琉球お爺いの綺談

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時の奔流

 最終戦争に向けた流れ 国益をどのように考えるかは、国民一人一人の課題4

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 国益とは、国民の権利財産を護る、ということだけではない。
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 チャーター機で、帰ってきた人達は、拘束され検査を受けることが、強制されることとなる。14日間の経過観察は、軟禁生活の強制であり、治療法の確立していない状況では、かつてのサナトリウムと同じようなモノであろう。短期間ではあるが、令和版の「風立ちぬ」ということになる。

 つまり、コロナウィルスに感染している可能性があるとなれば、強制的に拘束され軟禁生活を送るということになる。感染症というモノは、本人に罪があるわけではないが、本人に対して人権の制限がかかることである。日本であれば、一定の拘束を受け、軟禁を強制されるだけであるが、国によっては感染している段階で、焼却処分される可能性も存在する。つまりは国益を保護するために、「正義の殺人」が存在する、ということになる。

 クルーザーへの対応が問題視されるが、疫病船の乗員を上陸させたとしても、結果的に強制的に拘束し隔離する必要があります。現実的な判断として、船に閉じ込めた方が、隔離しやすいという結論になります。極端な考え方で言えば、船の乗員すべてが感染し死亡した場合は、船一隻を焼却処分することで、感染の拡大を防げることになる。上陸して隔離することが、可能となる人数まで減少した場合も、日本国内への上陸を許可し、隔離することが可能となる。

 約3700人の乗客に対して、隔離施設を陸上で確保するよりは、船上で確保する方が隔離しやすいことであり、疫病船としての対応は、それほど間違ったモノでもない。





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 人間の権利は、常に保証されるわけではなく、震災といった非常事態では、権利が制限されることも、国益を護る行為である。
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 以前にも書いたが、マイケル・サンデル教授の「正義の殺人」という講義は、なかなかに面白かった。日本では、「殺人そのものには正義が存在しない」と判断し、罪に問われるかどうかを判断するということが、基本となっている。つまり、欧米で言う「正義の殺人」は、日本には存在しない、殺人に正義は無く、罪に問われるかどうかが判断されるだけである。

 殺人は罪であるが、日本の場合、拘束し軟禁することは、必要悪ということであろう。インフルエンザであっても、家に軟禁状態となり、個人の権利や自由を制限することが法的に定められている。法定伝染病であれば、伝染病の種類によって、個人の権利や自由の制限があり、病気によっては長期間拘束されることとなる。

 ヒトの自由を奪い拘束することに対して、躊躇する国家では、コロナウィルスは拡大し、躊躇しない国家では、徹底した対応が可能である。日本は、対応する職員が、拘束された国民からの要望を受けて、ストレスを受けた結果自殺?するといった状況だったりします。日本は、チャーター機で帰国した全員に強制することもできず、一時帰宅する人間が存在するなど、非常に対応が難しい状況でありました。陽性反応が確定していた、クルーザーを疫病船として、上陸拒否するのは、日本の国家機関に対して強制執行を認めない政府からすれば、仕方の無い対応ということになります。

 強制執行が可能であれば、令和2年1月のWHOへの報告を受けて、日本への中国からの渡航を一切拒否し、邦人の引き上げと、全員への検査を強制し、一定期間隔離する。日本の場合は、強制執行で、感染拡大を防ぐのではなく、可能な限り感染拡大のスピードを制限するという対応になっています。これは、国民の保護義務に対して、感染拡大のリスクを許容して、権利制限の対象者を出来る限り減らすというモノです。

 まぁ、日本政府の対応は、100%正しくも間違っても居ない上、誰も納得する者が居ない結果ですが、誰もが少しづつリスクを許容することで、国民生活の日常を護るという対応です。つまりは、全国民にコロナウィルスに感染することを許容してもらって、国民生活の日常を護ると判断したことになります。

 日本の国家としての対応が、良かったかどうかは、様々なご意見もあるかと思いますし、もう少し強制執行しても良いのではないかと、お爺ぃは思います。現場の管理職は、国民に強制執行せず、「お願いベース」で、軟禁を承知してもらうという考え方で動いています。この「お願いベース」では、軟禁される側の人間を増長させる結果となり、対応した下っ端職員は、可哀そうな結果となってしまいました。

 お爺ぃの想像ですが、当初、上から目線で、対象者からの検査拒否とかを誘発して叩かれて、「お願いベース」の下手に出て、精神がボロボロになったというところだと思います。正直に言えば、国家として、対応の不手際があったのは、間違いなさそうですが、強制執行では反発が大き過ぎたのも間違いはないかと思います。

 まぁ、対処する経験が増えれば、徐々に対応マニュアルも出来上がって来るだろうと思います。





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 相変わらずですが、日本は、人柱の国です。
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