琉球お爺いの綺談

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琉球お爺ぃ小話

if歴史夜話 道鏡事件は無かった

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 時折、女性皇族による宮家創設や女性天皇という話が、ニュースに登ることがあるが、今の日本では不可能であろうとお爺ぃは考えています。
 明治大帝からの百数十年程度の歴史によって、神功帝を天皇から外し、女性皇族の配偶者問題を解決できず、女性皇族は臣籍降嫁という形しか用意できなかった経緯があります。

 これは、日本の歴史における、道鏡事件の扱いが、すべてを物語っています。

 道鏡が悪であるかどうかではなく、道鏡が配偶者となった時の外戚の専横が、問題になったことにあります。これは、道鏡が、人間であり、臣籍であったことが、最大の禁忌に触れたことになります。

 男系男系と騒ぐ方々にとっては、道鏡を悪として、断罪することが主となり、結果として藤原氏が専横することを容認したことになります。

 女系が問題となるのは、血統ということではなく、皇族以外が配偶者となり、皇族になってしまうことにあります。そいて、臣籍にある男性が、皇族の配偶者となっても皇族にできなかったことが、道鏡事件を引き起こした要員となります。

 光明皇后は、藤原氏が娘を皇后にした最初の例であり、皇族以外が陛下の嫁となった先例となりました。結果として、藤原氏の勢力が拡大していったのですが、光明皇后には基王という男子が生まれ、皇太子として立太子されたが、夭折してしまったことに端を発することになります。

 孝謙天皇は、光明皇后の娘として生まれ、日本の歴史上で、唯一の女性皇太子となった。結果として、女性皇太子殿下に配偶者を選定できなかったことが、日本の歴史を歪めていったと、お爺ぃは考えている。皇族の長老とも言うべき、淡海三船が居た頃は、抑えられていたが、淡海三船が臣籍となって、都を去ると、藤原氏は完全に宮中を支配する流れとなった。
 女性皇太子殿下から天皇陛下となり、藤原氏の権勢が強まり、皇太子に淳仁帝が就くと、権勢は拡大していく。孝謙上皇陛下となられると、淳仁帝を背景とする藤原氏の専横はさらに拡大していくことになった。
 道鏡が、重用された背景には、藤原氏の専横があり、藤原への反発が上皇陛下にあったことから、道鏡は弓削氏の力を用いることで、宮中での勢力を確保する必要性に迫られる結果となった。藤原仲麻呂が、乱を起こしたというよりは、道鏡排除に動いたハズが、失敗して反藤原勢力の連携によって、藤原仲麻呂恵美押勝は敗れ去って、淳仁帝が配流となり、上皇が重祚することとなった。

 弓削氏が、宮中に勢力を拡大し、反藤原でまとまっていた、宮中が道鏡への反発を産む結果となります。道鏡の表向きの立場として、配偶者の立場を確保できないことが、そのまま称徳帝の行動を暴走させて、立場を悪くする方向へと動きます。道鏡をなんとか天皇と同等の立場としたい、称徳帝の暴走は、宇佐八幡の神託に始まった動きとなり、和気清麻呂が粉砕することで、清麻呂を英雄視する話ともなりますが、結果としては、女性天皇に配偶者を迎えることが、日本では不可能になるという、最悪の結果を生じさせてしまいます。

 道鏡事件の本質は、日ノ本では、純粋に女帝が生まれた場合、配偶者を迎える機能が、存在しないことにあった。神功帝の御代であれば、皇族が皇族以外を配偶者とすることも無く、生まれる子が皇族以外とされることも無かった。
 しかしながら、光明皇后が生まれてしまったことで、皇族以外が配偶者となった。しかしながら光明皇后が、配偶者となるように、女帝の配偶者への選定と対応が、日本ではができなくなったのです。

 歴史ifとは、この配偶者問題が、日本の皇族に対して、闇を広げてしまった結果と、お爺ぃは考えています。歴史ifとしては、こういった配偶者問題を、アヤカシひとあらざるモノに解決してもらうという、そんなコンセプトを考えています。

 女性皇族には、伊勢斎宮と賀茂斎院に後に難波斎宮院の三家を、巫女宮家として用意します。女性皇族の配偶者が問題になるのは、皇位継承権を有する場合となるので、巫女宮家に入った女性皇族の皇位継承権をはく奪します。つまり女性宮家の配偶者は、アヤカシひとあらざるモノであり、司家として斎宮院家を支える立場となります。つまりは、女性皇族の配偶者として、人間だけど、アヤカシひとあらざるモノを用意するのです。
 難波斎宮院家は、歴史ifとして、鎌倉幕府滅亡後の南北朝動乱によって、尊良親女王女性将軍が、北面の武士であった、渡辺家を司家に引き込んで、足利尊氏に対抗するために、斎宮院家を興すことによって始まります。
 上町台地に難波斎宮院として、難波生國魂神社別院として建立され、難波宮の北には、司家となる渡辺荘浪花館が築かれます。

 征東大将軍となった、尊良親女王女性将軍は、淀川以南、平野川の西、大和川の北を、斎宮院領として、自治領としての性質が強くなっていく。これは、鎌倉幕府崩壊から、戦国乱世に絶頂期を迎えて、戦乱の収束と共に、浪花館の炎上で、戦国は終焉を迎える。

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