琉球お爺いの綺談

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日ノ本史伝

史伝17 侍は日ノ本最強の|強兵《つわもの》なり

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 平城末期から土地が私有可能となる時代になり、国衙領が荒地となっていくなかで、土地の所有権をめぐる争いは徐々に激化の一途を辿っていく。土地争いは、国司の判断事項であるが、中央政権内部での権力闘争が優先されると、地方国司は遥任となり、赴任する国司が居なくなり、統治資料は活用されずに書庫に眠るようになった。

 結果として始まるのが、互いに武装しての抗争である。

 坂上田村麻呂に代表される、貴族の武家が中央から派遣され、「蝦夷エミシ征伐」など「まつろわぬ民」を征伐していた時代は、地域での紛争も中央からの国軍派遣によって成敗されていた。

 しかしながら、貴族の武家が弱くなり、藤原による権力確率が進み、藤原一族内部で権力闘争に終始するようになると、中央軍の弱体化が進んでいく。藤原家の中で武を誇る藤原隆家が、「刀伊の入寇」を征伐したが、中央政権での評価は微妙であり、渡来した疫病の蔓延もあって、藤原隆家は大宰府の権帥で生涯を終えている。

 1000年以降は、国軍が凋落し、地方の武士が勢力を広げる結果となる。

 地方武士の強さは、弓兵の強さであった。

 弓とは、距離が離れたところから、敵を倒す技術である。

 城や砦から、盾に隠れて弓を射れば、矢の数だけ相手を倒すことができる。一騎当千という言葉は、防御陣地を護る弓兵に使う言葉であり、弓兵は兵種として強かった。弓兵を育てるには時間がかかり、一騎当千と呼ばれるような弓兵を育てることは、非常に難しかったのである。さらに言えば、弓兵は防御力が低く、近接戦闘に弱いため、至近距離では弱かった。近距離戦闘を行うため、刀剣の技術が必要となり、遠距離戦を弓で、近距離戦を刀剣で戦う戦士が必要となった。

 代々強弓を引いて、一騎当千の働きをしていた武士は、角力や刀剣を用いた近接格闘にも秀でて、長期間に渡って鍛え上げられた強兵つわものとなっていった。武士は、騎乗することで、機動力を有するようになった武士は、騎乗したまま敵を射倒すことができる、最強の兵種となっていったのである。

 日本最強のリアルチートと呼ばれる、源為義が八男源為朝は、2mを超える圧倒的な体格と、長さが違う左右の腕が弓に適するように鍛え上げられた結果、最強の強兵つわものとして知られるようになる。しかしながら、為朝は2mを超える体格のために、騎乗できる馬が無く、弓騎兵としては最強と呼ばれていない。

 お爺ぃは、海上を行くミズチに騎乗させることで、源為朝を日本最強のリアルチートとして、椿説弓張月を超えて、太平洋を渡って、海外に乗り出させたのである。
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