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夏休み
8月の盆踊り
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8月に入ると盆踊りって言うものをやるらしい。
みずほちゃんの夏休みが始まったある日。
僕は、公園の掲示板で、盆踊りのお知らせを見つけた。
へぇ――。なんだろう? と思っていたら……。
8月に入って何日かすると、その公園にいつの間にか何か出来ている。
「みずほちゃん公園に何か出来てるね。あれ何? お祭り?」
テーブルで、まんがの雑誌を読んでいた。みずほちゃんは、雑誌をめくりながら――。
「えっとね……さっきあったけど…………あった。ここのページ見て」
「たいこを、たたくこばやしくんかっこいい? ひらがなは、なんでそんなに、小さいの? 見えにくいんだけど……!」
「違うよ、そのまわりの絵だよ。ほらこれ提灯をずらぁ~~~~~~~~っとつけてるでしょう、そしてこの櫓やぐらの上で、小林君みたいに太鼓を叩く人がいて。そのまわりをみんな踊るんだよ」
「それ楽しいの?」
「うーん、楽しいかな? そして私達には懐かしい祭りだから……稲穂いなほも一度行った方がいいよ、絶対」
「そっか……。わかった! ありがとう みずほちゃん」
あずき先輩と舞を踊っても楽しい、だからみんなで踊っても楽しいんだろうな……。でも、うまく踊れるかな?
★☆★☆★
ある日、朝からお仕事だった僕が、うちに帰るとあずき先輩が、机の上の紙を見ていた。
「あずき先輩、何見てるの? 美味しもの?」
「違う、今週の土・日にやる盆踊りのお知らせのプリントを見てたんだ。この日はお前も一緒に出掛けるからな。ちょっと帰るの遅くなると思うから昼寝をしとくといいぞ」
あずき先輩は、僕に紙を親指と人差し指で持ってぴらぴら見せるけど、漢字だけだと難しくてまだ読めない。
「あずき先輩、盆踊りの練習しないの? 奉納の舞の練習だけして大丈夫?」
「稲穂いなほ……、盆踊りは、1時間やるんだ……。しかも、ずっと同じ踊りじゃなくて、結構たくさんの踊りを踊る……だから……」
「だから……」
これは、あずき先輩が大切な事を言う流れ……。
「やぐらの上の人の真似をすれば、大丈夫だ」
「えっ? そんな感じでいいの?」
「たぶん……。町内会の会長は、時々、テレビでやってる新曲の踊りも入れて来るから、そんな感じでいいんじゃないか? すご――く、知りたいなら、お母さんに聞けばいいぞ、今年も櫓やぐらに近い輪わで踊るらしいから夕方から、公民館へ習いに行ってるからな」
「へぇ……たくさんの踊りの種類があるんだ……」
「まっ、そうだな、まぁ……おれは探すのが、忙しいから踊らないけどな」
「探すんだ……」
「まぁ。見つかったら稲穂いなほにも紹介してやるから――お前が楽しんで踊ってればいいよ」
「わかった。楽しんで踊ります」
盆踊りは、いろいろあるのはわかった。僕も踊るけど……実は、こばやしくんみたいに太鼓を叩いて、みずほちゃんやみんなにかっこいいって、言われたいかもしれない……。
叩けるだろうか……太鼓。
☆★☆★☆
そして土曜日の今日……。
お母さんが、「今日は盆踊り出来そうね」って、言うのを聞いて盆踊りの事を思い出した。
昨日、台風だったから本当に忘れてた。 楽しみにしていたのに本当に、凄く忘れてて、びっくりした! のだけど思い出せて良かった。昼寝しとかなきゃ。
夕方、まだまだ外が明るいうちに、お母さんとみずほちゃんは会場へ行ってしまった。夕方近くなると、僕の甚平のひもは、あずき先輩に教えて貰いながらむすぶ。あずき先輩は、美味しそうな鯉の着物の着崩きくずれがないかお父さんに、見て貰って、『消』のカードを使ってから三人で出発。
公園では、お面の屋台が出ていている。それとは別に、祭り事務所に行くと、猫のお面のプリントされた紙と輪ゴムが2個貰える。中には手作りのしっぽを付けている人もいる。
みんな櫓やぐらの上や、踊る人を見ながら踊っている。みんなそんな感じなら、ちょっとくらい間違っても大丈夫そう。なんかちょっと安心した。
でも不思議。お面があるから、誰が誰かわからない。僕が子ども達と普通に話しても、きっと誰かと間違えて普通にお話が出来るかもしれない。僕も踊りの輪の中に入る前に、猫の面をつけてみる。
そうする事で、僕は猫のお面をつけた猫じゃないただの普通の子ども成分80%アップする。よくわからないけど、当社比ってやつ?
盆踊りは楽しい、輪になって踊っていると、するがくんを見つけた。するがくんは、踊らずにはじっこで、かき氷食べてた。
「するがくん、こんばんは」
でも、僕に気付かないみたい。あっ……僕は、彼の肩をちょんちょんとつつく。そうすると、するがくんは振り返る。
「あぁ……。神代さんとこの稲穂いなほくんか、あれ? 一人? 瑞穂みずほは?」
「みずほちゃんなら、お母さんと盆踊り習ってたから、真ん中の方で踊るんだって」
「そっか……瑞穂は、相変わらずだよなぁ……」そう言って、かき氷をゆっくり食べた。
「おおいぃ――駿河するが、先に食べるなよ」
太郎くんが、たこ焼きを持ってやって来たので、僕はするがくんにバイバイをした。
僕は、あずき先輩とお父さんの所へ行く。
ジャングルジムの所で、ふたりとも、もたれかかりながら僕を待ってた。でも、お父さんはすぐに知り合いに会って、挨拶をして忙しそう。
あずき先輩が僕に近寄って、二つの入れ物を袋から少し出してみせてくれる。
「お前は、お好み焼きとたこ焼きどっちがいい? お好み焼きは、豚玉な」
「ぶたたま……」
(なんだろう……)
「豚と卵じゃないか? たぶん。とにかくどっちか選べ」
「じゃ……豚玉で、おねがいしゃす」
「お願いします なっ」あずき先輩は、腕にかけたビニール袋からパックを取り出して僕にくれた。
僕達は、3人で、ひいてあるビニールシートの所へ行くと、みんなで仲良く食べた。お好み焼きも、なかなか美味しい。明日もお好み焼きでいいかもしれない? 全部食べて、お茶を飲む。ごちそうさま!
すると、みずほちゃんがやって来た。
「お父さん、あずき、おじぃちゃんと扇おうぎいた。ほら、あそこ」
おじぃさんと、僕達と同じ猫のお面を付けた、茶色の髪のお兄さん。おじいさんは、手を振って、お兄さんが頭を下げた。
「扇おうぎは、おじぃちゃんと逝く事を選んだんだね……」みずほちゃんは、懐かしそうにそう言い。
「よく喧嘩をしてたけど、あの二人はなんやかんやで、仲が良かったからな……よく喧嘩をしてたけど」
あずき先輩は、そう言うと、僕に前に押し出す。
「俺の先輩で、お前の先輩の先輩、ほらちゃんと頭下げて挨拶しておけ」
あずき先輩が静かにそう言うので、僕は頭をさげた。
二人はこっちに、笑顔で手を振ってくれた。
「お父さん、手を……」僕の横を見上げるとお父さんは、静かに泣いていた。
だから僕は、お父さんと静かに手をつないだ。僕の手をみずほちゃん、みずほちゃんの手をあずき先輩。みんなが、誰かの手をつないでいた。その間……。
そうすると、お母さんもやって来て、静かにお父さんの背中をさすっていた。
おじぃちゃんとおうぎ先輩は、僕達にまた手を振ると、人込みの中に入って行った。
「もう、お盆も終わりだな」そう、あずき先輩が言う……。
でも、楽し気な盆踊りの歌はふたたびはじまる。
僕は、皆の手を引いて、そのまま踊りの輪に進んで行く。
「今度は、みんなで踊ろう!」
おわり
みずほちゃんの夏休みが始まったある日。
僕は、公園の掲示板で、盆踊りのお知らせを見つけた。
へぇ――。なんだろう? と思っていたら……。
8月に入って何日かすると、その公園にいつの間にか何か出来ている。
「みずほちゃん公園に何か出来てるね。あれ何? お祭り?」
テーブルで、まんがの雑誌を読んでいた。みずほちゃんは、雑誌をめくりながら――。
「えっとね……さっきあったけど…………あった。ここのページ見て」
「たいこを、たたくこばやしくんかっこいい? ひらがなは、なんでそんなに、小さいの? 見えにくいんだけど……!」
