1 / 1
水玉模様のアイス
しおりを挟む
8月の昼下がりの公園は、いつもあまりの暑さで人がいない。
でも、今にも雨が降り出しそうな天気の今日は、小学2年生あずさとののが遊びに来ていた。
マシュルームのような髪型で、ふわぁーっとしているワーンピースを着ている女の子があずさ。
ののは、長い髪を後ろでちょこんとまとめている、ボーイッシュな恰好な女の子。
ふたりは、今日はノートの張ったシールをお互いに見せあいっこ。
「キラキラカードのリリンは絶対でない!」
「あ~あぁ~もうリリンとカスミのシール集めるのやめようかな~」
そう言ったはのの。
「でも、おねえさんの友達の友達は、出たって言ってたよ」
あずさがそう言うと、ののはまたぁーという顔をして頭の後ろで腕組みをした。
「だってあきたんだもん、もういいよ――シールは」
あずさは、ののがそういい出すと、しばらく意見を変えない事を知っていたので、黙ってシールのノートを膝の上で閉じ鞄にしまった。
その時、公園の入り口から、誰かの声が聞こえました。
「アイス、アイスはいらんかぁねぇ~♪ 美味しいアイス、夢にアイス、そんな水玉模様のアイスいらんかぁ~ねぇ~♪」
二人が見に行くとそこに居たのは、小さなお店の引いた水色、水玉模様のくまでした。
「お客さんですか? 」
水玉模様のくまの声は案外かわいい子供の声。
「「キャー可愛い」」安心して声を揃え、くまに近づきました。
「待って!」 「待って!」「いいね……蹴るのはなし! 叩くのもなし! いいね?」
くまは、少し後ろずさってあわてて言いました。
「「わかったー!」」
「本当にわかった?」「痛い事したら先生に言いつけるからね! いいね」
「うん、うんわかった」「約束する」
「じゃー信用するけどさ……」
「じゃ……行くよ――ぼくは水玉模様のアイス売り、今日はこの街に来たよ! 君たちから大事な宝物を貰ったら、だいたい8年後に君へあめのアイスをお届けするよ!詳しくは大人に聞いてね!」水玉模様のくまは、息継ぎなしで話ました。
「はやーい」「早くてわかんなーい」「もう1回! もう1回!」
あずさとののは、水玉模様のくまの周りを跳びはねながら手を打ち鳴らしました。
「だめ、だめ君たち子供は、ちゃんと言ったらちゃんと言ったで……」
「飽きた……とか言ってもうどこか行こうとか、言ってどこかへ行っちゃうんだから――!」
「くまさん泣いてるの? くまさん泣かないでよしよし」あずさがそう言うと、ののも一緒に「よしよしいい子だね」と言いふたりでくまの背中をトントンしました。
「あずさ? 何やってるの?」
そこへ現れたのは、あずさのお父さんでした。
あずさのお父さんはくまを見て目をまるくしました。
「いやー水玉模様のくまは、本当に居たんだ」
「僕の前には一度しかあられなかったから夢か、怪談話をみんな話しているのかと思ったよ!」
「君は、僕の事2回、痛く叩いて、1回蹴って説明途中で、消えたからね……」
水玉模様くまは、小さな声でいいました。
でも、二人には聞こえたようで、非難の荒らしが巻き起こります。
「えぇ――お父さん最低――!くまさんにあやまって!」あずさがそう言うと、ののも「うんうん」と言いました。
ふたりに言われあずさのお父さんは頭をかきながら「ごめんねくまくん」そう言と、ふたりはくまにだけ聞こえる声で「いいよ、だよくまさん」
そう言うのでくまはしぶしぶ……。
「いいよ」と言いました。
「君の今日の言葉も大切な思い出になるだらう、お代としてあげるよ」
「はいどうぞ」
くまさんは引いていた、お店の冷凍ケースからとっても素敵な、素敵な水色のくまさんと同じ水玉模様のアイスを、あずさのお父さんにさしだしました。
「えっいいの?」
