琉球お爺いの綺談

Ittoh

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お爺ぃの読書エッセイ

星新一 「肩の上の秘書」 AIは秘書になれるか?

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 ほかの人も書いているけれど、AIの浸透を見ていると、SF作家星新一さんの「肩の上の秘書」を思い出して、読み返していた。「肩の上の秘書」は、「ボッコちゃん」に収められている、星新一さんの短編である。
 肩の上にのせているインコは、ロボットで、AI機能が搭載されて、主人の呟きを、相手に合わせて解釈し、代わりに交渉してくれるロボットだ。

「美少女に肩に乗る小鳥」で、AIに描いて貰ったのだが、肩に乗ってくれない?

 お爺ぃ自身、iPhoneにsiriが搭載してから、海外で英語の発音をiPhoneにして、表示される文章があっていれば、発音があっているという形で、利用していて重宝していた。

 翻訳ソフトが、ある程度は正確になって、日本語と英語の変換は、相手に伝わる程度に変換してくれるようになった。そういった意味では、翻訳ソフトを使えば、代わりに話すことができるまでになった。2010年代には、会話代行が、スマフォでできるようになった。

 電子辞書も徐々に進んで、翻訳機に置き換わり、会話代行ツールに変化していく。

 「肩の上の秘書」は、そんな会話代行ツールが、追い求める最終形態だ。

 SFを描く人にとって、未来を思い描いて、時代が流れ、技術が発達していく中で、SFが現実になっていく。「ボッコちゃん」の発行が、昭和46年1971年とあとがきに書かれていたので、「肩の上の秘書」初出は(あるページでは、「婦人画報」1961年9月号となっていた)、かなり古い作品だ。

 現在が、2024年6月とすれば、63年経過して、ようやく「肩の上の秘書」っぽい何かが、創れる時代になったんだなぁと思いをはせていた。

 膨大なデータベースから、データを検索するだけで、チューリングテストを突破した時代もあって、判定者側の知識・技術・能力が、チューリングテストの精度を高める結果となる。

 チューリングテストは、会話だけだが、CGや動画をAIで動かして、画面に表示できるようになれば、本当に秘書のように活躍してくれると考えられる。まぁ、現時点での技術では、実際にお店とかで使うと、顰蹙を買うこともあるので、税関やホテル等で対応してくれる、顰蹙を買わない秘書ができると良いなぁ。

 チューリングテストの先として、人間か機械かではなく、友達になりたいかどうかというテストが突破できるようになれば、「肩の上の秘書」から「ボッコちゃん」へ時代が進むようになるのだろう。

 お爺ぃとしては、記憶能力がヤバくなってきたので、眼鏡にカメラを付けて、撮影をして、相手を認識してくれるツールが欲しいが、出歩くのには眼鏡のカメラが難しいので、現実として使用できないのは残念である。実際にカメラを仕込んだ眼鏡を使って、試験問題の撮影といった悪用者が現れてしまうので、便利なのに使えないというSFが実現し難い、「良識の壁」が、AI利用には付き纏ってしまう。
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