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神官ミリアは神の言うことしか聞きません 4
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「ここ、か?」
ルビィの地図を元に女神ユーヴァを奉ずる教会へと向かうと、そこは安い飲み屋街の真っただ中だった。
当の教会も外観は場末のバーにしか見えなかった。
本当にこれが教会だろうか。
いやしかしルビィが俺に嘘を教えるはずがないし――。
俺はとりあえず、ドアを開けて中へ入ってみることにした。
「やっぱりバーだろここ……」
棚に並ぶ酒瓶と長いカウンター。
完膚なきまでにバーであった。バーでしかなかった。
そしてカウンターの向こうには一人、女がいた。
「あん……? 誰だいあんた見ない顔だね」
鋭い目つきで俺をにらんでくる女は、褐色の肌をしていた。
服装は白いシャツにチョッキっぽいベスト……バーテンダーだろう。
こりゃ完全に間違えた。
俺は嘆息しつつ言う。
「……ちょっと場所を間違えたみたいだ。なあ、ここらに教会ってあるか?」
「教会ぃ? 教会ならここさ。あんたここが教会以外のなにに見えるってんだい」
「バーとかバーとか、あとバーに見える……」
「ちなみにアタシは見ての通りしがない神官さ」
「いやバーテンダーにしか見えねえし、神官は自分のことしがないとか言わねえだろ」
「まあ、とにかくすわんなよお客人。アタシも暇してたところでさ、一杯付き合いな」
「神官は信徒のことお客人とか呼ばねえだろ……」
いちいち突っ込んでいては切りがないので、俺は大人しく席につくことにした。
酒のグラスを片手に、カウンター越しに女と向かいあう。
「アタシの名前はラーニャ。もう長いことこの街で神官やってるよ。ま、最近は安い飲み屋に信徒をとられて、祈りを捧げる機会はとんとなくなっちまったけどね」
「普通、教会は飲み屋と信徒を取り合ったりしないけどな……」
「信徒は来なくなるわダチは次々結婚しやがるわ、アタシばっかり取り残されてこの様さ。ったく寂しいったらないよ」
ラーニャはグイッと酒をあおる。
唇の端からつー……っと垂れていく酒の滴がエロい。
「……まあ、友達結婚すると寂しいよな」
わけもわからなかったが、俺は話を合わせてやることにした。
「お、わかるかいあんた? 本当そうなんだよ。……ダチの結婚式に出るとさ、あいつら気使ってこっちにブーケ投げてくんの。すっげえピンポイントで飛んでくんの、ブーケが。やめろっつーの、なんだよそのコントロール、アタシがみじめになるだろうが。思わずキャッチしちゃったじゃねえか」
「……キャッチしたのか」
いやしかし、俺は教会にレベルアップにきたはずのになんで女の酒に付き合っているのだろう。
「いやね、アタシもね、もてないわけじゃないんだよ。でもさ、神官やってるなんて言うとさ、男も尻込みするわけ。さすがに神職汚すのは怖いみたいでさ。いいから勇気を出して聖域に踏み込んでこいっつーの。てめえらの踏み込みが足りないせいであたしが男もないまま三十路の領域に踏み込んじまったじゃねえか」
「…………っお、おう」
「そんなこんなでさ、人生っていろいろあるわけよ――あんたも酒飲みながら胸のもやもや吐き出しちまいな。アタシでよけりゃ聞いてやるからさ」
ちらっ、と俺の目をのぞいてくるラーニャ。
なるほど、どうして彼女が急に自分の身の上話をしてきたのかわかった。
先に自分が話すことで、俺が告解しやすい雰囲気をつくってくれたのだ。
そのへんの気遣いは、かろうじて神官っぽい。かろうじて。
しかし――。
「気つかってもらっておいて悪いが……俺、今日はお悩み相談じゃなくてレベルアップに来たんだ」
「ん? なんだいそっちかい。おいおいそれ早く言いなって。あんたが疲れた顔してるから、うっわ、意気消沈ボーイだわってアタシつい気使っちゃだろうが」
「まあ、疲れてはいたけどな」
ここ来る前に疲れる行為をしてきたので。
今日のルビィはとてもよかった……。
「じゃあ、これにあんたの武功を書きな。あるんならね」
ラーニャは俺に紙とペンを差し出してくる。
この紙に俺が今まで成した偉業を書きつけ、女神ユーヴァに報告するのだ。
しかし俺の武功か……。
そう言われるとないんだが。
