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御伽噺は、恋バナに代わる?
女御シズと鷺姫サキ
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あたしは、左大臣様に言われて、宮中に上がることとなりました。
主人となる人のことが、良く分からないまま、従うことになるのは、緊張を強いられることとなります。困ったことに、あたしは、あやかしというものも、ほとんど知らないのであります。
しかしながら、左大臣様に連れられ、主上の御前に控えた私は、主上から頼むとの言葉まで賜ったのです。
こうしてあたしは、姫様と呼ぶことになる、鷺衆が姫、紗希様にお仕えすることとなったのです。
五位を賜った主上から、姫様を最初に連れて行った奥宮の一つを、姫様に賜ることとなり、甘葛煮を用意して待つようにあたしにお命じになりました。
朝餉を用意し、甘い香りがする甘葛煮を用意しました。
甘葛煎は、ツタの樹液から甘い部分を抽出して、煮立たせるように作り上げるモノです。あたしの一族は、古くから甘葛の樹液や養蜂を、朝廷に貢納しておりました。左大臣様は、そんなこともご存じであったようです。
あたしは、実家に頼んで、甘葛だけでなく、蜂蜜を取り寄せ、蜂蜜を少し加えて、甘葛煮を作って待っていたのです。冬場でなければ、ツタはあまり甘くなく、甘葛を作ってもあまり甘く無いのです。ですから、暖かい時期には、蜂蜜を少し加えて作るのです。
そこへ、鳥の姿をした姫様が降りられたのでした。
「いい匂いだね。あたしが食べて良いのかい」
「はい、鷺衆が姫様に初めてお目にかかります。生駒に住まう豪族、葛藤 の一族が娘、静と申します」
「静ね、あたしは紗希、よろしくね」
「はい。紗希なんなりとお命じ下さい」
「ねぇ、服ないかな」
「はい。ご用意しております」
几帳の奥に、葛籠を用意して、内掛を含めて単衣を用意していたのですが、姫様は肌襦袢を付けて、左大臣様が、主上用に用意した、狩衣を付けてしまったのです。確かに人の姿をした紗希様は、すらりとして女性にしては背が高く、キリリとしてイケメンの狩衣姿は、確かに似合って居りました。あたしは、姫様の男装姿に、ぼぉっとするくらいに、
「あの、姫様。それは、狩衣にございます」
「え。だって動き易い服が良いよ、そっちの服は重そうじゃない」
十二単衣は、貴族の姫様が正装でありましたが、完全正装すると、衣だけで20キロ以上になるくらい重かったのです。普段は、正装することはありませんでした。女房装束としては、袿五枚くらいの襲が一般で在り、あたしは暑い時期は、3枚襲としていました。
「あ、これ昨日のより美味しいよ。シズが作ったの」
「はい。ありがとうございます」
「どうやって、作ったの、シズ」
「はい、甘葛は、この時期はあまり甘くないので、蜂蜜を加えました」
「へぇ、蜂蜜かぁ。甘くて美味しいねぇ。ありがとうね」
「いえ、これはすべて、主上からのご指示にございます」
「でも、美味しく作ってくれたのは、シズでしょ」
「は、はい。ありがとうございます」
なんか、あたしは、嬉しくなってしまっていた。
主人となる人のことが、良く分からないまま、従うことになるのは、緊張を強いられることとなります。困ったことに、あたしは、あやかしというものも、ほとんど知らないのであります。
しかしながら、左大臣様に連れられ、主上の御前に控えた私は、主上から頼むとの言葉まで賜ったのです。
こうしてあたしは、姫様と呼ぶことになる、鷺衆が姫、紗希様にお仕えすることとなったのです。
五位を賜った主上から、姫様を最初に連れて行った奥宮の一つを、姫様に賜ることとなり、甘葛煮を用意して待つようにあたしにお命じになりました。
朝餉を用意し、甘い香りがする甘葛煮を用意しました。
甘葛煎は、ツタの樹液から甘い部分を抽出して、煮立たせるように作り上げるモノです。あたしの一族は、古くから甘葛の樹液や養蜂を、朝廷に貢納しておりました。左大臣様は、そんなこともご存じであったようです。
あたしは、実家に頼んで、甘葛だけでなく、蜂蜜を取り寄せ、蜂蜜を少し加えて、甘葛煮を作って待っていたのです。冬場でなければ、ツタはあまり甘くなく、甘葛を作ってもあまり甘く無いのです。ですから、暖かい時期には、蜂蜜を少し加えて作るのです。
そこへ、鳥の姿をした姫様が降りられたのでした。
「いい匂いだね。あたしが食べて良いのかい」
「はい、鷺衆が姫様に初めてお目にかかります。生駒に住まう豪族、葛藤 の一族が娘、静と申します」
「静ね、あたしは紗希、よろしくね」
「はい。紗希なんなりとお命じ下さい」
「ねぇ、服ないかな」
「はい。ご用意しております」
几帳の奥に、葛籠を用意して、内掛を含めて単衣を用意していたのですが、姫様は肌襦袢を付けて、左大臣様が、主上用に用意した、狩衣を付けてしまったのです。確かに人の姿をした紗希様は、すらりとして女性にしては背が高く、キリリとしてイケメンの狩衣姿は、確かに似合って居りました。あたしは、姫様の男装姿に、ぼぉっとするくらいに、
「あの、姫様。それは、狩衣にございます」
「え。だって動き易い服が良いよ、そっちの服は重そうじゃない」
十二単衣は、貴族の姫様が正装でありましたが、完全正装すると、衣だけで20キロ以上になるくらい重かったのです。普段は、正装することはありませんでした。女房装束としては、袿五枚くらいの襲が一般で在り、あたしは暑い時期は、3枚襲としていました。
「あ、これ昨日のより美味しいよ。シズが作ったの」
「はい。ありがとうございます」
「どうやって、作ったの、シズ」
「はい、甘葛は、この時期はあまり甘くないので、蜂蜜を加えました」
「へぇ、蜂蜜かぁ。甘くて美味しいねぇ。ありがとうね」
「いえ、これはすべて、主上からのご指示にございます」
「でも、美味しく作ってくれたのは、シズでしょ」
「は、はい。ありがとうございます」
なんか、あたしは、嬉しくなってしまっていた。
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