魔王がやって来たので

さよなら海の見える街

忍んで無いミッシェル

　僕らは山沿いの道を歩いていた。

　近くには活火山があり温泉が近くに湧いている。

　知らない内にたまっていた、疲れを癒すために早い時間であるが、今日はここで一泊する事になった。

　久しぶりの休日、そしてフィーナが「近くに冬でも咲き誇る花畑があるそうですよ。後で行きませんか？」　と、僕に声を掛けた。

　２つ返事で行く事に決定した。
　
　昼食を終えた僕らの自由時間、約束の場所には先にフィーナが、1人花畑でたたずんでいた。
　
　僕が彼女のもとまで行くと、フィーナはある方向を指差し「ハヤト見てください」と言う。

　そこには何も無く、気を抜いた僕の頬もガラ空きのままだ。

　……すると彼女は、手に持った一輪の花で口元を隠し「後ろにミッシェルが居ます」と小声でいった。
　
　その後、「わぁーー！！」と、ミッシェルの声、全然忍べてない声が叫ぶ。
　
　忍者に土下座しなければいけないレベルの隠れ具合。彼はいったい、何をしているのやら？
　
　フィーナは僕の肩のゴミを取るように、僕の肩を払った。
　
「スフィンクスとオリエラも加わりましたねぇ。鬼ごっこでしょうか？」
　
「ちょっと、移動してみましょうか？」
　
　彼女は二人きりの様に、僕は彼女の手を握り2人並んで歩く。
　
　ミッシェルたちの方から、キァーと黄色いと言うか、驚きの声がもれる。
　
　オリエラとスフィンクスは、子どもだから興味本位かもしれないが、なぜ大の大人のミッシェルも？
　
　しかし完璧に忍び始めた彼からは、むしろオリエラたちにない本気度を感じる……本当に何をしているのか？
　
　フィーナは目的のある様に歩くので、僕はただついてく。
　そして細い通路を抜けると、彼女はいきなり僕を引っ張り
　――えっ….フィーナ……(ドキドキ)
　と、思ったら彼女は、僕を壁際に立たせて隠れただけだった……。

　そして追いかけ来た。ミッシェルをフィーナのツルが襲う。

　……ミッシェル捕まっちゃたね。そして僕らのデートも終わったよね？　これは悲しい…………。

「何やっているの？　ミッシェル？」

　彼は戸惑い観念した。僕の彼女が、マジ本当だったからだ。
　
「僕に好き人が出来た時のために、デートの参考にしょうと思って……。女の子の気持ち知りたいわんです！」

　彼は言って行けない事を言った様だ……。

　フィーナの真面目さ、実行力はルイスにも劣らない。
　
　女性の皆さん皆さんによる、ミッシェルのための勉強会！　今、始動でド――――ン！

「まずどんな人好きなんですか？」

「やはり可愛らしい方が……」から始まった会議はとても長くなった。

　それを門外不出として皆から話しを聞けた、ミッシェルはウキウキだった。彼は物覚えはいいのは僕も認めるところだからわかる。

　そして何より……少し羨ましい。

「なんだか、少し女性の扱い方には自信が持てました」

　ミッシェルのその言葉に、なんだか安堵し僕は歩きだした。

　すると歩いた先の壁にもたれて、シルエットがいるのである。僕は思わずキャ――！っていいそうだった。

「そこで喜んでいる様では全然だめ！　まずどこで実践すべきか考えないとね？　ハヤト」

　っと、彼女は言ったのだが……それ言うためにそこにいたの？　後、僕をいつでも女性と(フィーナ)といちゃラブしようとしている代表格と、みなしているみたいに僕に同意を求めるのも駄目です。

　それにしてもやはりシルエットはやっぱり謎の女性である。
　　　　つづく