150 / 204
旅立った僕達
デートでの占い屋
しおりを挟む
コーヒーショップは、レコードの様な音源が使われている。
ところで、お酒を飲むパプの前を歩いていると少し楽しげな曲がかかっているが、僕の知っているコーヒーショップは落ち着いている感じの曲が流れている。
「コーヒー頼まれていたから、ちょっと注文してくる」
一段高い位置のテーブルに座って居たテーブルの僕と下の段のカウンターに座って居る客と、ソーファーのあるテーブルにいると客とが目が合った。
――なるほど、この曲だと聞こえたかもしれない……。
僕は魔物討伐で培った平常心を持って、カウンターに行き最近使っている持ち帰り用のコーヒーコップを差し出し、「コーヒー2つお願いします」と注文し、自分の席へと帰った。
さすがマスター素知らぬ振りが、名男優並みだった。
僕は席に戻ると机へうつ伏になりしばらく起き上がれないほどの、ショックがあったが耐えた。
耐え抜いて、出来たコーヒーを受け取り、なるだけフィーナを窓側に立たせ、会計前にルイス達へのコーヒーを届けて貰った。
迎えにゲーストハウスへ戻ると、彼女とは玄関であった。
「二人にコーヒー届けて来ましたよ。でも、さっきなんだか様子がおかしかったですけど、どうかしましたか?」
ゲーストハウスから出て来た彼女は、そう言った。
「僕達のコーヒーショップのやり取りが、結構聞こえてたみたいで……」
「あ……」
体の後ろに両手を組みながら、彼女は『あぁそんな事ですか』という感じの、リアクションをする。
「私たちは1つの恋や出会いに、一生をかけてしまうので、そういう事はあまり気にしないんですよ。さすがに秘密にすべき事は守りますが、告白や好きって思いを伝えるか、伝えないかによって自分の人生が、生きるか死ぬかそこで決まっちゃいますからね。まぁ好きになるべき相手を間違えないからこそですが……」
「そうなのか……でも、そうかも……。 君の勇気が無ければ、僕達は始まりについては、少しあやしくなる恐れがあるね」
「そうかもしれませんが……、どこに居てもハヤトは私を探してくれる。ですよね?」
彼女は僕を、ワルツに誘う様に手を差し出す。
「もちろん!」
僕は、彼女の手を取り、ふたたびゲストハウスから外へと歩き出した。
港町ソイルドソレルは、どこも秋の装いで黄色や茶色の葉が道を染める。
馬車の通る街なので、少し見苦しい部分もあるが、それでもゲストハウスのあるメイン通りの街の装いは、どこもお洒落で、とてもゆっくり流れている様に思う。
「ハヤト、占いしませんか?」
彼女の指さした先、若者向けの店が並ぶ通りの中にひっそりとそのお店はあった。水晶の看板が飾られ、店の入り口ひっそりと『占い』とランチ1食分位の値段が書かれていた。
「よし、行こう」
濃い紫のカーテンの先は、3つの部屋に別れ、水晶占い、星占い、タロット占いの看板が3つの入り口の上にかけられている。
「ここにしましょう」
彼女は子どもの様に目を輝かせて、部屋に入る彼女はどんな占いをするのだろうか? 部屋に入ると少し暗めの作りになっていて、置かれた水晶の奥には、パン屋の奥さんと言う感じの女性が座って居た。
「こんにちは、おふたりさん、どんな占いがお望みかしら? 恋人同士なら相性占いや結婚に最適な季節や日時もいいかかしら? もしかしたら新居に最適な土地もいいだろうし、間取りを見てみるもやっているわ。どうします?」
「ハヤト、ここは私が決めてもいいですか? 決めかねている事があって……」
彼女は、僕の方をガバッと向いてそう言った。僕とは本気度が違った……。
「どうぞ」
――彼女は、何を占うのだろうか?……。今さら相性占いは無いよな?
