12 / 37
夏休み
午後の休息
しおりを挟む
みずほちゃんは、今日の朝――。
「図書館へ行くの」と、朝ごはんの時に言った。
ラジオ体操と朝稽古を、終えた僕は猫に戻って朝のカリカリと言うか、猫のドライフードを食べていた。
「みずほは、夏休みにもどこかへ行くんだな……」
稽古から帰って「疲れた」と言って、テーブルに座ったあずき先輩は、朝の料理番組を見ながらそう言った。料理の先生とアナウンサーのお兄さんが、今日は夏に涼しく美味しそうなおやつを作っている。テレビから取り出せればいいのになぁ……。
「あずき、また作るの?」
「簡単ならな……」
あずき先輩は、みずほちゃんに返事をしたけど、目はテレビに釘付けだ。
「あずきが、料理を作るのはいいけど、私が料理を作ると、横で何か言いたそうにしてるのは気になるんだけど――お父さんがいてもそんな事ないのに」
みずほちゃんの愚痴より、料理番組の方が気になる様で、あずき先輩からの返事はなかった。
(みずほちゃんの気持ちわかる……)
まぁーしかし僕達、猫は、ハンターだからきっとご飯を目の前にすると、『食べちゃうぞ』って感じが出てしまうのも仕方がないかもしれない。
百獣、ライオンは猫科で仲間だし……。けど、あずき先輩は、食いしん坊なだけだと思うけど。
「なぁ……稲穂、俺達も漢字の勉強の本でも探しに図書館へ行くか?」
「今日はだめ! 今日はだめだよ…… 稲穂は、もう猫の姿だし、変身がとけたら稲穂はまだ思うように変身出来ないでしよ?」
あずき先輩の提案を、みずほちゃんは慌てて否定する。なんか怪しい……。
「そっか……、稲穂、早く大人になって、しっぽをもっとはやそうなぁ」
あずき先輩が、僕の前にアヒルさんのようにすわり、首をかしげながら僕に話しかける。
(アイスの為に、僕は頑張る)
「稲穂は、子猫の今も、十分頑張ってるからそんなに急がせなくていいの」
みずほちゃんも、あずき先輩の横で、アヒルさんぽく座った。僕は、みずほのちゃんの足に手をかけて言う。
ニャーン(うん、僕は頑張ってる)
みずほちゃんは、僕を撫でてから……。
「じゃあ、行って来ようかな?」
「おう!行ってこい」 ニャン
「いってきます」
みずほちゃんが、行ってしまった……。
僕は寂しくなって歩いていると、ごはんの匂い……。
ニャーン(ご飯まだたっかも?!)
「稲穂……それは、俺のだから」
残念あずき先輩が、椅子に座りながら声をかけてきた。仕方ない。チラッ、見てない隙に……チラチラッ。
それなのにカリカリは、猫のあずき先輩がもうを食べてた。,こんな時だけ早いなんてひどい!
……寝よう……。
☆★☆★☆
僕が寝てると――。
「ただいま」
もうみずほちゃんが、帰ってきた。
「おじゃまします」
「おかえりなさい、あら~駿河くんじゃない。ラジオ体操は、毎日来てくれるけど、家に来てくれるのは久しぶりねぇ」
するがくんとお母さんの声もする。
「お母さん、駿河くんが、あずきと稲穂みたいって」
「そうなの、稲穂はそこで寝てたけど、あずきは逃げちゃったかもね?」
僕は、辺りを見渡すとあずき先輩は、本当にいなかった。
「やっぱりあずきは居ないみたい」みずほちゃんは残念そうにそう言うと、するがくんと、僕の前に座る。
「この子が稲穂くんか、人間の時は、あまりわからなかったけど、三毛猫なんだね」
そう言って僕の頭を撫でた、するがくんは、ポケットをごそごそして何か取り出す。たぶん、食べ物、お菓子?ちょうだい。
「これ、うちの猫のおやつだけどあげていい?」
「ありがとう、1つくらいならいいよ」
「はい、稲穂くん食べていいって」
ぴょんぷょんぴょん。百獣の王の仲間の僕は、すごいジャンプ力でするがくんのまわりを跳びまわる。するがくんはそんな僕に恐怖しおやつをくれた。
「かわいいね、食べてる」するがくんは、僕の頭をなでる。その片手で、ポケットからまた違うおやつを取り出すので――。
僕は、片手でそのおやつも抑え込む。もしかしたら、百獣の王なるかもしれない。いや、僕が百獣の王かもしれない。百獣の王ですから――おやつは僕の物です!
