琉球お爺いの綺談

Ittoh

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宵闇千年紀元

宵闇の千年紀元 山界、人界は、互いに異界なり

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 今も、日ノ本で山々は、神々の住まう神域としての扱いを受けている。山々に入って、行を修める行者と呼ばれる者達が居た。山伏などの修験の道を極めんとする者達である。

 日ノ本が国となり、神々の神域は、神社の管轄であった。

 役行者が山岳信仰を、権現信仰に収束し、行を修める修験者は、山伏と呼ばれるようになり、山と人を繋ぐ者となった。神仏習合が進んだのも、役行者によって、あやかしひとならざるものを式神として使役し、人の管理下に置く技術が確立したことに起因する。しかしながら、行者が未熟であれば、あやかしひとならざるものを式神として維持できず、祟り神とする危険性もあったのである。

 役行者は、この式神の扱いから、流罪とされたことが、史実に記載されている。

 日ノ本の山岳信仰では、大神オオカミや天狗、ミヅチや竜が、眷属しんしとして扱われ、各地の社に祀られていた。伏見稲荷大社のように、あやかしひとならざるものとしての狐衆を、稲荷社の眷属しんしとすることで、日ノ本全域に勢力圏を拡大した社もあったりする。山神の代表とされることもあって、大神オオカミ眷属しんしとしている山も多かったため、大神オオカミもまた様々な地域で祀られることとなる。



 平地の神は、人界の神であるが、祟り神を鎮める社であったりする。道真公を祀る天満宮、将門公を祀る神田明神は、人界の社の代表でもある。祖霊を祀る社、祟り神を鎮める社、それが人界の社ということになるのかもしれない。

 人界の社では、牛や兎、鳩といったモノ達が眷属しんしとなることも多かった。日ノ本では、眷属しんしの範囲も広くて、非常に多くのあやかしひとならざるもの達が、眷属しんしとして迎えられたのである。
 多くの田畑を開拓する中で、墳丘が多く生まれ、御陵所として扱われるようになっていた。御陵所は神域であり、不入にして殺生戒となっていますので、あやかしひとならざるものの住処として知られるようになっていった。

 天平の風と共に、人とあやかしひとならざるものの共棲は、様々な形で始まっていきます。
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