「私達、今は一緒に住んでいますが……。私の事情もいろいろあって、将来的にどこで住んだらいいのか迷っていて、それについて占って欲しいのです。後、結婚式も私の家は古い家なので、代々の決まりがあるのですけど、それを踏まえてお聞きしたいです」
彼女の目は真剣で、占い師さんも「わかったわ! 私に任せておいて!」二人は、やる気に満ち満ちている。
だが……、水晶を見つめた占い師の額にはしわが寄り、由々しき事態事態を指示していた。
「う……ん、ごめんなさい……占えないわ……。お金はいらないけど、このままだと心配よね……」
「「はい!」」ふたりは、ハモった。
「貴方達の相性自体は断然いいわ。凄いっていっていい……そのせいでいろいろな輝きも集まるだろうけど……。でも、貴方達の未来を占おうとすると、集まる星の中に禍々しいと言うか、海!そう海の嵐の様な波乱を呼ぶ暗黒の明星と、言うか、言っては悪いけど魔王の様な存在が、貴方達の未来にあって……。彼氏さんも光の星だけど、暗黒の明星に隣にも光る星があるよね。そして彼女の星じゃない月ね、光を受けて綺麗に輝く名月。その先の未来を占うには、暗黒の明星のせいで全然だめ。悪くはないけど、私程度の力では占い的にお手上げね」
「あはは……お金払います。知り合いそんな感じの王族みたいな人いるから、その人かな……なんて、はは」
「あら、そうなの? じゃ……魔王なんて言っちゃって、私ったら」
そうして僕はお金を出すと言ったフィーナに、今度のデートでなんか飲み物奢ってくれればいいからと言って、僕がお金を払った。
占いのお店はを出たフィーナは、珍しく怒っていて、「もぅ――魔王様は」、と言って子どもがお父さんに怒るみたいに頬を膨らませ、理不尽に怒っていた。
「占いはともかく。最初、住むところは君の好きな所でいいよ。僕もいろいろ住んでみたいからさ」
せっかく異世界で、僕は強くなりつつある。やはりいろいろな所へ足をのばして僕と彼女は行くのだ。
つづく
ところで、お酒を飲むパプの前を歩いていると少し楽しげな曲がかかっているが、僕の知っているコーヒーショップは落ち着いている感じの曲が流れている。
「コーヒー頼まれていたから、ちょっと注文してくる」
一段高い位置のテーブルに座って居たテーブルの僕と下の段のカウンターに座って居る客と、ソーファーのあるテーブルにいると客とが目が合った。
――なるほど、この曲だと聞こえたかもしれない……。
僕は魔物討伐で培った平常心を持って、カウンターに行き最近使っている持ち帰り用のコーヒーコップを差し出し、「コーヒー2つお願いします」と注文し、自分の席へと帰った。
さすがマスター素知らぬ振りが、名男優並みだった。
僕は席に戻ると机へうつ伏になりしばらく起き上がれないほどの、ショックがあったが耐えた。
耐え抜いて、出来たコーヒーを受け取り、なるだけフィーナを窓側に立たせ、会計前にルイス達へのコーヒーを届けて貰った。
迎えにゲーストハウスへ戻ると、彼女とは玄関であった。
「二人にコーヒー届けて来ましたよ。でも、さっきなんだか様子がおかしかったですけど、どうかしましたか?」
ゲーストハウスから出て来た彼女は、そう言った。
「僕達のコーヒーショップのやり取りが、結構聞こえてたみたいで……」
「あ……」
体の後ろに両手を組みながら、彼女は『あぁそんな事ですか』という感じの、リアクションをする。
「私たちは1つの恋や出会いに、一生をかけてしまうので、そういう事はあまり気にしないんですよ。さすがに秘密にすべき事は守りますが、告白や好きって思いを伝えるか、伝えないかによって自分の人生が、生きるか死ぬかそこで決まっちゃいますからね。まぁ好きになるべき相手を間違えないからこそですが……」
「そうなのか……でも、そうかも……。 君の勇気が無ければ、僕達は始まりについては、少しあやしくなる恐れがあるね」
