疲れた欧州は、建艦競争を抑えるために、国際連盟の中で、海軍軍縮条約を締結した。ワシントンで開催された海軍軍縮会議で、大国の証ビッグセブンが決定し、イギリス、アメリカ、日本、フランス、イタリアの五カ国が、世界の大国として国際社会の中で認められたことになる。日本は、海軍戦力では、世界第三位の大国ということになる。
1922年から、海軍軍縮条約が最終的に失効する1936年までの間を、「海軍の休日」と呼んだ。国際連盟による紛争調停の努力もあり、大国間の戦争が回避され、大国間の海軍が戦闘状態になることが無かったことを称した名称であった。
日本は、大国となり、太平洋の島嶼から大陸までを勢力圏とする、巨大な帝国を形成していたのである。強大な軍事力を有していることもあって、本土国内は「海軍の休日」によって、平和ボケするくらいに安穏とした時代を過ごすことになります。
「風間君。これで、国内に予算を投下できるねぇ」
「首相。鉄道ですか」
「そうだ。まずは、日本中(政友党選挙区)に鉄道を巡らせる」
我田引鉄、日本国中へ鉄道網を広げ、資本投下を進めていく。
原首相の選挙区への資本投下は、内需拡大と経済の活性化を達成することを含めて、地方への利益誘導を進めていた。路線が非効率に引かれていくため、利益に関しては厳しいものがあったが、結果責任を国有鉄道に負わせることで、丸投げするという徹底ぶりであった。
「首相。そろそろ、国内にも5フィート路線を引きませんか」
国内は、狭い軌道3ft6inが主であり、場所によってはさらに狭い軽便鉄道までひかれていた。日本の鉄道規格では、物資の搬送についても、かなり制約があって、厳しい状況があった。
また、軌道幅の違いから、貨物コンテナの大きさにも違いがあった。日本からコンテナをそのまま船に乗せて、釜山や大連に運んでも荷物の積み替えが面倒なことが多く、物流のボトルネックになっていた。
「どこに引くんだ、風間君」
「まずは、川崎から横浜ですか、物流上の問題を解決したいですね」
「風間君、それは、川崎と横浜で港に載せて、大陸かね」
「はい、首相。今はバイカル湖が戦争状態で使えませんが、最終的には、シベリア鉄道を通って、欧州までを物流の搬送範囲にできます」
「床次君には、国内では、3ft6inしか要らんと言って貰ったよ」
「はい。ですから貨物用の路線です。従来路線の外側に貨物用の5フィートを併設します」
「風間君。コンテナは、そんなに問題かね」
「荷揚げや積み替えにかかる時間が、3割に短縮できるとのことです」
「風間君。国内貨物コンテナも多いんだよ、日本の財界は、野党よりも保守的だよ」
「はぁ、ダメですか、首相」
「ただ、横浜や川崎の工場内線路を、何時の間にか繋がっていたなら、できるかも知れないね、風間君」
首相は、覗き込むように、俺を見て笑った。
「あ、ありがとうございます。首相」
「ただしだ、国内の広軌車両は、狭軌でも走れるように設計してもらうよ」
「は、はいっ」
「欧州から日本まで、走ることができる客車も頼むよ、風間君」
「え、えっと、何かあるんですか、首相」
「皇紀2600年まで、20年くらいだ。風間君。イベントが無いと困るだろ」
「首相。客車って」
「皇紀2600年には、欧州からのお客様を、鉄道で日本まで運んでみたいじゃないか」
「東京でのオリンピック開催も、できると良いなって思っているよ。聖火を運ぶというのも面白いよね」
「首相は、20年後も首相ですか」
「風間君。それは、流石に無いとは思うが、開催への道筋は付けれると良いな」
「そうですね、首相」
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