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カテゴリー『恋愛』
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赤い紅葉が、たくさんつもりサクサクと言う音をたてる。
色とりどりの着物を着た、子供達がその周りを歩く。
お面から少し見えた顔は、みな笑っているのにその声は聞こえず、葉の踏みしめる音だけが静かに響く。
揚羽は飛び起きる。
その夢を見たのは、もう何度目か……たびたび見ている夢。
私の視点は、いつも紅葉の間をさまよっている。
何者でもない視点……。
時計の時間を見てみると今、2時、寝付いてからいくらもたってない時間だ。
蝶柄の浴衣の生地と、私の長い髪が汗で肌にまとわりつく、外では雨がふっているようでしとしとという音がしている。
(もう、ここには居たくない……)
(でも、どこへ行けばいいの……)
「揚羽さん、起きているの? 」
「貴方!? 」
揚羽は、障子を開け、御園に抱き着く。
トンボの浴衣を着た御園は、愛おしそうに揚羽の髪を撫でる。
「貴方、今すぐここから出たいの……ここはとっても怖くて、このままここに居たくない」
御園は泣きじゃくる、揚羽をさとす。
「揚羽さん、僕達を守るものは、この中にしかないんだよ……」
「だから……決してこの屋敷から出てはだめだ……いいね、わかったね」
「約束だよ」
そういい、御園は一粒の涙を流す。
しかし揚羽は、その涙には気づかないのだった。
御園は、揚羽が眠りにつくまで傍にいた、彼女が安心して眠りにつくまで。
正しさについて考えればこのまま、君を置いて置くと言うの許されない事かもしれない……。
それでも……美しく儚い揚羽の傍に居たいという思いと、彼女との生活はおわりの時が近いという事実が、彼の心を波立たせた。
揚羽は、目を覚ました時、辺りは暗く夜だと言う事がわかった。
雨の音はしない……。
障子を開けると、赤い月が空に大きく輝いていた。
彼女をまるで誘うように……。
気が付くと彼女はに駆けだしていた、森の中へ。
「アハハハハァハァ」
彼女の笑い声が森を木霊する。
赤い月が無数の蝶になって、彼女の周りを飛び回り彼女の中に消えていった。
揚羽が体をくねらせ空を舞うと、彼女は赤いアゲハチョウになっていた。
「赤い赤いアゲハ蝶、彼女は人々に死をまき散らす……」
御園は、大きな一本杉から彼女を見ていた。
「それでも、好きなだったあの赤い残酷な風景の中で、君だけがただ愛するものだった……」
「でも……、僕の中の正しさが、君を、僕の愛を殺す時が来たようだ……」
そう言うと、彼の着物とトンボが一斉に飛び立ち、彼の愛するものを撃ち落とした。
アゲハ蝶だったものはバラバラになって消えていく。
「みそのさん……」
その声が彼の耳まで届いたのだろうか?
おわり
色とりどりの着物を着た、子供達がその周りを歩く。
お面から少し見えた顔は、みな笑っているのにその声は聞こえず、葉の踏みしめる音だけが静かに響く。
揚羽は飛び起きる。
その夢を見たのは、もう何度目か……たびたび見ている夢。
私の視点は、いつも紅葉の間をさまよっている。
何者でもない視点……。
時計の時間を見てみると今、2時、寝付いてからいくらもたってない時間だ。
蝶柄の浴衣の生地と、私の長い髪が汗で肌にまとわりつく、外では雨がふっているようでしとしとという音がしている。
(もう、ここには居たくない……)
(でも、どこへ行けばいいの……)
「揚羽さん、起きているの? 」
「貴方!? 」
揚羽は、障子を開け、御園に抱き着く。
トンボの浴衣を着た御園は、愛おしそうに揚羽の髪を撫でる。
「貴方、今すぐここから出たいの……ここはとっても怖くて、このままここに居たくない」
御園は泣きじゃくる、揚羽をさとす。
「揚羽さん、僕達を守るものは、この中にしかないんだよ……」
「だから……決してこの屋敷から出てはだめだ……いいね、わかったね」
「約束だよ」
そういい、御園は一粒の涙を流す。
しかし揚羽は、その涙には気づかないのだった。
御園は、揚羽が眠りにつくまで傍にいた、彼女が安心して眠りにつくまで。
正しさについて考えればこのまま、君を置いて置くと言うの許されない事かもしれない……。
それでも……美しく儚い揚羽の傍に居たいという思いと、彼女との生活はおわりの時が近いという事実が、彼の心を波立たせた。
揚羽は、目を覚ました時、辺りは暗く夜だと言う事がわかった。
雨の音はしない……。
障子を開けると、赤い月が空に大きく輝いていた。
彼女をまるで誘うように……。
気が付くと彼女はに駆けだしていた、森の中へ。
「アハハハハァハァ」
彼女の笑い声が森を木霊する。
赤い月が無数の蝶になって、彼女の周りを飛び回り彼女の中に消えていった。
揚羽が体をくねらせ空を舞うと、彼女は赤いアゲハチョウになっていた。
「赤い赤いアゲハ蝶、彼女は人々に死をまき散らす……」
御園は、大きな一本杉から彼女を見ていた。
「それでも、好きなだったあの赤い残酷な風景の中で、君だけがただ愛するものだった……」
「でも……、僕の中の正しさが、君を、僕の愛を殺す時が来たようだ……」
そう言うと、彼の着物とトンボが一斉に飛び立ち、彼の愛するものを撃ち落とした。
アゲハ蝶だったものはバラバラになって消えていく。
「みそのさん……」
その声が彼の耳まで届いたのだろうか?
おわり
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