「特別ね」
くまさんにっこり笑ってる。
「でも、一人で食べてね」
「君たちの分はまた今度」
そう言うとくまさんは、どこかへ行ってしまいました。
「お父さん!」「おじさん!」
「溶けちゃう!溶けちゃう!」
お父さんさんがアイスを食べると、雨が降り出して雨の粒がキラキラ光って、子供の頃の懐かしい仲間、おもちゃ、いろいろな懐かしい思い出が水玉模様の一つに一つ映り込んで消えました。
話しているクマくんを、置いてどこかにいってしまうお父さんの子供の頃の姿ももちろんちゃんとありました。
あずさちゃんとののちゃんは、それを見てクスクスと笑ったのでした。
おわり
でも、今にも雨が降り出しそうな天気の今日は、小学2年生あずさとののが遊びに来ていた。
マシュルームのような髪型で、ふわぁーっとしているワーンピースを着ている女の子があずさ。
ののは、長い髪を後ろでちょこんとまとめている、ボーイッシュな恰好な女の子。
ふたりは、今日はノートの張ったシールをお互いに見せあいっこ。
「キラキラカードのリリンは絶対でない!」
「あ~あぁ~もうリリンとカスミのシール集めるのやめようかな~」
そう言ったはのの。
「でも、おねえさんの友達の友達は、出たって言ってたよ」
あずさがそう言うと、ののはまたぁーという顔をして頭の後ろで腕組みをした。
「だってあきたんだもん、もういいよ――シールは」
あずさは、ののがそういい出すと、しばらく意見を変えない事を知っていたので、黙ってシールのノートを膝の上で閉じ鞄にしまった。
その時、公園の入り口から、誰かの声が聞こえました。
「アイス、アイスはいらんかぁねぇ~♪ 美味しいアイス、夢にアイス、そんな水玉模様のアイスいらんかぁ~ねぇ~♪」
二人が見に行くとそこに居たのは、小さなお店の引いた水色、水玉模様のくまでした。
「お客さんですか? 」
水玉模様のくまの声は案外かわいい子供の声。
「「キャー可愛い」」安心して声を揃え、くまに近づきました。
「待って!」 「待って!」「いいね……蹴るのはなし! 叩くのもなし! いいね?」
くまは、少し後ろずさってあわてて言いました。
「「わかったー!」」
「本当にわかった?」「痛い事したら先生に言いつけるからね! いいね」
「うん、うんわかった」「約束する」
「じゃー信用するけどさ……」
「じゃ……行くよ――ぼくは水玉模様のアイス売り、今日はこの街に来たよ! 君たちから大事な宝物を貰ったら、だいたい8年後に君へあめのアイスをお届けするよ!詳しくは大人に聞いてね!」水玉模様のくまは、息継ぎなしで話ました。
「はやーい」「早くてわかんなーい」「もう1回! もう1回!」
あずさとののは、水玉模様のくまの周りを跳びはねながら手を打ち鳴らしました。
「だめ、だめ君たち子供は、ちゃんと言ったらちゃんと言ったで……」
「飽きた……とか言ってもうどこか行こうとか、言ってどこかへ行っちゃうんだから――!」
「くまさん泣いてるの? くまさん泣かないでよしよし」あずさがそう言うと、ののも一緒に「よしよしいい子だね」と言いふたりでくまの背中をトントンしました。
「あずさ? 何やってるの?」
そこへ現れたのは、あずさのお父さんでした。
あずさのお父さんはくまを見て目をまるくしました。
「いやー水玉模様のくまは、本当に居たんだ」
「僕の前には一度しかあられなかったから夢か、怪談話をみんな話しているのかと思ったよ!」
「君は、僕の事2回、痛く叩いて、1回蹴って説明途中で、消えたからね……」
水玉模様くまは、小さな声でいいました。
でも、二人には聞こえたようで、非難の荒らしが巻き起こります。
「えぇ――お父さん最低――!くまさんにあやまって!」あずさがそう言うと、ののも「うんうん」と言いました。
ふたりに言われあずさのお父さんは頭をかきながら「ごめんねくまくん」そう言と、ふたりはくまにだけ聞こえる声で「いいよ、だよくまさん」
そう言うのでくまはしぶしぶ……。
「いいよ」と言いました。
「君の今日の言葉も大切な思い出になるだらう、お代としてあげるよ」
「はいどうぞ」
くまさんは引いていた、お店の冷凍ケースからとっても素敵な、素敵な水色のくまさんと同じ水玉模様のアイスを、あずさのお父さんにさしだしました。
「えっいいの?」
「特別ね」
くまさんにっこり笑ってる。
「でも、一人で食べてね」
「君たちの分はまた今度」
そう言うとくまさんは、どこかへ行ってしまいました。
「お父さん!」「おじさん!」
「溶けちゃう!溶けちゃう!」
お父さんさんがアイスを食べると、雨が降り出して雨の粒がキラキラ光って、子供の頃の懐かしい仲間、おもちゃ、いろいろな懐かしい思い出が水玉模様の一つに一つ映り込んで消えました。
話しているクマくんを、置いてどこかにいってしまうお父さんの子供の頃の姿ももちろんちゃんとありました。
あずさちゃんとののちゃんは、それを見てクスクスと笑ったのでした。
おわり
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説

ティラノサウルスの兄だいジンゴとツノ
モモンとパパン
児童書・童話
ティラノサウルスのお兄ちゃんのジンゴと弟のツノは、食事を済ませると
近くの広場へ遊びに行きました。
兄だいで、どちらが勝つのか競争をしました。勝ったのはどちらでしょうか?
そこへ、トリケラトプスの群れがやって来ました。
児童小説をどうぞ
小木田十(おぎたみつる)
児童書・童話
児童小説のコーナーです。大人も楽しめるよ。 / 小木田十(おぎたみつる)フリーライター。映画ノベライズ『ALWAIS 続・三丁目の夕日 完全ノベライズ版』『小説 土竜の唄』『小説 土竜の唄 チャイニーズマフィア編』『闇金ウシジマくん』などを担当。2023年、掌編『限界集落の引きこもり』で第4回引きこもり文学大賞 三席入選。2024年、掌編『鳥もつ煮』で山梨日日新聞新春文芸 一席入選(元旦紙面に掲載)。

カゲロウ飛んだ
まちゃかり
児童書・童話
カゲロウは幼虫だと最大1年以上生きるのに対して、成虫になると長くても数時間〜2週間の命しか無いらしいです。成虫は口が退化してるからってのも関係してそう。
そういえば成虫になって数時間の間に産卵諸々を終わらせて散るんですかね。カゲロウにわかだから分かんないです。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。

いたずらてんしとうれしいのほし
戸波ミナト
絵本
いたずらてんしはうっかり弓矢でサンタさんをうちおとしてしまいました。
サンタさんは冬の国にプレゼントを届けに行くとちゅうです。
いたずらてんしはいたずらのおわびにプレゼントくばりをてつだいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
感想ありがとうございます。ワクワクしました。
みんなにインタビューしてみました。
三人の宝物は何ですか?
「秘密!」「水玉熊さんとの秘密なのー」
「「ねー」」
「お父さんも秘密だよね?」
「ははは、まぁそうだね」
ののちゃんのお父さんどんな味でしたか?
「美味しいかったのだけど、皆に聞いたらそれぞれアイスの味が違うんだよね?なんだろうね?」
「えっ?僕のアイスは、どんな味だったか?」
「え……昔だしね……思い出せないなぁ」
あまりわかりませんでした…。
読んくださってありがとうございました。
また、どこかで〜