琉球お爺いの綺談

Ittoh

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お爺の一考

鬼から、ノを取って鬼とす

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 漢字が無いので、絵で描きましたが、「鬼からノを取って、鬼とす」は、津軽にある神社のお話からとなります。
 あやかしが追われ、逃げ散りて滅ぶ。そんな中で、生きようと願って、共棲のために戦い続けたことが、お話となっていました。
 昔話に出てくる「大工と鬼六」のように、鬼は、技術者という側面が強かったのだと思います。古来であれば、治水、鍛冶、建築といった様々な分野で活躍していたと思われます。役小角が鬼を使役してというのも、優秀な技術者であった鬼達を使役することで、名声を得たとも言えます。
  また、カワラモノ、サンカや修験者達もまた、技能集団であり、技術集団であったと思われます。彼等は、様々な地域で活動し、人々に一歩引かれた形ではあっても、必要とされた者達であったのです。



 宵闇日本の中では、あやかしは、穢れ多き者やサンカ、カワラモノといった流れに属しています。まつろわぬ者達が征伐され、淘汰される中で、生きるべき道を探す、スペシャリスト集団であったのだと思います。



 個人的には、鬼とは、人が変化したもののように思います。元々は人であり、鋼の溶ける熱に晒されながら、赤銅の肌と赤茶けた髪となった職人というスペシャリストが、鬼と見えたのではないでしょうか、火気を纏いし赤鬼、水気を纏いし青鬼、そんな鬼達への印象が強いのです。
 昔話、「泣いた赤鬼」に出てくる、青鬼と赤鬼のように、様々な立場で、鬼が人と関わって行こうとしていた流れもあります。そんな話と、津軽にある神社の話が繋がって、「鬼からノを取って鬼とす」という流れが生まれました。



 大江山伝承を調べていた時に出会ったのは、福知山にある「鬼の交流博物館」だったりします。そこから、大丹波王国の資料にあたって、大和政権が拡大していくにあたって、利用された者達の姿、出雲や備の国という勢力を倒すために、葛城や大丹波といった様々なあやかし達が使われていって、政権基盤が磐石になるにつれて、まつろわぬ者達として、征伐の対象となった哀しき者達となります。



 こういった展開を悲劇だけで描くのではなく、共棲を模索するということで、宵闇日本の大江山伝承を描き始めてみました。調べていくと、様々な伝承を呼ぶ地域は、様々に連携しながら、活動して言った様子が浮かんできます。



 まだまだ、自分の筆力が足りないので、上手く描けていませんが、出来る限り多くの人に伝わるような作品にしていきたいと思っております。
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