魔王がやって来たので

もち雪

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旅立った僕達

夢の続き

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 夢、夢は一日起こった事を学習する為にみるんだっけ? それとも死者と通信をしているんだっけ?

 とにかく夢の中にも真実は、あるかもしれない。

 そんな夢に今日も僕は悩まされていた。

「フィーナ、おかしいんだ。今日は、僕が受験生の頃の夢を見たのだが……、今度は少しおねぇさんの君が、勉強を教えてくれるのだけど……ミニなタイトスカートのスーツを着て、黒のレースのストッキングを穿いているので、勉強に全然集中出来ない夢を見たんだ……」

 彼女の顔が、みるみる赤くなる。

「ハヤト、いちいち報告しなくてもいいんですよ?」

「僕もそう思ったんですが……、もしかしたら」

 僕は祈る様に手を組み。チラッとフィーナを見る。

「祈っても駄目です。だめですけど……そういう服の組み合わせについては、ストッキングの黒とまではいきませんが、魔王様がスーツを持っている様に、一度社会勉強として購入を考えてもいいと思います。会議の時の戦闘服として今の洋服のスタイルでは限界を感じていた頃ですので」

 フィーナの真面目スイッチが、いきなり入った。だが、目的は遂げられていので、ミッションクリアーである。僕もフィーナと同様少しワルな顔をした。

「しかしハヤトの夢については、おかしな点が見られます。一度、夢について調査した方がいいですね」

 そこへ書類を沢山持ち、やつれてやや色気が出て来たルイスを捕まえる。

「夢ですか……。あるにはありますが、現実に起こりうる夢なので参考にならないかもしれませんよ……」

「調査なので、小さな事でいいんです。話してもらえませんか?」

「まぁ、そんなに時間のかかる話ではないのでいいでしょう。夢の中でハヤトが言うんですよ。『僕は、ポセイドンとも知り合いなんですよ! だから海にも行きます!!』と、言って引き留めてもどんどん海の中へと入っていってしまうので……、仕方なく両脚に矢を放つしかありませんでした。ボソッ(うざかったので)」

 ――矢を何故、両脚に!? しかも言っちゃ駄目な事言わなかっただろうか?

「それは少しおかしな話ですね……」

 そして僕の彼女は、可愛い口元にこぶしを付け考えた答えに『少し』を付けてしまいます……。

「私もおかしな夢を見たわ」

「「シルエット!?」」「では、私はまだまだ仕事が残っているのでこれで」

「「ルイス、ありがとうございます」」

「私の見た夢はとってもおかしな夢だったわ……。私が廊下を歩いていると、キッチンから少し揉めている男女の声が聞こえたの……。廊下からまず見えたのが、フィーナで彼女はあごに両方のこぶしをあて、体を縮こまらせていたわ、だから私見てたの……。「でも、私……」と言って彼女は首を小刻みに振っていたわ。その前に男性が居たのだけれど、彼は「俺だけ見て欲しい」って男らしく言ってる声がハヤトなの、で、そのハヤトがフィーナの横の壁を手でドーンとやって進行方向をふさいでキスしょうとしてたから、これは夢だなってわかったのよ」

「なんで、夢なんですか!?」と、僕が言っている横で、フィーナが……。

「それは明らかにおかしいですね」

「フィーナ、出来ます。再現しましょう!」

「人前では出来ません」

「……ですよね」

 そして探偵フィーナは――。

「どの夢にもハヤトが関係してるので、一度ルナに見て貰いましょうか……」

 と、言う結論をだした。

               ☆

 そして話が大事になり、僕は街の壁の外で僕憑りつかれていた場合暴れまわらない様に椅子に縛られる事になってしまった。

 ルナの警護には、オリエラが立ち、僕の横にはミッシェルが剣を持って立った。

 ルナの神秘の光を、浴びていると段々気分が悪くなっていった。

 そして僕の足もとに巨大な影が見えた。それはサキュパスの開いた羽で、彼女は超お怒りだった。

「なんなのこの男全然なびかないし、私の夢を弾き飛ばすしなんなの!?」
 
 その後、彼女は、聞くにたえない性的な罵声を僕に浴びせて来た。なんだか気の遠くなる思いだった。

 ぬいぬいなんか、オリエラとルナ、フィーナ連れて、さっさと逃げてR15とR18の壁は完璧に彼によって守られていた。

 そしてルイスの矢が、彼女の頭上で弾かれた後は、いろんな意味で戦力不足、戦力喪失していた我々をあざ笑う様に怒り心頭のまま、上空に逃げられた。

 散々たるありさまを目の前に、見せられて今回は敗北したのである。

 でも、また来て欲しい気もする。

     つづく
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