「そうかもしれませんが……、どこに居てもハヤトは私を探してくれる。ですよね?」
彼女は僕を、ワルツに誘う様に手を差し出す。
「もちろん!」
僕は、彼女の手を取り、ふたたびゲストハウスから外へと歩き出した。
港町ソイルドソレルは、どこも秋の装いで黄色や茶色の葉が道を染める。
馬車の通る街なので、少し見苦しい部分もあるが、それでもゲストハウスのあるメイン通りの街の装いは、どこもお洒落で、とてもゆっくり流れている様に思う。
「ハヤト、占いしませんか?」
彼女の指さした先、若者向けの店が並ぶ通りの中にひっそりとそのお店はあった。水晶の看板が飾られ、店の入り口ひっそりと『占い』とランチ1食分位の値段が書かれていた。
「よし、行こう」
濃い紫のカーテンの先は、3つの部屋に別れ、水晶占い、星占い、タロット占いの看板が3つの入り口の上にかけられている。
「ここにしましょう」
彼女は子どもの様に目を輝かせて、部屋に入る彼女はどんな占いをするのだろうか? 部屋に入ると少し暗めの作りになっていて、置かれた水晶の奥には、パン屋の奥さんと言う感じの女性が座って居た。
「こんにちは、おふたりさん、どんな占いがお望みかしら? 恋人同士なら相性占いや結婚に最適な季節や日時もいいかかしら? もしかしたら新居に最適な土地もいいだろうし、間取りを見てみるもやっているわ。どうします?」
「ハヤト、ここは私が決めてもいいですか? 決めかねている事があって……」
彼女は、僕の方をガバッと向いてそう言った。僕とは本気度が違った……。
「どうぞ」
――彼女は、何を占うのだろうか?……。今さら相性占いは無いよな?
「私達、今は一緒に住んでいますが……。私の事情もいろいろあって、将来的にどこで住んだらいいのか迷っていて、それについて占って欲しいのです。後、結婚式も私の家は古い家なので、代々の決まりがあるのですけど、それを踏まえてお聞きしたいです」
彼女の目は真剣で、占い師さんも「わかったわ! 私に任せておいて!」二人は、やる気に満ち満ちている。
だが……、水晶を見つめた占い師の額にはしわが寄り、由々しき事態事態を指示していた。
「う……ん、ごめんなさい……占えないわ……。お金はいらないけど、このままだと心配よね……」
「「はい!」」ふたりは、ハモった。
「貴方達の相性自体は断然いいわ。凄いっていっていい……そのせいでいろいろな輝きも集まるだろうけど……。でも、貴方達の未来を占おうとすると、集まる星の中に禍々しいと言うか、海!そう海の嵐の様な波乱を呼ぶ暗黒の明星と、言うか、言っては悪いけど魔王の様な存在が、貴方達の未来にあって……。彼氏さんも光の星だけど、暗黒の明星に隣にも光る星があるよね。そして彼女の星じゃない月ね、光を受けて綺麗に輝く名月。その先の未来を占うには、暗黒の明星のせいで全然だめ。悪くはないけど、私程度の力では占い的にお手上げね」
「あはは……お金払います。知り合いそんな感じの王族みたいな人いるから、その人かな……なんて、はは」
「あら、そうなの? じゃ……魔王なんて言っちゃって、私ったら」
そうして僕はお金を出すと言ったフィーナに、今度のデートでなんか飲み物奢ってくれればいいからと言って、僕がお金を払った。
占いのお店はを出たフィーナは、珍しく怒っていて、「もぅ――魔王様は」、と言って子どもがお父さんに怒るみたいに頬を膨らませ、理不尽に怒っていた。
「占いはともかく。最初、住むところは君の好きな所でいいよ。僕もいろいろ住んでみたいからさ」
せっかく異世界で、僕は強くなりつつある。やはりいろいろな所へ足をのばして僕と彼女は行くのだ。
つづく
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる