我田引鉄だけじゃない？ 原首相のまったり運営

我田引鉄だけじゃない？

我田引鉄だけじゃない？11 満洲鉄道都市公社、点と線の支配

　大正１２年(1923年)第一次世界大戦の最中から、共産党からロシア帝国の利権を確保するため、シベリア出兵が開始された。日本は、ハバロフスク、マチエフスカヤまで侵攻したことで停止し、満洲鉄道利権を確保することで、シベリア出兵は終結した。満洲鉄道利権のため、出兵した兵員を、国営満洲鉄道都市警備局へ出向とし、組織を再構築することで、シベリア出兵を一方的に終結させた。帝国陸軍シナ派遣軍は、１０万に縮小し、旅順および営口に総予備として配置した。

　ニコラエフスクからハバロフスクまでの河川航行権を確保したイギリス連合王国もまた、一方的に出兵を終結している。

　イタリアは、ウクライナでの敗走で義勇軍がセヴァストポリ要塞へ撤収した。

　フランスは、セヴァストポリ要塞へ義勇軍と艦隊を派遣し、黒海沿岸の利権獲得へ動いたが、セヴァストポリ陥落と共に撤収している。

　大正１２年1923年出兵を終結できなかったのは、アメリカだけであった。第一次大戦後に獲得した、山東省の鉄道利権については、中華民国側と調整がつかないでいた。国際連盟の協議によって、山海関－天津－北京の利権を獲得したアメリカは、敷設を開始したが、軍閥側の抵抗によって、敷設が頓挫していた。

　中華民国側の合意について、北洋軍閥側が拒否しただけである。

　中華民国側の態度に硬化したアメリカは、国際連盟に黄河北方全域について、「特区」として拡大することを提案した。「特区」の拡大は、中華民国側に黄河以北の統治能力なしと断定したことになる。

　国際連盟に中華民国を認めさせたのは、アメリカであった。中華民国が「特区」として認めたのは、東三省だけであると反対にまわった。実質的に上海を中心とした軍閥に過ぎない中華民国にとって、黄河以北については、中華民国にも利権があるハズだと反対したのである。米中共同開発といった、提案が中華民国側からなされた。

「特区」は、事実上の無国籍地域であったことから、住民の管理はなされていなかった。「自由と平等」と「自主自尊」の実現は、無国籍者の拡大を招いていた。満洲鉄道都市警備局は、都市の住民に対して、戸籍簿を作成し、住民票を発行していた。これは、人頭税方式による、住民税徴収の方策となっていた。

　時間の経過と共に、住民の中で無国籍住民が増加することとなる。国籍を持つ住民と婚姻を結んだ場合、各国でバラバラに対応すると混乱を招くため、国際連盟としての対応を検討する必要があった。「特区」では、無国籍であることに制約はないが、特区以外の国に行くことができないという制約が生じる。

　中華民国は、土地は中華民国の土地を租借していることから、住民は中華民国の国民であるとして、

　満洲鉄道都市警備局では、日本の領事館を哈爾濱、長春、奉天、大連に開き、日本国の仮国民証を発行したのである。仮国民証は、満洲管区内でのみ使用可能の住民が保有する権利で、大日本帝国のパスポートではない。満洲鉄道都市公社で働く公社員の家族に対して発行されている。
　母親が日本国籍を有する場合は、子供は日本国籍を有したが、母親が日本国籍を持たない場合は、子供には、仮国民証を発行した。５歳以下の子供であれば、日本の学校教育および高等教育を受け、卒業した後に正式に日本国民として、戸籍の取得が可能となる。

　フランスは、哈爾濱にロシア帝国Landless Imperiumの領事館を建てて、ロシア帝国皇帝の臣民証を発行し、満洲の鉱山や炭田で働く権利とした。





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　満洲公社は点と線、さて面は？
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　満洲における面は、北洋軍閥や馬族の支配地域とされていた。日本から満洲へ渡った、伊達順之助などが率いる馬族が、蒙満の境界や極東ロシアとの境界で勢力範囲を広げていた。伊達順之助は、マチエフスカヤと満洲里の市長として満洲鉄道都市公社に雇われていて、駅郊外の治安維持を担う顔役となっていた。満洲鉄道都市公社は、各地域で馬族や軍閥に対して、満洲鉄道各駅を中心とした市街地を保護および治安維持のため、市長という役職を与えていたのである。

　勢力圏については、紛争の結果によって変更されていた。張作霖は、奉天を中心に市長を増やしていて、各地の市長と小競り合いを行っていた。満洲鉄道都市公社は、市街地に武装して入ることを禁じていた。（日本刀と拳銃は、礼装の範囲とされ、武装として扱われていない）大連、奉天、長春、哈爾濱といった大都市には、公社警備局が万単位の警備兵を配置し、師団長が駅長に任命されていた。満洲鉄道都市公社の運営する各駅には、鉄道管理保全要員を含めた、工兵一個大隊千名が配置されていた。大隊長が駅長に任命されていた。

　駅長と市長は儀礼上は市長が上であるが、権限としては満洲鉄道都市公社社員である駅長が優越し、市街地警備の全権を担っていた。