琉球お爺いの綺談

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昭和史の闇

昭和史の闇 相互扶助の形態は、コルフォーズと大きくは変わらない

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 農業協同組合は、かつて江戸時代に村社会を構成する、方法から生まれたシステムである。ソビエトで言えば、コルフォーズと呼ばれる組織に類似していた。
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 資金を確保するため、協同組合は、独自に金融事業を開始し、最終的には保険事業まで担当したのである。農機具の共同購入や、借款をも実施し、組織運営の基盤を構成していた。組織運営としては、会社運営に近く、組合員が上司を選び、上司から社長が選出される形で、組織運営が遂行されていた。

 儲かれば、社員の給料が向上し、損すれば減額になる。会社の利益が、そのまま社員の給料に直結する形が、協同組合の基本的な形態となる。

 共産主義や共産党が、問題となるのは、現在の農協が在り方に疑問があることはご存じだろうか。官僚的に硬直した組織体制と、協同組合の収益分配が持っている不公平性と偏りについては、現実としての不公平性が発生している。

 弱者への対応と、相互扶助の在り様は、安定した治安維持を推進するうえで必要である。搾取される農奴のような立場では、とてもではないが、治安維持機能を求めることもできないのである。

 「特区」に適応したのは、権威と権力の切り離しであり、権威を「飾り」として、宮城に囲い込み、権力を握り、君奸の側として君臨することにある。徴税人は、君奸の側に他ならず、官僚とは、恨まれるために存在する公僕Pubric Servantである。僕とは、奴隷Servantである。公僕は、公の奴隷であるはずだが、現実の官僚とは、なかなかそういう考え方ができないものである。

 結果として、日ノ本で、本来は弱者救済のシステムであった、農協と言うシステムが、徐々に変質していったのは、君奸の側が、普通に奸臣として成長した結果となっている。農家の年収は、大半が400万に届かない状況であっても、職員の給与は500万前後を平均となっているのは、農業そのものビジネス性が失われていった結果ではある。

 戦後、農業を含め第一次産業は、ビジネスとして非常に厳しい状況であった。N〇Kの中で、戦後の農家は、農家でなくなるために変革の渦に巻き込まれていったという描き方をされていたが、ビジネスとして成立しなくなったという結果は、戦後の農業を見ていると間違ってはいない。

 昭和の農業は、明治維新以来、国の根幹事業であった。税収の大半が、農業であり、生糸生産であり、繊維産業であった。重化学工業は、軍事産業としての必要とされ、基幹産業ではない状態であった。明治以来の輸入超過であり、金流出の根幹は、軍事産業であり、重化学工業の分野であった。

 日本が、重化学工業分野で、日本のトップが、世界のトップと互角に渡り合っていても、基礎産業としては未成熟であり、産業基盤としては中小零細企業に近い構造でしかなかったのである。

 日本の農業は、惣村という共同体として、ムラと呼ばれる形で、緩やかな纏まりの中にあった。

 if昭和史の中では、「特区」の農業システムに、満洲鉄道都市警備局が導入した、協同組合方式が採用されていた。土木治水事業は、日本国からの支援事業として遂行され、耕作地そのものが大規模に拡大されていったので、運用するのは組合組織と言う形態をとったのである。小は家族で在り一族がグループを構成し、複数のグループでムラが構成される形態となっていた。

 農業そのものは、集約された手工業の形で在り、「特区」では機械化が進んでいるモノではない。農作活動を業務とするために、複数の家族や一族を会社組織の形態として、ある程度まとまった活動ができるようにしたのである。

 結果として、「特区」の農業生産は、飛躍的に増大することに成功した。食料生産力の増大は、飢えを防ぎ、生活の安定を図ることができる。

 「大陸」は、元来、人口に対して食料生産力が安定せず、餓えやすいのが、戦乱の原因でもあった。if昭和にあたっては、「大陸」の食料生産力向上が、一つの課題であり、土木治水事業を実施することで、食料生産力の向上を図るのも一つの形である。

 弱者への対応は、地道な努力の上に積み上げられるモノであり、統治体制の確立は、現地の人間だけでなく、欧米列強諸国家に利益を分配する形を構築する必要がある。国際連盟という形は、日本にとって、もっとも都合が良い組織で在り、国際連盟を活用することが、日本のifで重要な要素となる。
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