琉球お爺いの綺談

Ittoh

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日本の賃金が上がらない理由?

日本で賃金が上がらないのは、無理をして収入を上げるのでなく、楽をして収入を維持する方が、労力が少ないからである

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 お爺ぃは、日本の給料が上がらないのは、格差を広げない努力を、すべての産業で進めているからだと考えている。しかしながら、格差を広げない努力は、良い事として進められているのではなく、成功する人の足を引っ張り潰すことで、格差の拡大を阻止しているという、極めて後ろ向きな行動結果である。

 ある三人で受賞したノーベル賞学者の一人は、自分の功績を欧米流に評価すれば、莫大な金が得られるハズと、かつて自分が所属していた会社を訴えたことがあったが、日本の裁判所は、数百億の請求を数億円程度に下げた。これは、功績を評価しなかったのではなく、個人の功績だけでなく、発明された商品を売るために努力した、営業や製造といった様々な人の努力があったとしたためである。成功は、本人の功績であっても、商品が実際に製造され販売されるには、非常に多くの人が関わっている。日本では、関わったすべての人が、商品に対する功績と捉えている。

 現場で仕事したいから出世せずに、研究をしていた日本人が、研究成果が認められてノーベル賞を取った例があるが、これは逆に日本の現場が持つ強みと欠点を表している。日本で成果を出せるのは、基本的には研究や開発といった現場であるが、かれらが自分の年収を上げようとすると、現場を離れて管理職になる必要があったりする。修士やら博士やらで重要なのは、研究能力じゃなくて、管理職としての能力だったりする。研究が認められて、その会社にとって必要であれば、研究能力はフェローへの道を開くこともあるが、ほとんどの修士や博士は、本人の研究ではなく管理者候補として採用されている。つまり、研究したい修士や博士は、自分の研究が売り込め無ければ、管理職として企業に採用される道へと進むしかなくなる。

 管理職になりたがらない、人間が増加しているのも、日本の「あるある」であり、理由は収入の上昇と、業務の増加量が釣り合わないのである。

 自分が成功すると考えるより、自分が失敗したくないと考えた結果として、後ろ向きな組織活動へと動くのも、日本の「あるある」である。

 能力の高い人間が、世の中に溢れているわけではなく、自分の能力を過小評価し、年収を妥協することが多いのも、日本の労働者「あるある」である。

 自分の能力を過大評価している場合は、傲慢さが表に現れ、成功すると嫉まれ、失敗すると一斉に叩きだす。失敗したら叩くけど、再チャレンジとかは、認める場合も多く、何度でも蘇ることが、日本の「あるある」だったりする。だけど、成功すると嫉まれ、叩かれるのは、変わらなかったりする。

 人に嫉まれないためには、収入が高く無くても良くて、生活ができれば良い。自分は、趣味に生きるから、生活できる程度に稼げれば良い。明後日、収入が無くなるのは怖いから、明日の収入が上がらないのは、仕方ないことであると諦めてしまう。このような発想が主流になると、雇用側にしても、給料は増額しなくていいけど、無理はさせられないし、仕事の効率が低くても文句が言えない管理職が増加した。

 「働きたくないでござる」という社員が拡大する現状として、DX系へのIT化を導入できる企業が、どれほどの数になるのだろうか。日本の企業では、投資しないのではく、投資できないのである。



 
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