戦闘タイプのチートじゃないので、姑息なことしかしてこなかった。
まあ取り繕ってもしかたがないので、俺は正直に書くことにした。
『転生者ユータロウのハーレム要員ルビィを寝取ってめちゃくちゃセッ○スしてやった。ついでに同行者のリューともセック○してやった。ちなみに、どちらとも付き合う気はない。セフレ扱いするつもり』
ラーニャは、俺が武功を記した紙を見て、頬を引くつかせた。
「……あんたさあ、いくらユーヴァ様がちょっとあれな女神だからってこんなん武功として認められるわけ……――めっちゃ認められてる!?」
ラーニャが紙を燃やした瞬間、あたりに金色の粒子が舞い散った。
金の粒子は俺の頭上でぐるぐる回る。
神官でない俺にも、女神ユーヴァが喜んでるのがわかった。
『グッジョブ、君まじグッジョブ』と俺にサムズアップをしてくる女神の姿が、ぼんやりと頭の中に浮かんだ。
……やっぱり、こういうのがいいんだ。
ゲスな俺が、正統派の主人公に嫌がらせして苦しめる様を、女神ユーヴァは望んでいるらしい。
「……おおう」
体に力がみなぎってくる。
自分の格があがったのがよくわかった。これなら――。
「……あんた、いったい何者だい?」
「名前はモトキ、しがない転生者だ」
「転生者!? 転生者ってことはあんたあれかい、こっちに家族とかうるさい親戚もいないってことだろう? しがらみオールナッシングの優良物件じゃないか!」
ラーニャはガッと俺の肩を掴んでくる。
「あんた、火遊びなんかやめてさ、アタシと身固めないかい? とりあえず今夜は既成事実つくらないかい?」
シャツのボタンをはずし、谷間をちらちら見せつけてくるラーニャ。
汗のしたたる浅黒い肌、深い谷間……俺はごくりと息を飲む。
「まあ……それはまた後日」
据え膳は全部いただくタイプの俺なのでいずれラーニャともやるつもりだが、今日はひとまず我慢することにした。
今日は早く、あれを試したかった。
**
その後、俺は夜にまたリューと一緒に墓所に向かい、朽ちた死体を掘り起こした。
そして――
「よっし……!」
俺はついに、新たな力を手に入れた。
朽ちた古い死体を見て、その生前の姿を再現する力を。
「これなら……」
もうミリアは攻略したようなものだ。
金髪を振り乱して声をあげるミリアの声を想像し、俺はごくりと生唾を飲んだ。
ルビィの地図を元に女神ユーヴァを奉ずる教会へと向かうと、そこは安い飲み屋街の真っただ中だった。
当の教会も外観は場末のバーにしか見えなかった。
本当にこれが教会だろうか。
いやしかしルビィが俺に嘘を教えるはずがないし――。
俺はとりあえず、ドアを開けて中へ入ってみることにした。
「やっぱりバーだろここ……」
棚に並ぶ酒瓶と長いカウンター。
完膚なきまでにバーであった。バーでしかなかった。
そしてカウンターの向こうには一人、女がいた。
「あん……? 誰だいあんた見ない顔だね」
鋭い目つきで俺をにらんでくる女は、褐色の肌をしていた。
服装は白いシャツにチョッキっぽいベスト……バーテンダーだろう。
こりゃ完全に間違えた。
俺は嘆息しつつ言う。
「……ちょっと場所を間違えたみたいだ。なあ、ここらに教会ってあるか?」
「教会ぃ? 教会ならここさ。あんたここが教会以外のなにに見えるってんだい」
「バーとかバーとか、あとバーに見える……」
「ちなみにアタシは見ての通りしがない神官さ」
「いやバーテンダーにしか見えねえし、神官は自分のことしがないとか言わねえだろ」
「まあ、とにかくすわんなよお客人。アタシも暇してたところでさ、一杯付き合いな」
「神官は信徒のことお客人とか呼ばねえだろ……」
いちいち突っ込んでいては切りがないので、俺は大人しく席につくことにした。
酒のグラスを片手に、カウンター越しに女と向かいあう。
「アタシの名前はラーニャ。もう長いことこの街で神官やってるよ。ま、最近は安い飲み屋に信徒をとられて、祈りを捧げる機会はとんとなくなっちまったけどね」
「普通、教会は飲み屋と信徒を取り合ったりしないけどな……」
「信徒は来なくなるわダチは次々結婚しやがるわ、アタシばっかり取り残されてこの様さ。ったく寂しいったらないよ」
ラーニャはグイッと酒をあおる。
唇の端からつー……っと垂れていく酒の滴がエロい。
「……まあ、友達結婚すると寂しいよな」