「違うよ、そのまわりの絵だよ。ほらこれ提灯をずらぁ~~~~~~~~っとつけてるでしょう、そしてこの櫓やぐらの上で、小林君みたいに太鼓を叩く人がいて。そのまわりをみんな踊るんだよ」
「それ楽しいの?」
「うーん、楽しいかな? そして私達には懐かしい祭りだから……稲穂いなほも一度行った方がいいよ、絶対」
「そっか……。わかった! ありがとう みずほちゃん」
あずき先輩と舞を踊っても楽しい、だからみんなで踊っても楽しいんだろうな……。でも、うまく踊れるかな?
★☆★☆★
ある日、朝からお仕事だった僕が、うちに帰るとあずき先輩が、机の上の紙を見ていた。
「あずき先輩、何見てるの? 美味しもの?」
「違う、今週の土・日にやる盆踊りのお知らせのプリントを見てたんだ。この日はお前も一緒に出掛けるからな。ちょっと帰るの遅くなると思うから昼寝をしとくといいぞ」
あずき先輩は、僕に紙を親指と人差し指で持ってぴらぴら見せるけど、漢字だけだと難しくてまだ読めない。
「あずき先輩、盆踊りの練習しないの? 奉納の舞の練習だけして大丈夫?」
「稲穂いなほ……、盆踊りは、1時間やるんだ……。しかも、ずっと同じ踊りじゃなくて、結構たくさんの踊りを踊る……だから……」
「だから……」
これは、あずき先輩が大切な事を言う流れ……。
「やぐらの上の人の真似をすれば、大丈夫だ」
「えっ? そんな感じでいいの?」
「たぶん……。町内会の会長は、時々、テレビでやってる新曲の踊りも入れて来るから、そんな感じでいいんじゃないか? すご――く、知りたいなら、お母さんに聞けばいいぞ、今年も櫓やぐらに近い輪わで踊るらしいから夕方から、公民館へ習いに行ってるからな」
「へぇ……たくさんの踊りの種類があるんだ……」
「まっ、そうだな、まぁ……おれは探すのが、忙しいから踊らないけどな」
「探すんだ……」
「まぁ。見つかったら稲穂いなほにも紹介してやるから――お前が楽しんで踊ってればいいよ」
「わかった。楽しんで踊ります」
盆踊りは、いろいろあるのはわかった。僕も踊るけど……実は、こばやしくんみたいに太鼓を叩いて、みずほちゃんやみんなにかっこいいって、言われたいかもしれない……。
叩けるだろうか……太鼓。
☆★☆★☆
そして土曜日の今日……。
お母さんが、「今日は盆踊り出来そうね」って、言うのを聞いて盆踊りの事を思い出した。
昨日、台風だったから本当に忘れてた。 楽しみにしていたのに本当に、凄く忘れてて、びっくりした! のだけど思い出せて良かった。昼寝しとかなきゃ。
夕方、まだまだ外が明るいうちに、お母さんとみずほちゃんは会場へ行ってしまった。夕方近くなると、僕の甚平のひもは、あずき先輩に教えて貰いながらむすぶ。あずき先輩は、美味しそうな鯉の着物の着崩きくずれがないかお父さんに、見て貰って、『消』のカードを使ってから三人で出発。
公園では、お面の屋台が出ていている。それとは別に、祭り事務所に行くと、猫のお面のプリントされた紙と輪ゴムが2個貰える。中には手作りのしっぽを付けている人もいる。
みんな櫓やぐらの上や、踊る人を見ながら踊っている。みんなそんな感じなら、ちょっとくらい間違っても大丈夫そう。なんかちょっと安心した。
でも不思議。お面があるから、誰が誰かわからない。僕が子ども達と普通に話しても、きっと誰かと間違えて普通にお話が出来るかもしれない。僕も踊りの輪の中に入る前に、猫の面をつけてみる。
そうする事で、僕は猫のお面をつけた猫じゃないただの普通の子ども成分80%アップする。よくわからないけど、当社比ってやつ?
