賭博ってなんだろうねぇ

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徳ある者に、天運は味方せり

徳ある者に、天運が味方す04 賭博の禁止は、昔からである

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 賭博というモノは、確かに「天運」という、よくわからないモノに左右される。

 将棋や囲碁といった、アブストラクトゲームAbstract Gamesと呼ばれるゲームが遊ばれ、競技となるのは、人が運を嫌い、サイコロを振りたがらない側面があるのは、よくわからないモノに、自分の人生を左右されたくないという思いからであろう。

 逆に「天運」を信じ、運のみにて生き、何時も誰かが助けてくれる、そんな救いを追い求めるのもまた、人というモノなのであろう。

 或る記事で、お爺ぃは、「ケンシロウ」が嫌いだと言ったことがある。

 お爺ぃが嫌いなのは、ケンシロウその人ではなく、ケンシロウに助けを求める者達である。救世主伝説というのは、求める者こそが救われてはならないと考えている。お爺ぃは、キリスト教徒ではあるが、救世主を現世に登場させてはならないと考える者である。なぜなら、現世で人が救世主を求めることは、救世主を不幸にしてしまうこととなる。自らで自らを救うことを捨て、救世主に頼り、誰かに救われることを追い求める、そんな救世主を追い求める人間が、嫌いなのである。

 奇蹟というモノは、すべてであり、世の人が言う奇跡は、存在してはならないモノである。

 太陽が、東から昇り、西へと沈むも、奇蹟であり、風が吹き、暖かな日差しを感じるのも奇蹟なのである。海を割るから奇蹟ではなく、天からマナを降らせるから奇蹟なのではない、それは異常事態であり、人が求めてはならないモノである。



 博打というものが、禁止されることそのものは間違っていない。自由に博打を打たせることは、「運」を追い求める者を増やしてしまう。今日勝てなくても、明日は勝てると思い、「運」があれば勝てるというのは間違いであり、人の心の弱さでしかない。自分の力で、自分自身を救えなくなる、救世主思想を蔓延させてしまう。

 日本は、IR法が存在する前、賭博法で賭博が禁止されている状態で、世界で最もギャンブル依存症が多い国と報告されている。

 これは、街角に博打場と表記されていない、博打場があるからである。また、日ノ本に住まうモノ達は、「運」に夢を託すものが多いということも、困ったことに示しているのであろう。これは、宗教法人に所属する人の数を合計したら、人口よりも多かったりするのも、こういった人の弱さの顕れでもあろうか。平成20年、2億を突破し、平成29年1億8千万あたりまで減少しているが、平成29年でも、人口より多いのは事実である。

 減り方が大きいのは、宗教的なコミュニティへの参加が、減っているということであろうか。スピリチュアル的なコミュニティもまた、団体としては、宗教的な団体ということになるのだろうが、現行法での宗教団体という定義の中には含まれていないので、実数としては変わっていないのかもしれない。



 賭博を禁止しても、競技そのものを、禁止してはならない。競技と賭博は、異なるモノである。

 競技と賭博が異なるのは、「運」に対する考え方の違いであり、求め方の違いでもある。体調管理をも含めれば、競技というモノに、「運」の要素は、少なからず含まれる。





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 禁止されるべき、賭博というモノは、「運」に頼り、「運」に溺れ、夢に依存するモノである。
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