琉球お爺いの綺談

Ittoh

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お爺ぃ、よもやま噺

日ノ本宗教観 追記 中村生雄著「肉食妻帯考」を読んで

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  私個人は、「白黒つけず」が、日ノ本の本質と思っています。
  八百万の神々に代表されるように神も仏も多く、それぞれに思いや正義があるとするならば、正義そのものが重要なのではなく、対象となる事象に対して、個別に適応を考えていくというのが、日ノ本の善悪ということになるのだと思います。



  法然、親鸞が描く世界で、有名な言葉は、「肉食妻帯」だけでなく、「悪人正機」があります。
  「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」
  戒律の有り様と、人々の生活が乖離していくことは、俗世にまみれることが、往生から離れる事となる。人が生きることが罪業に沈むのであれば、なぜ仏に祈る必要があるのかということにもつながっていくことになります。西欧では、七つの原罪という起点から考えることが基本になるのかと思います。

七つの現在は、聖書には記述が見られないようです。byうぃき
  「暴食:Gluttony」、「色欲:Lust」、「強欲:Greed」、「憤怒:Wrath」、「怠惰:Lazy」、「嫉妬:Envy」、「傲慢:Pride」である。

  「悪人正機」では、悪人の定義が明確ではない。悪人の定義は、破戒であったように思う。殺人、盗み、淫行、虚偽、飲酒といった戒律への違反したモノを悪人と呼んだのではないか。五戒を破戒したからと言って、往生できないことはない。律として定めたのは国家であって、仏が教義として定めたわけではない。仏の教義には、解釈があり、派によって解釈は異なる。
  何を持って破戒とするかは、戒律を定める側の問題でしかない。

  個人的に、「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」の言葉を最初に聞いたのは、TVドラマであった。個人的には、爪楊枝を相手に吹いて木槌で叩き込む水谷豊さんの演技が印象的でした。

  戒律を破った者を裁くのは、寺ではなく国の法律によってであった。

  「肉食妻帯考」の中で、福沢諭吉などが違和感や嫌悪感のようなものを僧侶に感じていたと記載されているのは、戒律を守ることに自律していない寺の組織的な状態であったように思います。明治期に太政官布告「肉食妻帯勝手たるべし」によって、肉食臍帯が公的に許されておりましたが、平安期から既に肉食妻帯が常態化していて、江戸期に綱紀粛清で処罰される者達がいたとしても、僧たちからすれば、あまり変わったという感覚はなかったのだと思います。
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