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環境破壊せし未来
名前の消えた女03 身体の成長と性徴
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<PDI:Physical Diving Interface>
約1000万個の疑似脳細胞で構築された核を脊髄に埋め込み、既存のコンピュータネットワークと接続する、仮想空間内の自分自身となる。時間がたてば、リアルの身体は成長し、身体機能が変化していく。生後108ヶ月を超える頃から、徐々に自分が女であることが、認識されていく。弟が72ヶ月を迎えて、検体になる頃には、世の中で検体でない人間の方が、少なくなっていった。
胸が大きく、乳房が発達して、服を押し上げていくと、男達の視線が変わる、そんなことを意識し始めた頃に、初潮を迎えて、女であることを自覚した。毎日の接続で、私の身体データはサーバーに収集されて、記録されている。
西暦21XX年の頃、昔はあったと歴史で習う、中学校高校の垣根は無くなり、6・6教育と呼ばれるようになったが、現実の22世紀は、生活に困窮し、小学校すら卒業することが難しい時代であった。小等学校と高等学校だけだが、毎年3月には、高校を継続できず、就職する子が増えていくので、クラスの人数は減っていく、小学校から高校に入って、施設のクラスメートは、半分になった。
実際問題として、検体には、自由が無く自分の記憶を含めて、すべて公開情報として収集される。検体には、定期的にテストを受ける必要があり、テストにクリアできなければ、検体契約は解除される。検体の収入は、テストの結果次第であり、生活できるだけの収入にするには、テスト評価が高くなければならなかった。
定期的に開催されるテストは、学校の内容だけでなく、課外活動や自身の記憶を復習して、ifを提起するといった内容まで含まれていた。また、毎日のように送られてくるメールに、返信を返すことも義務付けられていた。
二次性徴を自覚してからは、もう一人の自分が、ネットワークシステム内に用意されて、相互で毎日異なる記憶が与えられ、互いの記憶を共有して、活動するようになった。
高校は六学年あるけれど、すべての子が六年間過ごすわけではなく、毎年三月に卒業式が行われていた。M1年卒業、M2年卒業、M3年卒業、H4年卒業、H5年卒業、H6年卒業。MはMiddle、HはHighの略で名残りらしい。
メールの中には、恋文のようなメールもあり、断りを送っていた。ただ、もう一人の自分が承諾することもあって、齟齬が生まれることがあった。齟齬が酷くなると、検体としての仕事ができなくなるから、自分の間で、話し合いというか、喧嘩をすることもあった。
私は、子供の時、私の手術が成功したことで、本物の食材を使った食事を奢ってくれた人、主任と呼ばれていた、その人とのメールが楽しみだった。もう一人の自分も、楽しみだったみたいで、他の恋文は断ろうと、二人で話し合っていた。
幾度か、麻将大会で優勝した時や演武会に出ると、主任と呼ばれる人からメールが送られてきて、時には会場で待ち合わせして、食事に誘われることもあった。合成食も多かったけれど、果物とかがついて、非常に美味しかった。主任さんは、検体としての仕事を継続してほしい、結婚を前提に付き合って欲しいと言われて、餌付けされたような思いはあったけれど、私は承知して、主任と肉体関係を結んだ。
これは多くの検体にも同じように、検体の仕事として、性行為を求められるようになった。止めていって、卒業していった検体も多かったけど、私は主任が気に入っていて、主任との行為は、本当に楽しいものだった。
仕事として、検体に性行為が加わったことで、もう一人の私との関係が、親密になっていった。何故なら、どちらも性行為の相手は、主任だけど、記憶の共有が強制的に実施されるので、自分の時にどんな感じだったかを、話し合うことが多くなった。主任の相手に選ばれていたのは、私だけでなく、かなりの数が、主任の相手として、検体に選ばれていた。
結婚できる年齢となると、主任は、数多くの検体から、私を選んで、婚姻届けを持ってきてくれた。私は、承知したので、検体として、主任と結婚した。
