琉球お爺いの綺談

Ittoh

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縄文の息吹

歪はとれなさそうだねぇ

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 議論というのは、相手の意見を肯定したうえで、互いに意見を言って、検討をおこなって、新しい意見と言うものを構築していくものと、お爺ぃは認識している。しかしながら、アジアと言う地域では、日本人を含めて、意見を検討し調整するという余地を持たない。つまり、自己の意見が正しいという前提に変更の余地を持っていないため、意見の検討や議論する余地が存在しないまま、議論や検討しても意味は無い。
 これは、相手が悪いというのではなく、互いに平行線としかならない意見しか持たないからである。



 特にインターネットの浸透で、一見すると、議論ができるような環境があるように見える。しかしながら、参加者がそれぞれに、相手の考えを受け入れる余地を持たないために、意見の検討や議論をおこなうことに意味を持たない結論となってしまう。
 まぁ、学術的な概念・理念からすれば、自己の意見を正しいと信じることそのものは、正しい行為であるし、相手を論破することを考えることも、悪いことではない。



 しかしながら、時間と言う概念そのものが、「あやふや」な側面があり、過去は“記憶”の中で在り、未来は“夢”の中という物理学がある現状で言えば、過去が確定することが未来永劫ありえないという考え方もある。



 正直に言えば、歴史認識そのものは、学問として議論の対象とすることが、極めて困難であるモノである。そして、意見が異なるモノに対して、話をすることはともかくとして、相手に理解を求めることそのものは間違いである、とお爺ぃは考えている。



 一万年を超えて遡れば、歴史の“記録や記憶”は、それこそ幻のようなモノでしかない。
 ポリネシアに伝わる、スターナヴィゲーションWayfindingの航法からすると、ポリネシア諸島への移住は、台湾、南西諸島あたりから移り住んでいったということになる。Non-Instrument Navigationという言い方もされている。
 南方の島を舞台としたアニメーションに、スターナヴィゲーションWayfindingを使って航海するシーンがある。

 出発した時期は、数千年前ということだから、歴史上の話からすれば、鬼界カルデラが噴火した7300年前の結果として、生き残るための脱出であったとも推定できる話だ。

 当時の状況からすれば、九州一帯が住むことのできない地域となり、逃げ出した人間たちが多かったであろうと推定することは可能である。

 鬼頭宏著「人口から読む日本の歴史」に記載された、日本の人口統計からすると、縄文期に西日本が人口が少なく、東日本が多いというのは、鬼界カルデラ噴火による影響と言えるのかも知れない。



 お爺ぃは、個人的に鬼界カルデラ噴火前後という時代については、本当の意味で伝承と記憶の中でのお話であり、歴史として議論するには、極めて困難であり、どのような文書や証拠をもってしても、議論を形成することができないものと判断している。
 つまりは、神話、神代の御伽噺で在り、その中にどのような、真実が混ざっていたとしても、話し合う余地が存在することはない。

 神代の御伽噺は、歴史の流れとして話すことはできても、歴史の認識や根幹として話すことができないモノと考えるべきだろう。



 また、歴史というモノの“認識”や“根幹理念”というものは、個人の“認識”と“根幹理念”に関わるモノであり、そこに立ち入ることに対する覚悟が必要である。結果としては、命のやりとりともなる。そこには、正義も悪も無いのである。

 まぁ、お爺ぃは、そういった意味では、勝つことは求めない。ただ、お爺ぃ自身に変わらぬ“認識”と“根幹理念”が在れば良いかなというものである。お爺ぃが、小説の形で伝えるのは、お爺ぃが持つ、歴史“認識”と“根幹理念”というものを、勝ち負けに関係なく伝える手段として選んだだけである。
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