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日ノ本、二大政党制
日ノ本、二大政党への道 護衛総体の設立。支援と正面戦力の分離
しおりを挟むまた、大日本帝国の陸海軍は、敵との会戦には興味はあっても、交易航路を護るや、鉄道の維持運営は、大切であるという報告書は上がっても、担当するのは嫌がるという傾向が強かったのです。このため、補給艦や輸送艦を護衛する任務は極力避けて、敵艦の攻撃任務に就きたがり、敵艦への攻撃についても、輸送船より駆逐艦、駆逐艦より巡洋艦、巡洋艦より空母や戦艦といった、大物狙いが考課基準となっていました。
国際法の中で、民間船への攻撃が禁止されていても、ドイツの無制限潜水艦作戦のように、民間背への攻撃は当たり前のように実施されます。
史実における帝国陸海軍は、第一次世界大戦以降、間抜けになったわけではなく、国家目標を見失ったことで、行動が迷走した結果でした。
また、国益を護ることと、国民を護ることは、一緒ではありません。国益を優先するのが、軍隊と言うものであり、国民を護るのは官憲の仕事と考えていたのです。
こういった状況下で、本当の意味で国防を考えた場合、会戦を優先させ、正面戦力の拡大と維持管理を図る、帝国陸海軍から、護衛総体を分離する必要があります。
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史実では、関東軍が、帝国陸海軍から分離された、関東都督府陸軍部から始まります。
関東軍とシナ派遣軍が仲が悪いのは、異なる戦略目標を持つからです。
関東軍が、政府から離れるのは、関東軍の保護対象を、日本政府が本土の利益を優先して、保護しないことにありました。
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日露戦争で、満洲を獲得できず、遼東半島に権益を有するだけであった、関東都督府は、遼東半島のみが、権限の範囲となります。関東軍は都督府警備は五千名ほどであり、これは、第一次大戦後の「大陸出兵」によって、満洲や沿海州、極東ロシア、といった範囲が、国際連盟による特別地域「特区」として管轄されたのです。結果として、各地域で、住民投票によって選ばれた市長や知事を代表として、各国が交渉するという形をとっていました。
つまり、大陸における「特区」は、土地の領有については、国際連盟の預かりとして、資産の所有権を各国が保有する形をとった。特に旧ロシア帝国の利権は、無地領主ロマノフ家の管理とされ、各国のロシア大使館の権益を含めて、ロマノフ家の大使館として認められた。例外として、ドイツ帝国のロシア大使館は、ソビエト政府に委譲された。各国は、国際連盟の決議によって、ロマノフ家と権益交渉をすることとなったのである。
日本は、興安省、黒竜江省、吉林省、遼寧省における鉄道敷設権を得て、満洲鉄道都市警備局を設立しました。
満洲鉄道都市警備局は、鉄道業務だけでなく、通信・郵便業務、上下水道業務、発電所やごみ処理施設等を含めた、都市インフラ事業全般をも担当した。さらに、徴税管理や国際連盟への供託金の支払い等を代行したのである。
満洲都市警備局は、戦闘よりも、鉄道の敷設や維持管理、鉄道の利用料金の徴収、都市インフラの整備と利用料金徴収を含めて、地域の官僚組織としての性格を有していた。運営にあたっては、技術者を中心とした構成となっていた。市長との折衝や交渉については、外務省から担当者が派遣されていたのである。市街地の防衛や運営そのものは、満洲都市警備局が、担当したのである。
工兵隊は、幹線となる大連から満洲里までの満洲鉄道の各駅に、定数を五千として配備された。後に、ウラジオストクから哈爾濱、奉天から天津が幹線として敷設される。幹線は、ロシア帝国の路線を利用するため、5フィートの広軌鉄道とされた。
また、工兵隊は、市長や欧州諸国からの要望で、新たに支線の敷設をおこなっており、運営の代行をおこなってもいた。当初、支線については、鉄道の運営を対象として、駅都市については、要望した欧州諸国が対応していたが、現地市民の抗争に対応しきれないため、支線都市もまた工兵隊業務となった。
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軍備縮小を図るにあたって、肥大化する工兵隊が問題となった。
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これは、国内の工兵隊も同じであった。設立当初は、本土各地の師団から人員を抽出し、工兵学校修了後、工兵隊配属となっていた。しかしながら、各地の工兵隊は工兵学校を中心として、地域優先で鉄道の維持管理業務や通信郵便事業をおこなっていることもあり、人員の異動が難しい状況にあった。
また、帝国陸軍は、上陸作戦を実行する、船舶兵もしくは船舶工兵を編成していた。
運用にあたる艦船の操船等は、海運会社からの出向によって編成されていた。船舶工兵が運用する艦船は、武装商船に近いモノでもあり、揚子江や黄河を含めた河川での運用も実施されていた。
また、琵琶湖や横浜を中心とした水上機運用は、海軍ではあったが、民間航路が開拓されるにつれて、安土航空に代表される、民間会社に運用が委託されるようになっていった。
地域活性化と、陸上・海上・航空物流の維持や防衛体制を確立するため、帝国陸海軍から護衛総体が設立された。各地域の工兵隊や船舶工兵、海運会社からの出向船員を含めて、護衛総体として編成した。
護衛総体は、軍隊では無い支援隊であるとし、「規律ある民兵」という表現をして、艤装に武装を搭載していても、商船扱いであるため、海軍軍縮条約対象外と主張した。これは大陸へ進出した日本を含めた列強各国が、国際法と関係なく動く、無秩序なボリシェビキの襲撃に対応するためにも、警察業務に近い軍隊を必要としていた。
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帝国護衛総体は、物流や都市の防衛組織として、設立されたのである。
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