わけもわからなかったが、俺は話を合わせてやることにした。
「お、わかるかいあんた? 本当そうなんだよ。……ダチの結婚式に出るとさ、あいつら気使ってこっちにブーケ投げてくんの。すっげえピンポイントで飛んでくんの、ブーケが。やめろっつーの、なんだよそのコントロール、アタシがみじめになるだろうが。思わずキャッチしちゃったじゃねえか」
「……キャッチしたのか」
いやしかし、俺は教会にレベルアップにきたはずのになんで女の酒に付き合っているのだろう。
「いやね、アタシもね、もてないわけじゃないんだよ。でもさ、神官やってるなんて言うとさ、男も尻込みするわけ。さすがに神職汚すのは怖いみたいでさ。いいから勇気を出して聖域に踏み込んでこいっつーの。てめえらの踏み込みが足りないせいであたしが男もないまま三十路の領域に踏み込んじまったじゃねえか」
「…………っお、おう」
「そんなこんなでさ、人生っていろいろあるわけよ――あんたも酒飲みながら胸のもやもや吐き出しちまいな。アタシでよけりゃ聞いてやるからさ」
ちらっ、と俺の目をのぞいてくるラーニャ。
なるほど、どうして彼女が急に自分の身の上話をしてきたのかわかった。
先に自分が話すことで、俺が告解しやすい雰囲気をつくってくれたのだ。
そのへんの気遣いは、かろうじて神官っぽい。かろうじて。
しかし――。
「気つかってもらっておいて悪いが……俺、今日はお悩み相談じゃなくてレベルアップに来たんだ」
「ん? なんだいそっちかい。おいおいそれ早く言いなって。あんたが疲れた顔してるから、うっわ、意気消沈ボーイだわってアタシつい気使っちゃだろうが」
「まあ、疲れてはいたけどな」
ここ来る前に疲れる行為をしてきたので。
今日のルビィはとてもよかった……。
「じゃあ、これにあんたの武功を書きな。あるんならね」
ラーニャは俺に紙とペンを差し出してくる。
この紙に俺が今まで成した偉業を書きつけ、女神ユーヴァに報告するのだ。
しかし俺の武功か……。
そう言われるとないんだが。
戦闘タイプのチートじゃないので、姑息なことしかしてこなかった。
まあ取り繕ってもしかたがないので、俺は正直に書くことにした。
『転生者ユータロウのハーレム要員ルビィを寝取ってめちゃくちゃセッ○スしてやった。ついでに同行者のリューともセック○してやった。ちなみに、どちらとも付き合う気はない。セフレ扱いするつもり』
ラーニャは、俺が武功を記した紙を見て、頬を引くつかせた。
「……あんたさあ、いくらユーヴァ様がちょっとあれな女神だからってこんなん武功として認められるわけ……――めっちゃ認められてる!?」
ラーニャが紙を燃やした瞬間、あたりに金色の粒子が舞い散った。
金の粒子は俺の頭上でぐるぐる回る。
神官でない俺にも、女神ユーヴァが喜んでるのがわかった。
『グッジョブ、君まじグッジョブ』と俺にサムズアップをしてくる女神の姿が、ぼんやりと頭の中に浮かんだ。
……やっぱり、こういうのがいいんだ。
ゲスな俺が、正統派の主人公に嫌がらせして苦しめる様を、女神ユーヴァは望んでいるらしい。
「……おおう」
体に力がみなぎってくる。
自分の格があがったのがよくわかった。これなら――。
「……あんた、いったい何者だい?」
「名前はモトキ、しがない転生者だ」
「転生者!? 転生者ってことはあんたあれかい、こっちに家族とかうるさい親戚もいないってことだろう? しがらみオールナッシングの優良物件じゃないか!」
ラーニャはガッと俺の肩を掴んでくる。
「あんた、火遊びなんかやめてさ、アタシと身固めないかい? とりあえず今夜は既成事実つくらないかい?」
シャツのボタンをはずし、谷間をちらちら見せつけてくるラーニャ。
汗のしたたる浅黒い肌、深い谷間……俺はごくりと息を飲む。
「まあ……それはまた後日」
据え膳は全部いただくタイプの俺なのでいずれラーニャともやるつもりだが、今日はひとまず我慢することにした。
今日は早く、あれを試したかった。
**
その後、俺は夜にまたリューと一緒に墓所に向かい、朽ちた死体を掘り起こした。
そして――
「よっし……!」
俺はついに、新たな力を手に入れた。
朽ちた古い死体を見て、その生前の姿を再現する力を。
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