1 / 31
事後承諾もない分かち合い
プロローグ的な何か
しおりを挟む
意気揚々と地上、トトランタに降り立つ少女と、少女から女と呼ばれる階段を登り始めたような少女の2人がいた。
1人は、年頃、14,5歳といった腰まである金髪の頭頂部の跳ねた一本の髪をピコピコさせている。瞳は空色の澄んだ色をさせ、楽しげな感情が表に出ていていた。
もう1人は、成人を迎えそうな年頃の少女で、栗色の髪を短めに刈ってあるが、一房だけ、胸の辺りまで伸ばしている髪を今も、溜息を吐きながら触っている。
スタイルも素晴らしく、もう一人の少女も良いスタイルをしているが、あくまで、成長前と考えれば、といったもので、こちらの少女のスタイルは完成の域であった。
その少女は、憂いが帯びる表情をしながら、隣に立ち、前方に見える街を眺めて嬉しそうにする少女を見つめる。
目の前の少女は、もう我慢ができないとばかりに、ピョンピョンと飛び跳ねると、溜息を吐く少女に話しかけてくる。
「ねっ、ねっ、ホルン。もう私はすぐに街に行くべきだと思うのですぅ! 思い立ったら、即行動が私の美点だと言われてるのですぅ~」
「そんな事、誰が言ってるの、私は初耳なんだけど? ちゃんと考えてから行動しましょう、と言われている姿は数えるのも億劫なほど見てきてるけど……」
憂い顔の少女、ホルンは、一房の髪を弄りながら、目の前のアホ毛がピコピコさせる少女を呆れるように見つめる。
ホルンの言葉を聞いた少女は、「心外なのですっ!」と両手を突き上げて、怒ってます、とアピールしてくる。
「心外って言われても……神々会議で、言われたばかりじゃないの」
「そんな、昔の事なんて忘れたのですぅ~」
その神々会議が終了して30分も経っていない。都合の悪い事は、サクッと忘れるのが十八番の少女にホルンは頭痛を覚えて、コメカミに指を充てて耐える。
この子と接するようになってから、何度となく耐えてきた痛みだ。でも、だからと言って、平気になる事はないらしい。
溜息を再び吐くホルンを見て、少女は騒ぎ出す。
「細かい事はいいのですぅ! すぐに街に向かおうなのです!!」
ホルンに指を差してくる。
色々、諦める覚悟を完了させているホルンは、焦れて、出発し出した少女を呼び止める。
「もう、分かったから、ちょっと待ちなさい。街に行く前に、まずは領主に身の証を証明させるモノを作らせるのが先でしょ?」
「し、知ってたのですぅ。ホルンが覚えてたか確かめるために、演技をしたのです」
相変わらず、嘘を吐くのが下手な友達を苦笑いで見つめる。
「そう、それはありがとうね。じゃ、行きましょうか? シホーヌ」
少女、シホーヌは嬉しそうにホルンの手を取り、「で、領主のお家はどっちなのですぅ?」と色々、台無しのセリフと気付かず言ってくる、手のかかる友達に微笑みながら、指を差す。
シホーヌは、行き先が分かると輝く笑顔を振りまき、ホルンの手を引いて、急かしてくる。
そんな、シホーヌを見つめるホルンは思う。
シホーヌの人として生きる第2の神生に幸あれ……
1人は、年頃、14,5歳といった腰まである金髪の頭頂部の跳ねた一本の髪をピコピコさせている。瞳は空色の澄んだ色をさせ、楽しげな感情が表に出ていていた。
もう1人は、成人を迎えそうな年頃の少女で、栗色の髪を短めに刈ってあるが、一房だけ、胸の辺りまで伸ばしている髪を今も、溜息を吐きながら触っている。
スタイルも素晴らしく、もう一人の少女も良いスタイルをしているが、あくまで、成長前と考えれば、といったもので、こちらの少女のスタイルは完成の域であった。
その少女は、憂いが帯びる表情をしながら、隣に立ち、前方に見える街を眺めて嬉しそうにする少女を見つめる。
目の前の少女は、もう我慢ができないとばかりに、ピョンピョンと飛び跳ねると、溜息を吐く少女に話しかけてくる。
「ねっ、ねっ、ホルン。もう私はすぐに街に行くべきだと思うのですぅ! 思い立ったら、即行動が私の美点だと言われてるのですぅ~」
「そんな事、誰が言ってるの、私は初耳なんだけど? ちゃんと考えてから行動しましょう、と言われている姿は数えるのも億劫なほど見てきてるけど……」
憂い顔の少女、ホルンは、一房の髪を弄りながら、目の前のアホ毛がピコピコさせる少女を呆れるように見つめる。
ホルンの言葉を聞いた少女は、「心外なのですっ!」と両手を突き上げて、怒ってます、とアピールしてくる。
「心外って言われても……神々会議で、言われたばかりじゃないの」
「そんな、昔の事なんて忘れたのですぅ~」
その神々会議が終了して30分も経っていない。都合の悪い事は、サクッと忘れるのが十八番の少女にホルンは頭痛を覚えて、コメカミに指を充てて耐える。
この子と接するようになってから、何度となく耐えてきた痛みだ。でも、だからと言って、平気になる事はないらしい。
溜息を再び吐くホルンを見て、少女は騒ぎ出す。
「細かい事はいいのですぅ! すぐに街に向かおうなのです!!」
ホルンに指を差してくる。
色々、諦める覚悟を完了させているホルンは、焦れて、出発し出した少女を呼び止める。
「もう、分かったから、ちょっと待ちなさい。街に行く前に、まずは領主に身の証を証明させるモノを作らせるのが先でしょ?」
「し、知ってたのですぅ。ホルンが覚えてたか確かめるために、演技をしたのです」
相変わらず、嘘を吐くのが下手な友達を苦笑いで見つめる。
「そう、それはありがとうね。じゃ、行きましょうか? シホーヌ」
少女、シホーヌは嬉しそうにホルンの手を取り、「で、領主のお家はどっちなのですぅ?」と色々、台無しのセリフと気付かず言ってくる、手のかかる友達に微笑みながら、指を差す。
シホーヌは、行き先が分かると輝く笑顔を振りまき、ホルンの手を引いて、急かしてくる。
そんな、シホーヌを見つめるホルンは思う。
シホーヌの人として生きる第2の神生に幸あれ……
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
俺の娘、チョロインじゃん!
ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ?
乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……?
男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?
アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね?
ざまぁされること必至じゃね?
でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん!
「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」
余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた!
え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ!
【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる