琉球お爺いの綺談

Ittoh

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時の奔流

歴史を遡行するのは難しい09 日本は、世界で最も厳しい、「契約社会」である1

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 縄文の日本が、一万年紡いだ結果ルールは、「契りちぎり」の絶対性である。
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 「契りちぎり」を交わせば、何が有ろうと、護らなければならない。「契りちぎり」を護ることが善であり、「契りちぎり」を破ることは悪であり、その罪は永劫に消えない罪となる。

 「契りちぎり」の絶対性は、日本古来からの基本である、「血の契り」、「戦の契り」、「交の契り」が、縄文期に確立された「契りちぎり」であろう。神前にて、相撲の仕合をして、勝敗によって一族の行く末まで決まるのが、日本の社会なのであろう。交わしてしまった「契りちぎり」を絶対視することが、日本人の根幹であり、矛盾や誤りがあろうと、「契りちぎり」そのものを変更できない。

 日本で、憲法改正論議が進まないのは、憲法そのものが日本人にとって「契りちぎり」とし扱われ、絶対視することにあるとお爺ぃは考えている。

 日本の法律や規則は、びっくりするくらい古い法律や規則を遵守し、変更することを基本的に嫌う。これは、古い法律であればあるほどに、護ってきた歴史そのものが、法規則の守護者であることの象徴である。

 時折、動画では、簡単にゼロベースの改革という言葉が生まれ、一から造ろうという考え方があるが、日本では上手くいかないとお爺ぃは考える。というか、上手くいってはいけない、上手くいかせていけないとも、お爺ぃは考えてしまう。

 日本で、年功序列の否定と能力主義という考え方が生まれ、危険だと思ったが、竹Φ平蔵は平和の日本を築いてしまった。年功序列が生まれた背景は、年齢に伴って生活にかかる費用が拡大することにあった。20歳くらいで結婚、子供が生まれ育ち、50歳くらいで子供が独立する。日本の定年が55歳から60歳くらいな理由は、人の生活リズムを基盤として、世代計算をした結果でもある。

 年功序列が能力主義に変化したからと言って、会社の人件費にかけられる費用が変化するわけではない。能力主義による格差が広がれば、年功序列部分は圧縮される流れが、現在の日本における収入格差である。

 例として、〇色発光ダイオードは、素晴らしい発明であるが、青色発光ダイオードが売れて、LEDによる社会を築いたのは、必死で青色発光ダイオードの販路を確保した、日〇化学さんの努力だったりする。最初に、バカ高い青色発光ダイオードを商用で使ったのは、信号機で在り、採用された理由は、日〇化学が徳島の会社だったからである。

 個人の能力と言うのは、確かに素晴らしいモノであり、称賛されることそのものは間違っていない。ノ〇ベル賞をとったのも事実である。しかしながら、製品を製品として売り、世界に普及させることができるようになったのは、非常に多くの人との関わりによって生まれたのである。

 アメリカを含めて西欧諸国家は、そういった運を含めて、特定の個人のみを評価する傾向が強く、周囲で支えた人の評価はしない。日本という国家は、周囲で支えた人を含めて、本当の意味でのステークホルダーstakeholder:利害関係者全体への評価を基本としている。〇色発光ダイオードの裁判結果で感じたのは、周囲で支えた人、販路を探した営業、製造コストを下げる努力をした開発と製造現場、かれらの評価を含めた裁判結果であったと思う。

 一人で勝利者になれない。孤独な勝利者は、日ノ本では、困ったことに喜ばれないし評価もされない。孤独であっても、皆が称える勝利者は、孤独な勝利者でなく、孤独であることを、周囲の人達が認めて貰えた勝利者である。

 周囲の人達が支えて、全体で成功することで、初めて本当の意味での勝利者となれる。

 日本における、ステークホルダーstakeholder:利害関係者の意味は、非常に重いモノだと考えている。普通の人が気づかない、そんな勝利者たちを支える、知られざるステークホルダーstakeholder:利害関係者は、日本にはとても多かったりするのだ。

 中島みゆきさんの「Earthly Stars - Unsung Heroes」が流れていたTV番組は、プロジェクトとしては×バツな番組であったが、一つのモノに様々な人が関わり、その成果としてモノが出来上がることが、ドラマとして描かれていた。作品自体は、ドラマが無ければならないので、プロジェクトとしては×バツな作品だったが、関わる人達の想いの熱さは、とても楽しい作品であった。
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