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この時に、断れば良かったと、後悔することになった。
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約1000万個の疑似脳細胞で構築された核を脊髄に埋め込み、既存のコンピュータネットワークと接続する、仮想空間内の自分自身となる。時間がたてば、リアルの身体は成長し、身体機能が変化していく。生後108ヶ月を超える頃から、徐々に自分が女であることが、認識されていく。弟が72ヶ月を迎えて、検体になる頃には、世の中で検体でない人間の方が、少なくなっていった。
胸が大きく、乳房が発達して、服を押し上げていくと、男達の視線が変わる、そんなことを意識し始めた頃に、初潮を迎えて、女であることを自覚した。毎日の接続で、私の身体データはサーバーに収集されて、記録されている。
西暦21XX年の頃、昔はあったと歴史で習う、中学校高校の垣根は無くなり、6・6教育と呼ばれるようになったが、現実の22世紀は、生活に困窮し、小学校すら卒業することが難しい時代であった。小等学校と高等学校だけだが、毎年3月には、高校を継続できず、就職する子が増えていくので、クラスの人数は減っていく、小学校から高校に入って、施設のクラスメートは、半分になった。
実際問題として、検体には、自由が無く自分の記憶を含めて、すべて公開情報として収集される。検体には、定期的にテストを受ける必要があり、テストにクリアできなければ、検体契約は解除される。検体の収入は、テストの結果次第であり、生活できるだけの収入にするには、テスト評価が高くなければならなかった。
定期的に開催されるテストは、学校の内容だけでなく、課外活動や自身の記憶を復習して、ifを提起するといった内容まで含まれていた。また、毎日のように送られてくるメールに、返信を返すことも義務付けられていた。
二次性徴を自覚してからは、もう一人の自分が、ネットワークシステム内に用意されて、相互で毎日異なる記憶が与えられ、互いの記憶を共有して、活動するようになった。
高校は六学年あるけれど、すべての子が六年間過ごすわけではなく、毎年三月に卒業式が行われていた。M1年卒業、M2年卒業、M3年卒業、H4年卒業、H5年卒業、H6年卒業。MはMiddle、HはHighの略で名残りらしい。
メールの中には、恋文のようなメールもあり、断りを送っていた。ただ、もう一人の自分が承諾することもあって、齟齬が生まれることがあった。齟齬が酷くなると、検体としての仕事ができなくなるから、自分の間で、話し合いというか、喧嘩をすることもあった。
私は、子供の時、私の手術が成功したことで、本物の食材を使った食事を奢ってくれた人、主任と呼ばれていた、その人とのメールが楽しみだった。もう一人の自分も、楽しみだったみたいで、他の恋文は断ろうと、二人で話し合っていた。
幾度か、麻将大会で優勝した時や演武会に出ると、主任と呼ばれる人からメールが送られてきて、時には会場で待ち合わせして、食事に誘われることもあった。合成食も多かったけれど、果物とかがついて、非常に美味しかった。主任さんは、検体としての仕事を継続してほしい、結婚を前提に付き合って欲しいと言われて、餌付けされたような思いはあったけれど、私は承知して、主任と肉体関係を結んだ。
これは多くの検体にも同じように、検体の仕事として、性行為を求められるようになった。止めていって、卒業していった検体も多かったけど、私は主任が気に入っていて、主任との行為は、本当に楽しいものだった。
仕事として、検体に性行為が加わったことで、もう一人の私との関係が、親密になっていった。何故なら、どちらも性行為の相手は、主任だけど、記憶の共有が強制的に実施されるので、自分の時にどんな感じだったかを、話し合うことが多くなった。主任の相手に選ばれていたのは、私だけでなく、かなりの数が、主任の相手として、検体に選ばれていた。
結婚できる年齢となると、主任は、数多くの検体から、私を選んで、婚姻届けを持ってきてくれた。私は、承知したので、検体として、主任と結婚した。
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