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未亡狐、葛葉
#未亡狐__みぼうじん__#、葛葉
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熱を発して、しばらく寝込んでいた。その間に、少年の記憶が流れ込んでくる。熱や痛みにうなされていると、柔らかいぷにぷにに包まれる。大きい胸乳だなぁ。そのまま眠り込むようにギュッとしてしまう。ゆっくりと、俺の口に柔らかく口をあてて、移すように蜂蜜を混ぜたような甘い水をのませてもらったりしていた。熱が、触れた身体から吸われる様に移動して、優しく謡いの声がしていく。謡の中へ、引き込まれるように、眠ってしまった。
次に起きた時も、大きい胸乳の裸の女に抱かれていた。少し元気になって、最期に嫁に押し倒された時のような淫気に溢れてしまって、猛り立つままに抱きしめてしまっていた。
「ほんに、元気な男よなぁ・・・」
俺の口に柔らかく口をあてて、移すように蜂蜜と生姜を混ぜたような甘い水をのませると、そのまま男として抱いてくれた。
「ごめん。ありがとう・・・」
「ほほほ。女を抱けるほどに元気なれば、大丈夫であろう。子種まで、注がれるとは思わなんだがな。元気なものよ」
「あの、俺は、渡辺綱と言います。どなたでしょうか?」
「ほほほ。わが名は、葛葉じゃ」
「葛葉様。お助けいただき、ありがとうございます。この御恩は一生忘れません」
「ほほほ。元気な男になれればよいわ」
褥から、すっと立ち上がった姿は、白く艶やかな身体に、流れるような黒い髪が膝に届くようにまとわりつ流れていく姿が綺麗であった。
部屋の几帳に掛けた、肌襦袢や内掛けを着けると、すぅっと障子を開けて、立ち去った。
「あ、あのッ・・・」
声を掛けようとするのを遮る様に、障子を閉めた。一瞬にして気配が消える。
次に起きた時も、大きい胸乳の裸の女に抱かれていた。少し元気になって、最期に嫁に押し倒された時のような淫気に溢れてしまって、猛り立つままに抱きしめてしまっていた。
「ほんに、元気な男よなぁ・・・」
俺の口に柔らかく口をあてて、移すように蜂蜜と生姜を混ぜたような甘い水をのませると、そのまま男として抱いてくれた。
「ごめん。ありがとう・・・」
「ほほほ。女を抱けるほどに元気なれば、大丈夫であろう。子種まで、注がれるとは思わなんだがな。元気なものよ」
「あの、俺は、渡辺綱と言います。どなたでしょうか?」
「ほほほ。わが名は、葛葉じゃ」
「葛葉様。お助けいただき、ありがとうございます。この御恩は一生忘れません」
「ほほほ。元気な男になれればよいわ」
褥から、すっと立ち上がった姿は、白く艶やかな身体に、流れるような黒い髪が膝に届くようにまとわりつ流れていく姿が綺麗であった。
部屋の几帳に掛けた、肌襦袢や内掛けを着けると、すぅっと障子を開けて、立ち去った。
「あ、あのッ・・・」
声を掛けようとするのを遮る様に、障子を閉めた。一瞬にして気配が消える。
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