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怨霊の祓いと鎮め
気の行方 本来のエネルギーは性質を持たない
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純粋なエネルギーは、存在を人が認識できず、計測することもできない。
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エネルギーそのものというのは、計測することができないので、認識することもできない。熱やら光といった、計測可能なエネルギーとなることで、現世に対して影響し、エネルギーとしての力を持つことができるのである。どのように現世に影響するかによって、エネルギーの形状が変質していく。
狐火は青く、狸炎は赤い、これは熱量ではなく、熱の性質である色温度によるモノである。鬼火は熱量そのものであるため、赤黒いというよりも赤外光を多く含んでいることによる。
狐火:8000~10000[K]
狸炎:4000~6000[K]
鬼火:1000~2000[K]
これは、目安としての数値であり、人との混血が進んだ結果として、あやかしによっては、色温度の異なる性質を持つ場合が増加し、一概に分類できなくなりつつある。また、人が修行の結果として生み出した場合、色温度によって名称を付けていることから、色温度の名称として扱われている。
熱量としては、鬼火>狸炎>狐火の順番になる。
鬼火:30~40[MJ]
狸炎:10~20[MJ]
狐火:5~15[MJ]
これも目安としての数値であり、個人の能力が大きく左右する。1リットルの水を1度上昇させるのに必要な熱量は4.2[kJ]であり、4.2[MJ]で1000リットルの水を1度上昇させることができる。これは、エネルギー伝達効率が100%の場合であり、現実としては、効率はそこまで高くない。
水は形を持たず、流れとなって野山を巡って、川となりて、大海へと注がれる。形有るように見えて形なく、容れる器に合わせて変わり、形として為す。水気となれば、見ることもできず、虚空へと還る、“色即是空”の言ノ葉を示す。身体を構成する6割は、水で占めると言われる。これは、加齢によって変化し、赤子の頃は8割ほどで、老齢に至れば5割ほどとなるそうである。水は、循環する流れであり、血液や体液の巡りが、命を維持する流れとなっている。
ミズチの場合は、身体構造が水妖の形をとるため、大量の水を身体内外で循環と交換を行うことができるため、体重や密度の調整が可能となる。水から離れると、大気との交換は難しいため、水中の身体重量がそのまま体重となるため、陸上での動きは遅くなる。陸上の場合、水中のように浮力を有しないので、身体重量を支えることが難しいため、ミズチは水場より大きく離れることはできない。
ミズチの重量は、成長すれば数百kg前後であり、年老いたミズチであれば数トン程にまで成長する。これは、陸上生活を捨てて、水中生活を選んで成長した場合に発生する。陸上生活を主とするミヅチであれば、身体重量は300kg前後で安定する。
鷺衆の場合は、身体構成を水から気へと変質させ、身体重量を軽くなるように構成している。一般的な鷺衆の身体重量は、20kg前後である。空を飛ぶというよりは、風を操りながらの滑空を基本としているため、長距離の飛行は基本的に難しい。鷺衆の身体構造には、あまり強度が無いため、人が抱きしめただけで、骨折することがあるくらいに脆い。烏天狗は、60kg前後あって、鷺衆よりもさらに長距離飛行を苦手としているが、身体構造の強度が強く、軽量級ではあるが格闘戦闘も可能である。
身体そのものを変化や強化するのは、「有」を「有」の属性であり、烏天狗や鷺衆は、構造変化や身体強化を能力として保有する。エネルギーの流れを制御するのは、「無」を「無」に制御する形となっている。あやかしの場合は、世代が渡るにしたがって、独自の能力体系として確立されたスキルとして扱われる。
人の場合は、修行という訓練を実施する中で、「理」の在り様を体得し、能力を開花させる必要がある。一般に人が、体得できるかどうかは、個人の資質に依存しているが、人がエネルギーを扱えないということではない。あやかしの場合は、親から子、子から孫へと世代を超えて数千年を超えて継承し、能力そのものを特化させることで、スキルとして確立している。
基本として、あやかしもまた、人の一つの形態に過ぎない。
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気の流れを変質させて、色即是空、空即是色の循環を創るのが、あやかしを人外とする術法の基本となっている。
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これは、生命体が保有する生体エネルギーそのものを変換媒体として、空間に存在するエネルギーそのものを再構築することで、身体構成を行うことを可能としている。人が、「理」にたいして、理解し分解し再構築することで、あやかしとなったのである。利用するエネルギーの属性によって、あやかしの属性が構成されることとなる。
「理」としてエネルギーそのものを捉えれば、「有」を「無」に変え、「無」を「有」に変えることから、「有」を「有」、「無」を「無」に変質させることも可能となる。基本の属性としては、あやかしは四種類の属性から得意不得意を極端に変化させた結果となっている。
“風火地水”という捉え方は、「無」を「無」、「無」を「有」、「有」を「有」、「有」を「無」をそれぞれに象徴させたモノである。
象徴させただけであるので、あやかしの能力は、人とは異なり、かなり大きく偏っているが、完全に一つの属性に特化しているわけではない。
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