「稲穂、1つだけだよ」
おやつを貰えるはずが、取られてしまった。こっちのおやつはもう食べたしもう寝よう……。
「凄い力だったねぇ、久しぶりにあずきくんとも、今日も会いたかったけど居ないなら仕方ないか」
「あずきは、長く生きてるから面倒そうな時は、すぐ二階に逃げちゃから」
「じゃ……また、寝てそうな時また来るよ」
「うんうん、寝てる時は、大丈夫だと思う!」
なんて恐ろしい事を言うんだ、君たちうっかり寝てられないな、寝てるとお菓子貰えないかもしれないじゃない。
「じゃ――今日は、ありがとうね。あっ……これあずきくんに」
「玄関まで、送ってく」
そうして、するがくんは、「おじゃましました――」と言って帰って行った。みずほちゃんとするがくんは、ちょっと仲良くなったみたい。ふぅ~んそうなんだ。
美味しいおやつともやもやが一緒に来て不思議な日だった。
おわ……そう言えば、するがくんが、帰った後、すぐにあずき先輩が、すぐに二階から降りて来た。
ちゃっかり聞いていて、にゃんにゃんと言ってみずほちゃんに、おやつもらっていたから、やっぱり先輩はただの食いしん坊なのかもね。
おわり
「図書館へ行くの」と、朝ごはんの時に言った。
ラジオ体操と朝稽古を、終えた僕は猫に戻って朝のカリカリと言うか、猫のドライフードを食べていた。
「みずほは、夏休みにもどこかへ行くんだな……」
稽古から帰って「疲れた」と言って、テーブルに座ったあずき先輩は、朝の料理番組を見ながらそう言った。料理の先生とアナウンサーのお兄さんが、今日は夏に涼しく美味しそうなおやつを作っている。テレビから取り出せればいいのになぁ……。
「あずき、また作るの?」
「簡単ならな……」
あずき先輩は、みずほちゃんに返事をしたけど、目はテレビに釘付けだ。
「あずきが、料理を作るのはいいけど、私が料理を作ると、横で何か言いたそうにしてるのは気になるんだけど――お父さんがいてもそんな事ないのに」
みずほちゃんの愚痴より、料理番組の方が気になる様で、あずき先輩からの返事はなかった。
(みずほちゃんの気持ちわかる……)
まぁーしかし僕達、猫は、ハンターだからきっとご飯を目の前にすると、『食べちゃうぞ』って感じが出てしまうのも仕方がないかもしれない。
百獣、ライオンは猫科で仲間だし……。けど、あずき先輩は、食いしん坊なだけだと思うけど。
「なぁ……稲穂、俺達も漢字の勉強の本でも探しに図書館へ行くか?」
「今日はだめ! 今日はだめだよ…… 稲穂は、もう猫の姿だし、変身がとけたら稲穂はまだ思うように変身出来ないでしよ?」
あずき先輩の提案を、みずほちゃんは慌てて否定する。なんか怪しい……。
「そっか……、稲穂、早く大人になって、しっぽをもっとはやそうなぁ」
あずき先輩が、僕の前にアヒルさんのようにすわり、首をかしげながら僕に話しかける。
(アイスの為に、僕は頑張る)
「稲穂は、子猫の今も、十分頑張ってるからそんなに急がせなくていいの」
みずほちゃんも、あずき先輩の横で、アヒルさんぽく座った。僕は、みずほのちゃんの足に手をかけて言う。
ニャーン(うん、僕は頑張ってる)
みずほちゃんは、僕を撫でてから……。
「じゃあ、行って来ようかな?」
「おう!行ってこい」 ニャン
「いってきます」
みずほちゃんが、行ってしまった……。
僕は寂しくなって歩いていると、ごはんの匂い……。
ニャーン(ご飯まだたっかも?!)
