琉球お爺いの綺談

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戦国椿説景08 椿説の海外事情 太平洋編2 イロコイ連邦

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 伊豆諸島を支配して、平家からの追手を叩き潰しつつ、相国から「外ツ國勝手次第」の免状を受領した。為朝の白縫姫の子為頼は、伊豆八幡衆として頼朝の傘下となり、伊豆水軍と共に平家打倒に参戦した。伊豆下田を含めて、伊豆諸島から嵯峨諸島を含め、南方の島嶼地域に対して支配権を、頼朝から安堵された。伊豆下田を含め伊豆諸島から嵯峨諸島は、伊豆八幡衆小笠原家の本貫となり、為頼の血族が、伊豆八幡衆として継承することとなった。

 南洋の島嶼地域は、嵯峨諸島の女護島と同じく、賀茂斎院への寄進領として、南方嵯峨の島嶼には、賀茂斎院別院が建てられ神域とされた。神域の範囲は、太平洋の海域とされ、嵯峨諸島、南方嵯峨、チャタムには、斎院の別院が置かれて、神事が執り行われることとなった。

 ミヅチ衆に曳航される帆無八丈24m級は、千島列島を経由する北廻りでは、竜胆から和賀江まで三ヶ月程かかった。和賀江から伊豆下田・南洋島嶼・ハワイキ経由する南廻りで、竜胆までの行程は五ヶ月程であった。和賀江から伊豆下田経由して黒潮に乗って東進、ハワイキを経由して竜胆でも四ヶ月ほどかかったのである。

 竜胆には、建長4年1252年に竜胆宮建立のために、宗尊親王に波濤の君、一品の鎮西大将軍に就かれ、竜胆に渡られた。竜胆宮には、惟康親王、久明親王、守邦親王が就かれ、竜胆宮から瑞子内親王が上皇の猶子として山科院の院号を受けられた。竜胆宮から女王が院号を受けるのは、上皇の後宮に入ったことでもあった。

 13世紀の竜胆では、砂鉄から鉄製品を造り、南方の諸国家との交易を行うことで、莫大な収益を上げることができた。鉄製品を輸出して、砂金や金細工などの宝飾品を集め、一割ほどが京洛へ贈られたのである。皐太を家祖とする竜胆八幡家は、竜胆宮家を西海竜王宮に迎え、鎮西大将軍として、独立した行政府を開いたのである。竜胆家による支配は、バンクーバー島を中心として、ヴィンランドの西海岸に拡大し、南北に支配権を広げたのである。

 ヴィンランドの東海岸には、11世紀にヴァイキングの移民が到達し、南へと移動してロングノーズ島(史実ニューヨーク州)に拠点を開いた。ヴァイキングと竜胆衆は、ヴィンランドでポテチカと呼ばれた交易商として扱われ、鉄器を生産し、金銀と交換する部族として知られるようになった。

 ヴァイキングは、14世紀からは、南方のカリブ族と友誼と契りを交わして、カリブ海沿岸を勢力圏とした。カリブ海は、ハリケーンの発生する地域であり、渡洋航行が難しく、ヴァイキングのロングシップは、ミシシッピ河口を起点として、沿岸航行を中心として、交易範囲を広げていったのである。

 14世紀後半から15世紀に幾度か実施された、明の大船による鄭和の大航海によって、渡洋航行船の大船は、宋船を発展大型化した明の大船であり、本格的な構造船でもあった。鄭和が、船団を率いて、遠くインド洋を征したように、帆や碇に櫓といった構造を確立させていた。日ノ本では、15世紀に入ると、宋船や明船の構造を組み入れ、竹筋白漆喰を使った、ある程度自由の利く構造船を作り上げていた。ただ日ノ本の大船では、ミヅチ衆が曳航しやすい構造とするため、双胴船なども造られたのである。

 15世紀に入ると、竜胆衆とヴァイキングは人口の増大を受けて、海岸部から徐々に内陸へと、勢力圏を拡大させていった。また、ネイションズの部族衆を取り纏めるような酋長が出て、幾つかの部族に統合の動きが出始めた。ネイションズの六部族が幾度かの抗争を経て一堂に会する頃、竜胆衆がスペリオル湖のタールースに現れ、モホーク族のハイアワサと出会い、ヴァイキングはエリクソン川を遡上して、オンタリオ湖畔でワイアンドット族のデガナウィダと出会ったのである。ハイアワサとデガナウィダがネイションズの取り纏めを行う中で、ヴァイキングと竜胆衆が加わって、ミシガン湖畔のミルウォーキーで「Great Law of Peace」の誓約を結んだ。誓約は、Wampumの織物に記され、Great Peace Makerにデガナウィダが選ばれた。イロコイ部族連合と称されて、史実からすると竜胆衆とヴァイキングは、取り纏めた後で加わったとされる。

 各部族は、ミルウォーキーに友なる家Longhouseを建てて、町を築いたのである。友なる家Longhouseは、各部族ごとに特徴的に建てられていた。竜胆衆の友なる家Longhouseは、時を刻むカラクリを組み込んだ三丈9mの塔を竹筋白漆喰で築き、繋がるように友なる家Longhouseが建てられていた。

 15世紀後半になると、イロコイ連邦内では争いが無くなり、定住生活と農耕が開始され、人口が増加して、ミシシッピ川の川沿いに、南へと勢力圏を広げたのである。ヴァイキングは、交易の物資を集積する場所として、既にミシシッピ川の河口に町を開いていた。

 ミシシッピ川は、アメリカを流れる「大いなる川」であり、多くの恵みを齎す川であった。多くの部族が住み、土を盛り上げて、人工的な丘陵を築き、丘陵の上に住んだのである。ミシシッピ川は、水量も多く広大な平原を流れるため、一度氾濫すると、非常に広域に渡って被害をもたらす川でもあった。広大な流域は、治水が難しく、生活圏そのものを高台とすることで、高地性集落を築いていた。ミシシッピ川のネイションズは、高地性集落を築き、トウモロコシやカボチャにメロンなどを農耕栽培として、バッファローを狩って暮らす、半定住生活者となっていた。イロコイ連邦とは、交易の中継として、農作物やバッファローの皮や角が取引されて、鋼の斧やナイフなどが、数多く南方に出回ったのである。

 鉄器が現れると、木材加工や装飾が細かく精細になり、非常に多くの工芸品が生まれるようになった。鉄の浸透によって、一度始まると戦は凄惨なモノとなり、部族間抗争が激化するようになったのもこの時期であった。

 イロコイ連邦は、鉄器の浸透が早く、生活圏を拡大させて、五大湖周辺の諸部族との抗争を繰り返す中で、勝利を重ねて大きく勢力圏を拡大させていった。イロコイ連邦中の部族では、争いが無くなり、敵との戦いでは協力するようになっていったため、ミシシッピ川沿いの抗争は、虐殺に近い形でイロコイ連邦の勝利に終わることも多かった。

 ミシシッピ川の沿岸は、イロコイ連邦の勢力圏となっていて、他の部族は入ってくることはなくなっていた。これは、ミシシッピ川沿岸だけでなく、ヴィンランドの西海岸は、竜胆衆が大きく勢力圏を広げ、あやかしひとならざるもの達が棲家としている場所も多かったのである。

 明応元年1492年以降、ヴィンランドではヴァイキングとイスパニアとの抗争が始まり、巻き込まれるようにしてイロコイ連邦が、イスパニアやポルトガルと交戦を始める頃には、西海岸でも竜胆衆と、北上するイスパニアやポルトガル船との戦が始まったのである。
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