盆踊りは楽しい、輪になって踊っていると、するがくんを見つけた。するがくんは、踊らずにはじっこで、かき氷食べてた。
「するがくん、こんばんは」
でも、僕に気付かないみたい。あっ……僕は、彼の肩をちょんちょんとつつく。そうすると、するがくんは振り返る。
「あぁ……。神代さんとこの稲穂いなほくんか、あれ? 一人? 瑞穂みずほは?」
「みずほちゃんなら、お母さんと盆踊り習ってたから、真ん中の方で踊るんだって」
「そっか……瑞穂は、相変わらずだよなぁ……」そう言って、かき氷をゆっくり食べた。
「おおいぃ――駿河するが、先に食べるなよ」
太郎くんが、たこ焼きを持ってやって来たので、僕はするがくんにバイバイをした。
僕は、あずき先輩とお父さんの所へ行く。
ジャングルジムの所で、ふたりとも、もたれかかりながら僕を待ってた。でも、お父さんはすぐに知り合いに会って、挨拶をして忙しそう。
あずき先輩が僕に近寄って、二つの入れ物を袋から少し出してみせてくれる。
「お前は、お好み焼きとたこ焼きどっちがいい? お好み焼きは、豚玉な」
「ぶたたま……」
(なんだろう……)
「豚と卵じゃないか? たぶん。とにかくどっちか選べ」
「じゃ……豚玉で、おねがいしゃす」
「お願いします なっ」あずき先輩は、腕にかけたビニール袋からパックを取り出して僕にくれた。
僕達は、3人で、ひいてあるビニールシートの所へ行くと、みんなで仲良く食べた。お好み焼きも、なかなか美味しい。明日もお好み焼きでいいかもしれない? 全部食べて、お茶を飲む。ごちそうさま!
すると、みずほちゃんがやって来た。
「お父さん、あずき、おじぃちゃんと扇おうぎいた。ほら、あそこ」
おじぃさんと、僕達と同じ猫のお面を付けた、茶色の髪のお兄さん。おじいさんは、手を振って、お兄さんが頭を下げた。
「扇おうぎは、おじぃちゃんと逝く事を選んだんだね……」みずほちゃんは、懐かしそうにそう言い。
「よく喧嘩をしてたけど、あの二人はなんやかんやで、仲が良かったからな……よく喧嘩をしてたけど」
あずき先輩は、そう言うと、僕に前に押し出す。
「俺の先輩で、お前の先輩の先輩、ほらちゃんと頭下げて挨拶しておけ」
あずき先輩が静かにそう言うので、僕は頭をさげた。
二人はこっちに、笑顔で手を振ってくれた。
「お父さん、手を……」僕の横を見上げるとお父さんは、静かに泣いていた。
だから僕は、お父さんと静かに手をつないだ。僕の手をみずほちゃん、みずほちゃんの手をあずき先輩。みんなが、誰かの手をつないでいた。その間……。
そうすると、お母さんもやって来て、静かにお父さんの背中をさすっていた。
おじぃちゃんとおうぎ先輩は、僕達にまた手を振ると、人込みの中に入って行った。
「もう、お盆も終わりだな」そう、あずき先輩が言う……。
でも、楽し気な盆踊りの歌はふたたびはじまる。
僕は、皆の手を引いて、そのまま踊りの輪に進んで行く。
「今度は、みんなで踊ろう!」
おわり
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