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時の奔流
歴史を遡行するのは難しい05 日本では、封建制度が成立しませんでした
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日本の場合、歴史を遡行すると、時代区分ができなくなる。
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中世って何ですか?
私有財産権である、墾田開発権を手に入れたのは、地方に権益を持つ、地方の有力者でした。地方の有力者が、武装したのは、田圃を手に入れる方法として、自分で墾田して田圃を拓いて稲作するより、他人が墾田した田圃を手に入れて、稲作した方が速いからである。
開発した墾田を巡って、土地争いが発生しても、私有財産なので、国司には護る権限も無ければ、護る理由もありません。私有財産なのですから、自分で守らなければなりません、自分が開拓した墾田を護るために、武装したのが、武士の始まりとなります。
最初の敵は、国司が率いる、専業兵士、健児兵でした。つまり、国司は、地方有力者に墾田開発権を与えて、開発した墾田から許認可を与えた者として、権益を得ることができたのです。
政治が機能している場合、地方に国司として赴任、地方で権益を確保して、徴収した税を中央に運ぶことで、功績として確立することができます。中央での権力抗争が激化すると、地方に赴任することで、中央での権力を失うことになります。地方へは目代と呼ばれる代理を派遣して、自分自身は中央に残るのを、遥任国司と呼びます。
日本は、中央集権国家であり、権力が中央に集中しているため、地方官僚は権力がありません。特に国軍の解体以降は、国府警護の専業兵士、健児兵しかいません。少数精鋭となったことで、警護防衛すら手が足りず、攻撃のために派遣するような戦力はありません。
私有財産を護るために、武士が生まれて、私有財産を巡る争いが、地方では頻発するようになります。墾田開発には、水利権も含まれており、国境を超えることも多く、他国が絡めば、国司には裁く権利がありません。また、私有財産を巡る争いについて、「公地公民」の領有権しか持たない国司には、裁定する法的根拠も無いのです。
裁定に法的根拠が無ければ、国司の好き勝手に裁定できることになり、地方行政は混乱することになります。特に、遥任国司が多くなると、国司の代理である目代が裁定しても、都の国司に裁定を訴えることができ、目代の裁定を潰すことができました。
結果として、中央に権力を行使できる、殿上人のような高位の貴族や、寺社に寄進することで、私有財産保護を求める、寄進荘園が生まれるようになります。寄進によって得られる「不輸不入」は、私有財産を保護するためには必要で、荘園領主は、私有財産に対する防衛権を行使することができるようになります。
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縄文期からの流れである、相互扶助の体制に対して、中世には、私有財産に関する権利が生まれた。
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