「稲穂……それは、俺のだから」
残念あずき先輩が、椅子に座りながら声をかけてきた。仕方ない。チラッ、見てない隙に……チラチラッ。
それなのにカリカリは、猫のあずき先輩がもうを食べてた。,こんな時だけ早いなんてひどい!
……寝よう……。
☆★☆★☆
僕が寝てると――。
「ただいま」
もうみずほちゃんが、帰ってきた。
「おじゃまします」
「おかえりなさい、あら~駿河くんじゃない。ラジオ体操は、毎日来てくれるけど、家に来てくれるのは久しぶりねぇ」
するがくんとお母さんの声もする。
「お母さん、駿河くんが、あずきと稲穂みたいって」
「そうなの、稲穂はそこで寝てたけど、あずきは逃げちゃったかもね?」
僕は、辺りを見渡すとあずき先輩は、本当にいなかった。
「やっぱりあずきは居ないみたい」みずほちゃんは残念そうにそう言うと、するがくんと、僕の前に座る。
「この子が稲穂くんか、人間の時は、あまりわからなかったけど、三毛猫なんだね」
そう言って僕の頭を撫でた、するがくんは、ポケットをごそごそして何か取り出す。たぶん、食べ物、お菓子?ちょうだい。
「これ、うちの猫のおやつだけどあげていい?」
「ありがとう、1つくらいならいいよ」
「はい、稲穂くん食べていいって」
ぴょんぷょんぴょん。百獣の王の仲間の僕は、すごいジャンプ力でするがくんのまわりを跳びまわる。するがくんはそんな僕に恐怖しおやつをくれた。
「かわいいね、食べてる」するがくんは、僕の頭をなでる。その片手で、ポケットからまた違うおやつを取り出すので――。
僕は、片手でそのおやつも抑え込む。もしかしたら、百獣の王なるかもしれない。いや、僕が百獣の王かもしれない。百獣の王ですから――おやつは僕の物です!
「稲穂、1つだけだよ」
おやつを貰えるはずが、取られてしまった。こっちのおやつはもう食べたしもう寝よう……。
「凄い力だったねぇ、久しぶりにあずきくんとも、今日も会いたかったけど居ないなら仕方ないか」
「あずきは、長く生きてるから面倒そうな時は、すぐ二階に逃げちゃから」
「じゃ……また、寝てそうな時また来るよ」
「うんうん、寝てる時は、大丈夫だと思う!」
なんて恐ろしい事を言うんだ、君たちうっかり寝てられないな、寝てるとお菓子貰えないかもしれないじゃない。
「じゃ――今日は、ありがとうね。あっ……これあずきくんに」
「玄関まで、送ってく」
そうして、するがくんは、「おじゃましました――」と言って帰って行った。みずほちゃんとするがくんは、ちょっと仲良くなったみたい。ふぅ~んそうなんだ。
美味しいおやつともやもやが一緒に来て不思議な日だった。
おわ……そう言えば、するがくんが、帰った後、すぐにあずき先輩が、すぐに二階から降りて来た。
ちゃっかり聞いていて、にゃんにゃんと言ってみずほちゃんに、おやつもらっていたから、やっぱり先輩はただの食いしん坊なのかもね。
おわり
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
王妃から夜伽を命じられたメイドのささやかな復讐
当麻月菜
恋愛
没落した貴族令嬢という過去を隠して、ロッタは王宮でメイドとして日々業務に勤しむ毎日。
でもある日、子宝に恵まれない王妃のマルガリータから国王との夜伽を命じられてしまう。
その理由は、ロッタとマルガリータの髪と目の色が同じという至極単純なもの。
ただし、夜伽を務めてもらうが側室として召し上げることは無い。所謂、使い捨ての世継ぎ製造機になれと言われたのだ。
馬鹿馬鹿しい話であるが、これは王命─── 断れば即、極刑。逃げても、極刑。
途方に暮れたロッタだけれど、そこに友人のアサギが現れて、この危機を切り抜けるとんでもない策を教えてくれるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる